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マクラーレン、1275馬力のV8ハイブリッドに "地面効果" エアロ採用 新型「W1」約3億8800万円から

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マクラーレン、1275馬力のV8ハイブリッドに "地面効果" エアロ採用 新型「W1」約3億8800万円から

P1の正当なる後継車

英国のマクラーレンは10月6日、新型スーパーカー「W1」を初公開した。P1の後継車であり、レースで鍛えられたエアロダイナミクスと、合計出力1275psのV8ハイブリッドを採用している。

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P1の登場から10年の間にセナやスピードテールが続いたものの、マクラーレンは新型W1こそが真の後継車であると考えている。価格は200万ポンド(約3億8800万円)で、合計399台のみの限定生産となるが、すでに完売しているという。

新型W1は、パワーとパフォーマンスの面でマクラーレンの全記録を塗り替えた。セナよりも速くサーキットを周回し、スピードテールよりも速やかに加速する。エンジンからサンバイザーに至るまで、あらゆるコンポーネントを徹底的に軽量化した結果、車両乾燥重量は1399kgに抑えられている。

前身となるP1は、フェラーリ・ラ フェラーリ、ポルシェ918スパイダーと同時期に発表されたことから、スーパーカーの「三位一体」として有名だ。フェラーリは現在、ラ フェラーリ後継車の発表を間近に控えているとされ、W1の直接的なライバルとなる可能性が高い。

「史上最強」のパワーユニット

W1の心臓部には、マクラーレンの長年のパートナーであるリカルド社製の4.0LフラットプレーンクランクV8ツインターボエンジンが搭載される。

マクラーレンによると、ハイブリッドシステム用に新しく設計された特別なユニットだという。

このエンジンは「MHP-8」と呼ばれ、直噴とポート噴射を併用し、エンジン単体で最高出力928psを発生する。これはマクラーレンのエンジンの中で、排気量1.0Lあたり最も高い出力だ。モーター制御ユニットと、フォーミュラEマシンに匹敵する性能を持つ最高出力347psのラジアルフラックス電気モーターを組み合わせ、合計出力1275ps、最大トルク136kg-mを実現した。

モーターは主にパフォーマンス向上のために使用されるが、8速デュアルクラッチ・トランスミッションのリバースギアとしても機能する。静かな始動を実現し、約2.5kmのEV航続距離も可能だ。容量1.4kWhの小型バッテリーを使用しており、プラグインハイブリッド(PHEV)ではない。

eディファレンシャルも装備されている。マクラーレンによると、W1のハイブリッド・コンポーネントの重量はP1よりも40%軽くなっているが、出力は40%向上しているという。

0-100km/h加速は2.7秒、0-200km/h加速は5.8秒、0-300km/h加速は12.7秒とされる。最高速度は350km/hに制限され、エンジンの最大回転数は9200rpm。マクラーレンは、レッドラインに向かって排気音に「クレッシェンド(だんだん強く、を意味する音楽記号)」がかかるとしている。

複数のパワートレイン・モードが用意され、1ラップで最大限のパワーを発揮する「スプリント(Sprint)」モードから、より長いサーキット走行に適した「GP」モードまで、電動アシストのレベルを調整することができる。

レースのプッシュ・トゥ・パス(P2P)を模倣した「ブースト(Boost)」設定にすると、瞬時にフルパワーが得られ、これをリアウイングのドラッグ・リダクション・システム(DRS)と組み合わせることで、直進スピードをさらに上げることができる。

これらのシステムには、ステアリングホイールにある2つのボタンだけでアクセスできる。

W1ではまた、エアロダイナミクスとサスペンションによりグリップと荷重を確保したため、四輪駆動は必要ないと判断された。パワーとトルクはすべて後輪に供給されるが、そのマネジメントには「F1のノウハウ」が活かされているという。

レーシングカーのようなエアロ

W1はロードカー(公道走行可能なモデル)でありながら、アンダーボディのデザインによりF1マシンのようなグラウンド・エフェクトを獲得した。

先進的な可変エアロを備えており、後方に300mm伸びるアクティブ・ロングテールというリアウィングは、アンダーフロアやリアディフューザーと連携して、ドラッグを増やすことなく追加のダウンフォースを生み出す。

この機能はサーキットでのみ使用可能だ。エアロの最も過激なセッティングである「レース(Race)」モードでは、フロントで350kg、リアで650kg、合計1000kgのダウンフォースを発生する。高速コーナリング時の安定性と予測可能性を高め、これによってナルド・サーキット(マクラーレンの基準コース)をセナより3秒速く周回できるという。

エアロパッケージの出発点となるのは、中央のエアロセル・カーボンファイバー・モノコックである。これを中心にクルマが作られ、キャビンの2つのシートを統合してホイールベースを短くしている。

エンジンのマウントからサスペンションの設計に至るまで、W1のほとんどすべての部品と取り付けは、空力性能を念頭に置いて行われている。そのため、ドアはマクラーレンとして初めてディヘドラル式ではなくアンヘドラル式となっており、P1でおなじみのルーフのエアスクープは、リアへの流れを整える役割を果たす。

公道走行用のロードモードでは、フロントウィングが格納され、ロングテール・リアウィングもボディと一体化する。

一般道での走行も「スムーズ」に

マクラーレンは、W1を語る上で重要なのは、日常的な速度や路面状況に対応する能力だと言う。

マクラーレン・レース・アクティブ・シャシー・コントロールIIIと呼ばれる、レースで培われたダブルウィッシュボーン式サスペンションの設計を採用。一般道での快適なドライビングからサーキットでの圧倒的なパフォーマンスまで、幅広い範囲をカバーするように設計されている。

「コンフォート」、「スポーツ」、「レース」、「レース+」の各モードが選択可能だ。コンフォートは 「スムーズな乗り心地」に重点を置き、レースとレース+はサーキットでの性能ポテンシャルを最大限に引き出す。

モード設定によって車高も調整される。プッシュロッドもマクラーレン初となる機構で、フロントではF1のノウハウを生かしたインボードダンパーと連動して空気の流れを整え、リアではアウトボードスプリングとダンパーを使用する。

構造にはチタニウムが使用されるほか、軽量化を追求するためにサスペンション部品は一部3Dプリントで生産される。

ステアリングは油圧式で、ブレーキには従来のディスクにセラミック層を追加したカーボンセラミック・レーシング+を装着して制動力をさらに高めている。その制動距離は、100-0km/hで29m、200-0km/hで100mとされる。

タイヤはピレリによるW1専用設計のものを採用し、サーキット走行に特化しながらも公道走行可能なPゼロ・トロフェオRSタイヤと、PゼロRおよびPゼロ・ウィンター2などがある。ホイールはマグネシウム製だ。

快適性と視認性を高めたインテリア

W1のボディサイズは全長4635mm、全幅2074mm、全高1182mm、ホイールベース2680mmで、P1よりわずかに大きい。

カーボンファイバーを多用することで、P1とほぼ同等の乾燥重量1399kgを実現している。デザインはスピードテールというよりセナの進化形で、現行の750Sスーパーカーとの共通点も多いが、空力面で大きな違いが見られる。

マクラーレンによれば、インテリアは「比類なきスーパーカーの人間工学とクラス最高の視認性」を備えているという。また、スーパーカーの基準に照らしても、快適で広々とした空間であるとも語っている。特に、乗降を可能な限り容易にすること、そして状況に応じてエンジンを静かにさせることに重点を置いている。

ペダル、ステアリングホイール、主要コントロールは調整可能。シートは固定式の布張りで、通常よりもリクライニングを大きくして快適性を高めている。

Aピラーは視界を確保するために非常に細く作られた。ステアリングホイールは、マクラーレンの一般的なサイズよりも小さく、オプションでレッドラインが近づいたことを示すシフトライトが用意される。

主要なシャシー機能とパワートレインの制御にはキースイッチ類が割り当てられるが、中央にはアップル・カープレイ搭載の8インチのタッチスクリーンがある。アンドロイド・オートは未対応。シートの後ろには、旅行用バッグ(またはヘルメット)を2個収納できるスペースがあり、スライド式カップホルダーも備わっている。

W1は、2026年に英国ウォーキングで生産が開始される予定だが、生産枠は399台すべてがすでに埋まっている。「無制限」のカスタマイズ・オプションが用意されているため、実際の車両価格は200万ポンドをはるかに上回ると予想されている。

また、マクラーレンによる4年間のサービスプランが付属する。W1のサービス間隔は12か月で、内容は従来のV6ハイブリッド車と同様だという。これはサーキット重視のスーパーカーとしては異例だ。

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みんなのコメント

3件
  • なおきち
    マクラーレンの利益自体では経営不振レベルなのに新型か。
    確かに前よりかっこよくなってるが個人的にマクラーレンの顔面とデザインはなんか惜しいんだよな。マークも何かダサいし。
  • sad********
    ずっと続いてたニヤケ顔のフロントデザインが廃止になったのはいいけど
    マクラーレン・セナ同様、カッコ良くも悪くもないデザインって感じ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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