価格設定でアドバンテージ狙う
シトロエンは、競争の激しい小型EV市場でブランド力を高めるために、「アグレッシブな価格設定」となる新型車を開発している。今後数年以内に登場すると予想される。
【画像】個性的デザインと独自の価格路線を打ち出すシトロエン【最新のOLIコンセプトとアミEVを写真で見る】 全50枚
シトロエンのデザイン責任者であるピエール・ルクレルク氏はAUTOCARに対し、幅広い顧客層にアピールするために「強烈」なデザインを採用する予定であると語った。
ルクレルク氏は、OLIコンセプトのほか、次期C3エアクロスやアミとデザイン要素を共有することになるだろうと述べ、単なる大型車の縮小版にはならないだろうとした。「ロシア人形のようなクルマは作らないつもりです」
同氏は価格設定によって「大きなアドバンテージ」を得られるとしており、このことから2万5000ポンド(約400万円)前後の価格帯が有力視される。参考までに、フィアット500エレクトリックは2万8195ポンド(約450万円)から、オペル/ヴォグゾール・コルサは3万1800ポンド(約510万円)から、MG 4は2万6000ポンド(約420万円)からとなっている。
「市場において本当にアグレッシブな価格目標を掲げて構想しています」とルクレルク氏は言う。
「シトロエンのようなブランドにとって、(他の自動車メーカーに対する)大きな、大きなアドバンテージになると思うのです。高級ブランドがさらに高級化していく中で、(クルマを買うのに)そういうお金がない人もいるわけですからね」
また、クルマそのものについては、「近々、デザインの面でも驚くような素晴らしい製品が発表します。とてもクールなものになるはずです。世に送り出すのが楽しみです。価格はとてもアグレッシブなものになるでしょう。シトロエンは、これを成し遂げたことを誇りに思います」と述べた。
「この先2、3年の自動車産業において、シトロエンは大きな役割を担っていると思います」
新型EVは、すでにプジョーe-208などで使われているCMPプラットフォームを採用する可能性が高い。
e-208と同じ51kWhのバッテリーを使用すれば、最大400kmの航続距離を実現できるだろう。シングルモーターから130ps程度の出力を発揮するものと思われる。
コスト削減のため、OLIコンセプトのようにインフォテインメント・システムを廃止し、ドライバーの携帯電話と連動するシステムを採用する可能性もある。しかし、7000ポンド(約110万円)のアミに搭載されている携帯電話ホルダーのような低予算のものではないだろう。
「考えてみれば、人々は何を求めているのでしょうか?」とルクレルク氏は話す。「最高のオンボード体験を求めているのです」
「わたし達は1日中、携帯電話と一緒に暮らしています。だから、スマホの操作に近ければ近いほどいいと思うんです。携帯電話にあるものをそのまま持たせればいいんです」
以前AUTOCARの取材で、シトロエンの製品&戦略ディレクター、ローレンス・ハンセン氏はこう語っている。
「シトロエンは、業界の常識に挑戦するのが大好きです。OLIコンセプトでは、手頃な価格で持続可能な、楽しくてモダンなモビリティを見つけたいのです。それはシトロエンのDNAに沿ったものだと考えているので、長期的に続けていくつもりです」
「今日の欧州における自動車の平均販売価格は、2万5000ユーロ(約350万円)です。明日、人々がもっと投資できるかどうかは疑問です。何か手を打つ必要があります」
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