■アウトドアで威力を発揮する軽SUV
軽自動車というと、小さいボディサイズで小回りが効いて、維持費が安く、実用的というところが魅力ですが、その反面、パワーがなかったり安全性に劣るというイメージもあります。
しかし最近の軽は驚くほどの進化を遂げており、そういったネガティブな部分は払しょくされ、新車販売の4割にも達するほどの人気ジャンルになっています。
なかでももっとも売れ筋なのは、ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、スズキ「スペーシア」といった背の高いスーパーハイトワゴンです。
しかし同じ軽でも、趣味性に富んだ個性的なモデルも多く存在します。
そこで今回は、アウトドア系から走り系まで、趣味に使える軽自動車を5台ピックアップして紹介します。
●スズキ「ジムニー」
スズキ「ジムニー」は、荒れた路面や狭い林道などのオフロード走行を得意とする本格四駆で、趣味で使うユーザーだけでなく、プロユースとしても愛用されています。
現行モデルは2018年に登場した4代目で、20年ぶりに全面改良がおこなわれました。
初代から変わらずラダーフレームを採用。FRレイアウトや機械式副変速機付きパートタイム4WDなどにより、悪路行性を高めています。
また、現代のモデルに必要とされる予防安全技術「スズキセーフティサポート」も搭載。事故を未然に防ぎ、万が一のときの安全性を確保しました。
デザインはスクエアなフォルムに丸目のヘッドライトが特徴的。現行モデルには、歴代モデルのモチーフが各所に取り入れられており、丸目ヘッドライトも初代を連想させます。
内装は機能性を重視したシンプルなデザインですが、助手席にアシストグリップが装備されているなど、オフロード走行を意識したアイテムも備わります。
ジムニーは3ドアということもあり、後席へアクセスがしづらいのが難点です。
しかし2人乗りと割り切って、後席は畳んで荷室スペースを広げれば、アウトドア用品などの荷物も十分積むことができます。
最近では無骨なデザインが逆に可愛いと、女性にも人気のジムニー。アウトドアだけでなく、ファッションとして乗る人も増えているようです。
価格(消費税込、以下同様)は148万5000円から187万5500円です。
●スズキ「ハスラー」
スズキ「ハスラー」はジムニーと似ていますが、ジムニーが本格四駆なのに対して、ハスラーはカジュアルな軽クロスオーバーSUVです。
2020年1月にフルモデルチェンジし、2代目へと進化。デザインはキープコンセプトであるものの、先代以上にアウトドア感を強めたスタイルを取り入れました。
四角いボディに丸いヘッドライトのデザインは、輸入車で人気の本格的なオフロード車のイメージを取り入れるとともに、機能性と遊び心を追求した内装もアクティブな印象です。
後席を前に倒すとラゲッジスペースが拡大。助手席までフルフラットにすれば車中泊にも対応できます。
先代モデルで好評だった、後席背面とラゲッジフロアは防汚タイプとすることで、アウトドアで汚れたものも気兼ねなく積めます。
駆動方式は2WDと4WDが設定され、4WDには「スノーモード」を追加。雪道やアイスバーンでのスムーズな発進をアシストする機能も備えました。
さらに4WDには、ぬかるみや滑りやすい路面で発進をサポートする「グリップコントロール」や、急な下り坂で車速を約7km/hで維持する「ヒルディセントコントロール」も標準装備されています。
安全面では、予防安全技術「スズキセーフティサポート」を搭載。進化したデュアルカメラブレーキサポートにより、夜間の歩行者検知や標識認識機能、後退時ブレーキサポートを可能としました。
さらに、ターボ車には、アダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能付き]と車線逸脱抑制機能をスズキの軽自動車として初搭載しています。
価格は128万400円から179万800円です。
●ダイハツ「タフト」
軽SUVで勢いに乗るスズキですが、対するダイハツは2020年6月に新型「タフト」を発売しました。
タフトのデザインも、角ばったスタイル。ヘッドライトも角型でワイルドなイメージです。また、ホイールアーチには樹脂製パーツが装着され、タフさを強調しています。
内装は、エアコンの吹き出し口やシフト回りにオレンジのアクセントが施されていたり、シートは迷彩柄だったりと、遊び心が感じられるデザインです。
また、新型タフトは運転席・助手席の上部に「スカイフィールトップ」と呼ばれるガラスルーフが全車標準装備されました。
このガラスルーフは固定されているため開閉はしませんが、シェードを開けると日の光が差し込み、開放感があふれる空間が広がります。
アウトドアでの使い勝手の良さも考慮されており、前席は運転を楽しむ「クルースペース」、後席は遊びを楽しむ「フレキシブルスペース」として役割を分けているのもタフトの特徴です。
後席は荷物を乗せるスペースとして活用でき、簡単な操作で前に倒すとフラットな荷室に早変わりし、荷室と後席背面には汚れてもすぐに拭き取れる防汚素材が用いられています。
安全装備として最新の「スマートアシスト」を搭載。新型ステレオカメラを採用することで、検知性能が向上しました。
また、ダイハツの軽として初となる電動パーキングブレーキを全車に装備しています。
価格は135万3000円から173万2500円です。
■走りが楽しい軽スポーツカーとは?
●ホンダ「S660」
軽自動車という枠のなかで、走りが楽しい本格スポーツカーとして2015年に登場したのがホンダ「S660」です。
2人乗りの軽オープンカーで、660ccのターボエンジンをリアミッドシップに搭載し、後輪を駆動するMRを採用しました。
トランスミッションはCVTと6速MTがありますが、S660が軽に初めて6速MTを搭載したモデルです。
また、軽初の電子制御システム「アジャイルハンドリングアシスト」を採用。コーナリング時に狙ったラインをトレースしやすく、少ないステアリング操作でスムーズな車両挙動を実現しました。
S660は地を這うような低い着座位置で、まるでゴーカートに乗っているようなワクワクした感覚を味わえます。
2020年1月にマイナーチェンジし、内外装のデザイン変更やボディカラーが追加されました。
室内はかなり狭いものの、脱着式のソフトトップを外して屋根をオープンにすれば、開放的な雰囲気を楽しめるのもS660の特徴です。
注意したいのは、リアにエンジンが搭載されていることから、S660にはトランクスペースが存在しないことです。
同乗者がいると助手席に荷物も置けないため、ひとりでひたすら走りを楽しむ、ストイックなスポーツモデルだといえます。
価格は203万1700円から304万2600円です。
●ダイハツ「コペン」
S660と同じく、2人乗りの軽オープンカーのダイハツ「コペン」は、現行モデルは2014年にデビューした2代目です。
初代は丸みを帯びた可愛らしいスタイルでしたが、現行モデルは「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」といったスタイルが選べる、個性派スポーツカーに生まれ変わりました。
コペンの独自性はほかにもあり、内外装を脱着して別のデザインに着せ替えられる「DRESS-FORMATION」を採用。購入後でも異なるスタイルに変身することができます。
そして2019年10月には、第4のモデルとして「GRスポーツ」を追加。トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」のノウハウを注入し、スポーツ性能を高めたモデルが登場しました。
いずれもパワートレインは660ccターボエンジンに、CVT/5速MTが組み合わされます。
コペンは電動ルーフを備えており、ボタンひとつで屋根を開閉することができます。
また、トランクスペースは、ルーフクローズ時にはゴルフバッグも積める容量を確保しますが、オープン時はトランクスペースに屋根が格納されるため荷室容量が減少。
それでもハンドバッグ程度なら載せることができるなど、実用性も備えています。
価格は188万6500円から244万6000円です。
※ ※ ※
今回紹介した軽自動車は、アウトドア系では荷物を積むために後席をラゲッジスペースにしたり、走り系ではそもそも2シーターだったりと、大人数でワイワイ移動するためのモデルではありません。
しかし、キャンプや釣り、ウインタースポーツに加え、スポーツ走行を楽しむなど、趣味に没頭できる個性派ぞろいだといえます。
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みんなのコメント
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NBoxに迫る実力のスペーシア
唯一無二の名車ジムニー
スズキさんは凄いなと思います。