英国でSUV販売に注力
ボルボは、英国向けのセダンおよびステーションワゴンタイプの車種の生産を中止し、SUVのみの販売に切り替えている。
【画像】セダンとステーションワゴンは苦戦?【ボルボV90/S90、V60/S60を写真で見る】 全74枚
ボルボは近年、英国市場におけるラインナップの縮小を進めており、今年6月には大型セダンのS90やステーションワゴンのV60クロスカントリーなどを販売停止とした。そして新たに、S60、V60、V90などが英国向けのオンライン・コンフィギュレーターに掲載されなくなっている(店舗在庫のみ注文可能)。
ボルボは以前、V60とV90を廃止する当面の計画はないと述べていた。中型セダンのS60は昨年、社内評価プロセスの一環として販売から外されたが、その後「中期的な将来に向けて」再びラインナップに加えられていた。
S60が生産されている米サウスカロライナ工場は、ボルボと兄弟ブランドのポールスターがそれぞれ2024年に発売を予定している電動SUVの生産に向け、改修中である。
ボルボはAUTOCARに対する声明の中で、次のように述べている。
「当社は製品の提供を急速に変化させています。完全な電動化に向かうだけでなく、すべての車種において新しいプラットフォームとテクノロジーに移行することになります。EVを優先し、この技術的な移行を進めていく中で、当然、ラインアップを進化させ、集約していく必要があるのです」
「その結果、当社は英国向けラインナップからさらなる車種を削除しました。これにはS60、V60、V90が含まれます。既存のSUVラインナップの需要は引き続き伸びており、また、近日発売予定のEVであるEX30とEX90への関心も高い。一方、セダンとステーションワゴンに対する購買意欲は、英国では非常に低いレベルにまで落ち込んでおり、そのため、これらの車種を英国での販売から外すという決断に至りました」
ボルボは最近発表した2023年上半期の世界販売台数の中で、人気のあるSUVシリーズが、セダンとステーションワゴンの全車種の販売台数を70%近く上回っていることを明らかにした。
車種別では、S90が今年1~6月で約2万3000台と、SUV以外では最も好調だった。S60は約1万8000台、V60は1万6000台強だった。しかし、V90はわずか7100台だった。
一方、ベストセラーのXC60は10万6000台を販売し、現行世代の発売6年目でも高い人気を維持している。
店舗在庫を除き、英国で現在販売されているのは、小型SUVのXC40とC40リチャージ、中型SUVのXC60、大型SUVのXC90の4車種。
「S」と「V」復活はあるか
SUV以外の車種の将来性は、長い間不透明だった。ボルボは2030年までにEVへの完全移行を目指しており、それまでは年に1台のペースで新型EVが登場する予定。小型のEX30は今年後半に、大型のEX90は2024年に、そしてXC60の後継車(未発表)は2025年を予定している。
ボルボは、比較的売れ行きの鈍い「S」と「V」のモデルラインをEVに置き換えるという明確な方針は示していないが、同社CEOのジム・ローワン氏はこれらの車種の復活をほのめかしている。
「当社は、あらゆる分野と範囲にわたってプレーしており、さまざまな車両をさまざまな用途で必要とするお客様がいることは言うまでもありません。可能な限りそのようなお客様を取り込むことができるよう努力するつもりです」
しかし、ローワン氏は「40種類ものモデル」を用意するのではなく、最も需要のあるセグメントに対応するようにラインナップを設計すると述べた。
ローワン氏は新型EX30の発表に先立ち、「ボルボは今後の展開を予告しており、小型のSUVを出すことはすでに示していました。そして、セダンやステーションワゴンなど、さまざまなフォーマットを用意していますが、それについては追って説明することにしましょう」
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みんなのコメント
好きな人はセダンやステーションワゴンを乗り継ぐが、そこまでこだわりを持ってる人も少ないから結果的にSUVが出ると。
どこもそうなんだなと思った一方で、みんな中途半端なSUVがメインになってしまって選択肢が減るのはつまらないですね。