デリカD:5譲りの迫力あるフロントマスクに注目
三菱自動車が軽自動車eKシリーズをフルモデルチェジし試乗する機会を得られたのでレポートしよう。今回のフルモデルチェンジでeKシリーズは「eKワゴン」と「eKクロス」の2系列となった。どちらもハイルーフに4ドアを組み合わせたハイトワゴンスタイルなのだが、「ekワゴン」は実用車としての位置づけが明確化されたのに対し「eKクロス」は三菱が得意とするSUV系テイストを盛り込んだ遊び心にも溢れた仕上がりとなっている。そこで今回は「eKクロス」のターボ仕様とノンターボの4WDモデル2タイプに試乗することにした。
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まずはターボの「T」だ。シリーズの最上級に位置し「プレミアムパッケージ」の豪華な内装・装備が奢られた魅力的なモデルだ。
外観的な特徴は、三菱独自の「ダイナミックシールド」デザインが採用されたフロントフェイスだ。デリカD:5に初採用され話題となっている縦型配置のLEDヘッドライトを装備。大胆なラジエターグリルデザインとのバランスはD:5より自然で完成度が高い。おそらく誰の目にも「カッコいい」と映り、D:5譲りの「逞しさ」をも感じ取れるだろう。
この縦型LEDヘッドライトは上下3段階に区切られていて上2段がロービーム。最下段3段目がハイビームとして機能する。ヘッドライトユニットの上には独立したドライビングライトが配され、さらにバンパー下部にはフォグランプも設置されているので、全灯点灯させるとなかなか迫力があり視認性を高めながら周囲に存在感を示せている。
インテリアも軽自動車とは思えない質感に
今回の新型eKシリーズも日産自動車と三菱自動車が共同出資して設立した「NMKV(日産・三菱・軽・ビークル)」が設計開発する商品。日産系では「新型デイズ」として販売される。従来は三菱自動車が設計開発し日産自動車にOEM供給する型式であったが、NMKV設立以後は日産自動車の役割分担が増していた。そして今回の新型eKシリーズでは企画・設計・開発とほとんどの部分が日産自動車主導で進められたという。純粋に三菱自動車独自で手がけられたのが「ダイナミックシールド」のフロントフェイスを含む車体デザインなのだ。
さらに外観を特徴づけているのがルーフと車体色を分けた流行のツートーンを設定したことだ。車体色は全11色。加えてルーフからも5色が用意され全33パターンのカラーバリエーションが展開されている。試乗車はアイボリーの車体色にオレンジのルーフが配色されたお洒落な出立ちだった。
運転席に着座するとモダンなインパネデザインが好印象。ダッシュボード上部センターに配されるモニターは9インチと大型で視認性、操作性ともに優れている。またツートーンで高級感のあるダッシュボードはソフトパッドで覆われ上質に仕上げられている。
エアコンスイッチはタッチ方式で素早く反応し、前席左右にシートヒーターも配されるなど上級な装備を誇る。またオプションながらデジタルルームミラーが備わり、運転席まわはおおよそ軽自動車とは思えない。
革巻きステアリングホイールには「MIパイロット」の操作スイッチが備わり、これは日産の「プロ・パイロット」に準じたものだが三菱自動車としては初めて装備されるもの。MIパイロットは車線中央キープと車間距離キープのアシストを可能とし、渋滞追従完全停止から再スタートまでをACCがカバーできる仕様。
新開発されたエンジンはBR06型3気筒で、これにターボチャージャーを装着し、さらにマイルドハイブリッド化して動力性能と燃費環境性能を高めている。エンジンを始動するとアイドリングは極めて静か。初期の始動時はスターターモーターを使用するが、それ以後のアイドルストップからの再始動などではハイブリッドモーターの役割を果たすジェネレーターモーターがベルト駆動でエンジンを再スタートさせる。このジェネレーターモーターは最高出力は2PSと小さいが最大トルクは40N・mが引き出せ、発進や加速時にパワーブーストとして機能する。
またモーターへの給電は運転席シートに配置されたリチウムイオンバッテリーから行われる。今回ekクロスはノンターボもマイルドハイブリッド化されているが、もっともベーシックなガソリンエンジンのみの仕様でもリチウムイオンバッテリーは備えていて、電装装備への給電を行いオルタネーターの負荷を減らして燃費性能を高めているという。トランスミッションはCVTだが高回転域ではステップ比が刻まれ4速ATのような加速フィールと音的な改善が図られた。
NAでもターボに負けない力強い走りを披露する
走りは始めると、アクセルに対するトルクのピックアップが意外なほど穏やかなことが印象的だ。直にターボ過給を立ち上げずアクセル操作量に応じたリニアなパワー特性を与えている。そのため市街地でのドライバビリティは優れていて扱いやすい。しかし加速でしっかりアクセルを踏み込んでいくと、ターボ過給トルクが引き出され力強さが増す。そのパワー特性はモーターのアシスト効果も加わり、リニアでクセがないのは好印象だった。
だが高速道路での合流など勢いが必要な場面では、力不足は感じないもののエンジン音とCVTノイズの高まりが気になる。低速時の静かさと高速時のロードノイズの差が大きい。とくにフル加速時の騒音レベルは改善が必要だと感じた。
今回のeKクロスのもうひとつの特徴は4WDのパワートレインだ。機構としてはビスカスカップリングの簡易的なものだが、三菱車らしさの象徴として4WDモデルを前面に押し出しアピールする狙いだ。リヤアクスルはキャリーオーバーされたリジッドアクスルだが、トラクションコントロールと電子制御ブレーキLSDでスピリットミューでの発進性も高めている。もちろんFFの前輪2輪駆動もラインアップにはある。
次にノンターボの「G」に乗る。外観的にはターボの「T」と差別化されず、見た目では区別が付かない。運転席に乗り込んでも同様で、ノンターボながら上質さを与えられて格下感を感じさせない。プレミアムパッケージではないのでインパネダッシュボードはソフトパッドで覆われずプラスティック製ながら、ステッチ模様もあしらわれ見た目がいい。
マイルドハイブリッドシステムもCVTも同じなのでエンジン始動から市街地走行レベルではターボとほとんど区別が付かないほど。比較的流れの速い交通状況だとアクセルの踏み込み量は増し力不足感が出てくる。ターボの「T」では80~100km/hの加速時にパワー不足とノイズレベルの高まりが気になったが、ノンターボの「G」だと60km/h~のレベルでそれが気になってくる。単乗の平たい試乗ルートだったが、複数乗車で箱根の登り坂を走らせたら少々分が悪そうだ。
今回試乗した「T」と「G」はともに4WDでフル装備が奢られたモデルだった。質感的には競合車と比較しても普通乗用車から乗り換えても不満は感じないだろう。だが高速走行時のノイズ面ではさらなる改善を望みたいところ。日を違えて兄弟車である日産の新型「デイズ」の試乗レポートも行う予定なので参照してほしい。
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