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【決勝レポート】”ストリートファイター”ペレスがフェルスタッペンとの頂上決戦制す……アロンソ、レース後に紆余曲折も表彰台確保|F1サウジアラビアGP

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【決勝レポート】”ストリートファイター”ペレスがフェルスタッペンとの頂上決戦制す……アロンソ、レース後に紆余曲折も表彰台確保|F1サウジアラビアGP

 F1 2023年シーズンの第2戦サウジアラビアGP決勝レースが行なわれ、セルジオ・ペレス(レッドブル)が勝利を挙げた。

 平均時速は250km/hを越える”最速の市街地サーキット”を謳うジェッダ市街地サーキットを舞台に行なわれるサウジアラビアGP。現地3月19日(日)にいよいよ決勝日を迎えた。

■みんなの優勝候補はペレスで決まり! フェルスタッペン15番手出走も「良いハンデ」? アロンソ人気も高し|F1サウジGP表彰台予想

 現地は18時30に日没を迎え、サーキットを照らした灼熱の太陽が沈んだ。気温は26度と暖かさを残す一方で、日中は50度近い路面温度も32度へと落ち着いた。

 綺羅びやかなサーキットに負けず劣らずの様々なセレブリティが見つめる中、決勝グリッドの最前列に並んだのはペレスとフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)。予選2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)はパワーユニット(PU)コンポーネント交換により12番手へ後退し、予選Q2でマシントラブルに見舞われたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は15番手からの追い上げとなった。

 各ドライバーがフォーメーションラップを完了し、グリッドにロックオン。赤く灯った5つのレッドシグナルが消えると、50周の決勝レースへ向けて一斉に各車が飛び出した。

 抜群のスタートを見せたのはアロンソ。イン側からの発進ということもあり、ターン1でペレスを交わして首位に立った。しかし、グリッド位置からマシンがタイヤひとつ分左にはみ出ていたため、5秒のタイムペナルティが科されることとなった。

 出鼻をくじかれたアロンソは、直線パフォーマンスに定評があるペレスに4周目のターン1でインを刺され、トップの座を明け渡した。しかしアロンソは1秒圏内でペレスに食い下がり、DRSを活用してプレッシャーをかけ続けた。

 3番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)には、オープニングラップで順位を上げたアロンソの僚友ランス・ストロールが後方に並び、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)がその2台に続いた。

 多くのマシンがミディアムタイヤをスタートタイヤに選ぶ中、後方から追い上げを狙うルクレールはソフトタイヤで序盤から猛プッシュ。9周目にはハードタイヤで機を待つルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わし、7番手まで順位を回復した。その後方からはフェルスタッペンも順調にポジションを上げ、10番手を走った。

 レース10周目を越えると首位のペレスがペースアップ。アロンソはここまでペレスに食らいついていたものの、徐々にその差は拡大していった。

 この頃から後方のミディアムタイヤ勢に動きが現れ、ピレリの想定よりもかなり早い周回数でハードタイヤへと切り替えていった。スタートからこのコンパウンドを使うハミルトンはグリップ不足を訴えていたが、上位勢では最初にピットストップを行なったストロールやサインツJr.はハードタイヤを2セット目のタイヤに選んだ。

 ソフトタイヤを履くルクレールは16周目の終わりにピットイン。こちらもハードタイヤへと履き替えた。一方で、ペレス、アロンソ、ラッセルのトップ3と後方から4番手まで追い上げてきたフェルスタッペンはミディアムタイヤで走り続け、ピットストップを先延ばしにした。

 そんな中、18周目にレースが動く。ストロールのマシンにトラブルが発生し、ターン13にマシンを止めたのだ。これによりセーフティーカー(SC)が出動し、トップ3など第1スティントを引っ張っていたドライバーが続々とピットに飛び込んだ。なお、アロンソはこのピットストップで5秒のタイムペナルティを消化した。

 この時の順位はペレス、アロンソ、ラッセル、フェルスタッペン、ハミルトン、ルクレール、サインツJr.の上位勢に続き、SCが出動した直後にピットストップしたことで順位を上げた角田裕毅(アルファタウリ)がアルピーヌ勢の前8番手につけた。

 レースは21周目から再開。ペレスがリスタートを決め、アロンソとの差をすぐさま1秒以上に開くと、1分33秒台のラップを刻んで逃げを打った。

 僚友フェルスタッペンは23周目に3番手ラッセルを交わし、15番手から表彰台圏内にポジションアップ。フェルスタッペンは攻めの手を緩めることなく、25周目にはアロンソの攻略を完了し、レッドブルがワンツー体制を築いた。

 ペレスとフェルスタッペンの差は5.5秒ほど開いていたものの、フェルスタッペンは1分32秒台のファステストラップを記録。ペレスも負けじとペースを上げ、チーム間でファステストラップ”出し合い”合戦を展開。3番手アロンソ以下は、1周1秒以上引き離されていった。

 周回数が40周目に近づく頃、フェルスタッペンが予選に続いてドライブシャフトの異音、ペレスはブレーキペダルの違和感をチームに訴えるも、両者とも致命傷とはならずレースを続行した。ただフェルスタッペンはマシンへの違和感を拭えず、徐々にペレスとのタイム差を開いていった。

 後方では入賞争いが激化。アルピーヌの2台に交わされて以降、10番手の角田はペースに勝るハースのケビン・マグヌッセンの攻撃を退け続けてきたが、45周目についに陥落。ターン1~2の切り返しで食い下がるも軍配はマグヌッセンに上がり、入賞圏外に転落した。

 先頭に視線を戻すと、首位ペレスは悠々とファイナルラップを走りポール・トゥ・ウィン。今季初優勝を挙げた。通算成績としては5勝目……そのうち4勝が市街地サーキットでの勝利であり、ストリートでの強さをまたまたペレスが見せつけた。

 フェルスタッペンは5.3秒遅れとはなったものの、1分31秒906のファステストラップを記録。2位表彰台に加えて1点のボーナスポイントを得たことで、ドライバーズランキングの首位を保持した。

 3位にはアロンソ。ただ表彰式終了後、ペナルティを正しく消化しなかったとの裁定が下り、10秒のタイム加算ペナルティが科されることになった。これでアロンソは4位。100回目の表彰台はお預けとなった。

 しかしさらにその後、アストンマーチンが裁定に抗議。スチュワードはこの抗議を受け入れ、アロンソへのペナルティが取り消されることとなり、3位表彰台を取り戻す形となった。

 メルセデスのラッセルが4位、チームメイトのハミルトンは5位となった。フェラーリ勢はその後塵を拝して6~7位。8~9位にはアルピーヌの2台が並び、マグヌッセンが10位に入った。

 角田は開幕戦に続いてまたも入賞に一歩及ばず11位。無得点に終わったものの、厳しい状況の中で最大限の走りを見せたと言えるだろう。

※アロンソに対するペナルティの紆余曲折に際し、一部修正、加筆しています。

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