雨の中で行なわれたスーパーGT第8戦もてぎでは、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが最速タイムをマークし、ポールポジションとなった。決勝は一転してドライコンディションとなる予報だが、そこでも好結果が期待されている。
ヘビーウエットとなった予選では、雨量の多いコンディションでのダンロップタイヤの強みも活かして、ポールを勝ち取った64号車。NAKAJIMA RACINGにとっても、GT500クラスのダンロップ勢にとっても3年ぶりという久々のポール獲得となったのだが、決勝レースでの優勝となるとそれ以上に遠ざかっており、最後の勝利は2017年の鈴鹿1000kmまで遡る。
■雨量が1ミリ増えただけで変わる……激化するタイヤ戦争の中、3年ぶりPPの64号車Modulo&ダンロップ「コンディションにマッチした」
現在ではGT500クラスでは1台体制と、得られるデータが少ない中でタイヤ開発を進めているダンロップとNAKAJIMA RACING。ただ彼らはシーズン中のタイヤメーカーテストでタイヤの刷新に取り組んだ結果、かなり手応えを掴んでおり、64号車の加藤祐樹エンジニアも、ドライバーの伊沢拓也も、ここ最近ドライコンディションで走る機会が少ないことが残念だったと口を揃えている。またクラッシュに終わってしまった第7戦オートポリスでも良いフィーリングが掴めていたという点に関しても、ふたりは見解を同じくしている。
伊沢はポールポジション記者会見で次のように語っていた。
「ここ数戦、SUGO、オートポリス、そして今回と、ドライで予選ができなかったことを僕らは非常に残念がっています。それだけ、今作ってきているタイヤに自信があるというか、チャレンジしているので、それを使ってどれだけ戦えるかを見たいと思っています」
「僕らは事前にここでテストをしていて、そこでのパフォーマンスは非常に高かったです。その時とコンディションが違うのでどうなるか分かりませんが、ここまで来たら勝ちに行きたいというのが正直なところです」
またHRC(ホンダ・レーシング)の開発陣としても、64号車にはこれまで以上に期待を寄せているようだ。スーパーGTのラージ・プロジェクトリーダーである佐伯昌弘氏は、これまで64号車はテストの好調をレースに活かせないケースが多かったものの、今季はテストでの調子を維持できつつあると話す。
「テストの結果は、NSXの時代から良いんですよ。ただ、実際のレースに合わせて調整してきたものが、外れてしまうことが結構多かったです」
「ただ今年になってからテスト結果のまま(の調子)で来れているので、64号車にもダンロップさんにも期待をしています」
また車体開発の責任者である徃西友宏氏は、未勝利メーカーがより多くのタイヤメーカーテストを実施できるというレギュレーションも、追い風になっているのではと指摘した。
「ダンロップの64号車さんは、オートポリスも事前に走っていたし、ここ(もてぎ)もブリヂストンさんと一緒とはいえ走っています。SUGOも事前にシビックとして走れたのがダンロップさんだけだったりしました」
「ダンロップタイヤを履いたシビックというパッケージで一度体験できていることで、理解はより深まり、タイヤのマッチングも少しずつ良くなっていると思います。明日のコンディションにしっかり合ったパッケージで走れていれば、結果はちゃんと出てくるんじゃないかと思います」
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