マイバッハという名称は、1920年代に登場したドイツの高級車ブランド。「究極の洗練されたラグジュアリー」を追求したブランドとして当時はセンセーショナルなクルマだった。その後、鉄道車両や戦車のエンジンなども生産していたが、1950年代に、ダイムラー・ベンツが株式を取得し1960年代から傘下に入った。2000年代に入り、ドイツ製高級車を復活させる動きがあり、マイバッハの名が登場した。
「Sクラス」セダンをベースにした4ドアサルーンが中心だったが、世界的に高級車メーカーがスーパーSUVを生産するという動きが活発になり、メルセデスも2021年にラグジュアリーSUVの「GLS」をベースにしたマイバッハを生産することを決定。
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それまでの「Sクラス マイバッハ」は「Sクラス」よりも大きなボディーを造り、専用モデルだったが「GLS」は既存のメルセデスの「GLS」をベースにしている。しかし、その内容はマイバッハの名にふさわしい装備や素材を用い、高価格車に仕上げられている。ラインアップは「GLS 4MATIC」。V8、4.0ℓツインガソリンターボエンジンを搭載し、車両本体価格は2827万円から。ちなみに、試乗車は、外装のツートーンペイント(246万4000円)と、ホワイト/シルバーのナッパレザーシート(281万5000円)などをオプション装備していたので、車両価格は3365万円(税込み)だった。
基本的に、メルセデスの「GLS」をベースにしているが、フロントグリルは縦方向のバーとクローム処理をしたメッシュのエアインテークが左右に拡がり、ドアウインドウ周囲も分厚いクロームメッキを配して、ドイツ車らしく、押し出しの強さをアピールしている。
ボディーのペイントも当時からの高級車の手法のひとつであるツートーンを採用。試乗車はブラックとマルーンという2色で塗り分けられていた。このツートーンと分厚いクロームメッキこそ、かつてのドイツ高級車の基本スタイルであり、「GLS」はそれを忠実に再現している。
ボンネットの先端にはスリーポインテッドスターが立っている。マイバッハを名乗っているが、あくまでもメルセデス傘下の高級車であるとことの意思が感じられる。リアサイドウインドウとリアゲートの間のピラーには、MとHを組み合わせたマイバッハのエムブレムがあしらわれている。
ホイールもフロントグリルのピンストライプがモチーフになった鍛造でサイズは23インチ。メルセデスの乗用車の中で最も大径サイズだ。タイヤはピレリ「P ZERO」で、フロント285/40R23、リア325/35R23を装着している。
左ハンドルの運転席(※右ハンドルの設定はなし)に座る前に、後席をチェックした。ドアノブに手をかけると、足乗せ用のボードがドア下から自動でせり出す。ここに足をかけて、室内に入る。着座は高い。左右セパレートで、中央部分は前席から続くコンソール兼アームレストが横たわっている。右から左席へのサイドスルーはできない。
2列4名乗車が基本、3列シートは設定されず
しかも、メルセデス『GLS』では標準だった3列目シートがない。2列、4名乗車がマイバッハは標準仕様なのだ。後席はメルセデス『GLS』よりも後方に120mm、内側に30mm移動しているという。足元はかなり広い。後席はスライドしないが、オットマン、リクライニングは可能。とくにリクライニングは最大43.5度まで後傾する。
後席のうしろはラゲージスペースだが、パーセルシェルフが付いた固定式のパーテイションで仕切られている。つまり居住スペースと荷物スペースは分離されているのだ。最近では、ロールス・ロイス『カリナン』もトランクが独立しているが、マイバッハ『GLS』も同じ手法を採り入れている。このほうがボディー剛性や騒音の侵入に対して対処しやすいし、リアゲートを開けても室内の空調は影響を受けにくいという特徴があるのだ。
後席の間のコンソール部分には専用のシャンパングラス2脚と750ccのシャンパンボトルが3本収納できるクーリングボックスが備わるのも、このクラスのラグジュアリーSUVのおきまり装備。座席の目の前、前席背もたれには7インチ画面のモニターが左右にそれぞれ設置されている。この画面を10か所の圧力ポイントがあるマッサージ機能を作動させながら、フカッと頭を包んでくれるまくらに頭を乗せれば、アッという間に眠りにつくのは当然のことだろう。
オーディオをかければ、標準装備のハイエンド3Dサラウンドシステムが27個のスピーカーと24チャンネルアンプの合計1590Wシステムの音を聞かせてくれる。このように快適な後席を降りて、誰がハンドルを握りに前席に移動するというのだと思いながら、渋々前席に移動する。
運転も優雅に楽しめる
運転席に座り、スターターボタンを押し、コラムに生えているシフトレバーをDにシフトして、アクセルを踏めば、V8、4.0ℓ、ツインターボエンジンは、状況により気筒休止を行ないながら、走行する。4輪駆動システムは前後の駆動力配分を前0:後100から前100:後0まで可変し、常に安定した駆動力で走行してくれる。
乗り心地はEアクティブボディコントロールが4輪それぞれに48V対応のアクチュエーターを追加、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別に制御する。ロードサーフェイススキャンはステレオカメラで前方の路面のアンジュレーションをモニターし、フラットな乗り心地を提供してくれる。コーナーではボディーのロールは水平になるように制御される。運転手がひたすら安全運転を心がければ、マイバッハ『GSL』は、目的地まで優雅に、かつ速い移動を実現してくれるのだ。
■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/gls/mercedes-maybach-x167/explore.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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みんなのコメント
黒いと霊柩車みたいだな