シトロエンが2021年上期の国内販売台数で3427台と過去最高のセールスを記録した。その要因には、2019年秋の日本上陸以来、「ベルランゴ」が好調な売れゆきを維持していることがあるという。
2列シートミニバンといえる背の高いボディスタイルを持つシトロエンのMPV、ベルランゴが今売れている理由とは? モータージャーナリストの島崎七生人氏は次のように考察する。
輸入車は右ハンドルでも「左」!! なぜ日本車のウインカーレバーは未だに「右側」なのか
文/島崎七生人
写真/Groupe PSA Japan、島崎七生人
【画像ギャラリー】シトロエンの売れ筋、ベルランゴを画像でチェック!
■シトロエンの販売台数中、5割強がベルランゴ
シトロエンのセールスが好調だ。2021年1~6月上期の国内累計販売台数は3427台を達成。これは日本での同ブランドの6カ月累計販売実績として過去最高のものとなった。
また6月単月販売台数も762台(前年同月比+134%、登録ベース)で、今年3月の最高記録954台に次ぐ高い実績も残した。コロナ禍の収束はまだ先が見えないなか、こうした上向きのニュースがあると、少しホッとさせられる。
ところでそんなシトロエンの“快走”に、あのベルランゴが大きく貢献している。訊けば「現行シトロエンモデル販売のうち、およそ5割強がベルランゴ」(PSA)なのだそうだ。
シトロエン ベルランゴはプジョー リフターと姉妹車だが、しっかりシトロエンらしい個性的なデザインにまとめられている
もちろん本国からの車両の調達状況が万全ではないなかでのこと、インポーター自身「驚異的な売れゆき」と受け止めており、今後の生産が当初の予定どおりに回復すれば「今年は昨年の2倍の販売台数を見込んでいる」というから、その人気ぶりは押して知るべしだ。
もともとベルランゴは、当初2019年の10月と11月の2回にわたり先行発売モデルを発売、オンラインで受け付けた予約枠がともに5時間半でいっぱいになった……という超人気車。その後2020年8月、正式なカタログモデルとしてリリース。
2019年10月発表のベルランゴ特別仕様車、デビューエディション。価格は325万円
なのでちょうど1年が経ったところだが、この間、2021年2月に新ボディ色の設定(ディープブルー、メタリックコッパーの2色)と、それまで特別仕様車だったSHINE XTR PACKのレギュラーモデル化、FEELの仕様変更(ブラインドスポットモニターの標準装備化)を実施。
2021年2月に「ディープブルー」など新ボディカラーを2色追加。細かな仕様変更と、価格改定が行われた
細かなことでいうと、今年4月には+1万3000円~+1万8000円の価格改定を実施している。
ちなみにベルランゴは現行モデルで3代目。本国では初代(1996年)、2代目(2008年)も存在した。が、トランスミッション、装備を日本市場に適合させた仕様の用意が叶わず、それで正規輸入には至らなかったのが実情だったらしい。
■ベルランゴが購入される理由
では3代目の現行ベルランゴは、導入以来、なぜこれほどの人気を集めているのか?
思うに最大の人気の理由は“正真正銘の実用車だから”だ。インポーター自身、「とにかく同等のMPVが不在で、唯一の好ライバルであるルノー・カングーとともに市場を盛り上げている」との見解。
最大の人気の理由は“正真正銘の実用車だから”というのが筆者の考え。インポーター自身も、「ルノー・カングーとともに市場を盛り上げている」という
ミニバンといえば大から小まで日本車の独壇場で、ブランド、価格、装備の充実度など、どのモデルを選んでも申し分のないクルマばかり。ところが選ぶにあたり条件を削いでいき、今どきの感覚に基づき安心、安全なMPVを考えると、そこにあるのがベルランゴ。
「国産車はピープルムーバーとして秀逸だが“道具感”が希薄なのでは? その点でベルランゴは、道具感とファミリーカーとしての快適性、楽しさを程よくバランスしている」とはインポーターの分析。
クルマを使う、クルマで家族と移動する……そんな行為が今まで以上に“大事”になり、価値観も変わった昨今だからこそ、ベルランゴのような実用車の本質を追求したクルマに注目が集まり始めたということか。
審美眼などというと少々イヤらしく聞こえてしまうが、これまでも、自分の生活スタイルにこだわりをもつ感度の高いユーザーから、ピュアな道具感をもつベルランゴ(やルノー・カングー)は選ばれてきた。その価値観が、あまねく多くのユーザーの気持ちにもササるようになり始めたということだろう。
■コテンパンに使い倒せる実用性
もちろん実車は、とてもチャーミングなクルマだ。とくに言葉で表現するとホッコリ、ユッタリとした乗り味と走りっぷり、言い訳なしにコテンパンに使いこなせる広く実用的な室内空間は「まさにMPVの鑑のようなクルマだなぁ」と思わせられる。
実は筆者も“癒し系”のクルマには目がないタイプだが、ベルランゴもまさに、そんなユーザーの期待に違わない出来栄え。
しかも、ただの味気ない道具ではまったくなく、SHINEグレードに標準の“モジュトップ”と呼ぶ多機能な天井収納は、ただの飾りとは訳が違ってしっかりとした実用性と使い勝手が考えられたもの。
フロントルーフのほか、リアシート頭上後方ににも収納スペースが配置されている
お子様が「ボクの帽子どこだっけ?」「後ろの天井のところに仕舞ったでしょ? 自分で取ってみなさい!」といった風に、使いこなすことを楽しみながら使えたり、シトロエンならではのセンスが随所に活かされたデザインなのもいい。
筆者も我が家の“モータージャーナリスト犬”(柴犬・♂・6歳)を、とあるカレの連載ページの試乗と撮影で実際に乗せたことがあるが、走行中の神経を逆撫でされない乗り心地や振動、まったく耳に障らないノイズなどが心地よかったらしい。
自宅にいる時と同じようにシートの上で寛いでいて、撮影場所で、使う高さが2段で選べるフレキシブルラゲッジトレイを“中段”にし、ガラスハッチを開けて中にスタンバイさせていたら(トレイの耐荷重は25kg)、ちょうど見晴らしのいい高さが得られて、あたりを眺めるなどしていた。
フレキシブルラゲッジトレイが装備され、荷室が分割して使える。トレイの上に座ってるのが島崎氏の愛犬
なお、同門のプジョー・リフターの存在も気になるところ。だが「意外とベルランゴとリフターを比較するお客様は少ない印象」という。ベルランゴがMPVのど真ん中を行くコンセプトなのに対し、リフターはスタイルも走りの味付けも、よりSUV寄りのクロスオーバーというのが立ち位置で、棲み分けができているようだ。
ベルランゴのインパネ。姉妹車のリフターとはメーター配置など、細かい部分で作り分けている
リアシートは3人乗車用のセパレートシートを採用。真ん中の席にもちゃんとしたヘッドレストが付いているのが嬉しい
“夢中を詰め込んで、人生を楽しもう!”はシトロエン・ベルランゴのキャッチコピーだが、実際に乗ってみると、それが本当に体現されていることがわかる。シトロエン・ベルランゴは、今の時代に求められる“包容力と実用性”をさりげなくもっているところが人気の秘密なのだろう。
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