現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 3気筒が音も振動も「安っぽい」のは昔の話! 乗れば感動できる「直3」エンジン車4選+α

ここから本文です

3気筒が音も振動も「安っぽい」のは昔の話! 乗れば感動できる「直3」エンジン車4選+α

掲載 104
3気筒が音も振動も「安っぽい」のは昔の話! 乗れば感動できる「直3」エンジン車4選+α

 同じ排気量なら4気筒よりもトルクを出しやすく燃費も良い!

 読者のなかには、3気筒エンジンに抵抗がある人も少なくないと思う。なにしろ、日本では軽自動車のパワーユニットというイメージが根付いているからだ。

クルマのエンジンで同じ排気量と気筒数なら「V型」と「直列」で違いはある?

 しかし、いまや世界的に1.5リッター以下のダウンサイジングパワーユニットに3気筒エンジンがターボの力を借りるなどして使われることが多くなっている。

 たとえば、フォルクスワーゲンのポロやT-CROSS、アウディのQ2、欧州カー・オブ・ザ・イヤー2020、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞のプジョー208もそうだし、日本車でもトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキー、トヨタ・ヤリスクロスなどの超人気車にも採用されているのである。

 クルマにあまり詳しくない人なら、上記のクルマが3気筒であることなど知らずに、感じずに乗り続けているだろうし、クルマやエンジンに詳しい人でも、乗ってみれば、3気筒感などほとんど感じず、いや、これはいいエンジンだと思うかもしれない。

 そもそも3気筒エンジンは、コンパクトさ(による軽量化)や経済性、そして気筒数が少なければトルクが豊かになるといったメリットの持ち主なのである。もちろん、気筒数が少なければエネルギーロスが低減でき、燃費もよくなる理屈だ。理論上、同じ排気量なら4気筒よりも3気筒のほうがトルクを出しやすく、燃費もいいというわけである。

 ただし、ちょっと前の軽自動車の3気筒エンジンのように、振動、振動音が気になるケースもあるにはあるが、そこは最新の自動車技術が見事に克服していたりする(クルマよる)。

 というわけで、ある意味、時代のニーズに合致し、経済的で燃費にも優れる3気筒エンジン搭載車のなかでも、アンチ3気筒エンジン派にも薦められる、いい方は悪いが、3気筒感のない3気筒エンジン搭載車を紹介したい。

 1)プジョー208

 まずは、くどいようですが、欧州カー・オブ・ザ・イヤー2020、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞のプジョー208。エンジンはピュアテックと呼ばれる1.2リッターターボ。プジョーならではの足まわりのしなやかさもさることながら、3気筒を感じさせないスムースさと低中回転域の排気量を感じさせないトルクの豊かさが素晴らしい。

 結果、飛ばしても気持ちいいし、日常域の走行でもじつに走りやすいのである。しかも、静粛性という意味では、エンジンが静かすぎて、かえってロードノイズが目立ってしまう!! というぐらいに、3気筒でも静かに回るから文句なしである。いま、最良の輸入コンパクトカーといっても過言ではないだろう。

 2)フォルクスワーゲンT-CROSS

 コンパクトなクロスオーバーモデルを狙っていて、しかし3気筒エンジンに抵抗がある人でも納得できる1台が、フォルクスワーゲンのT-CROSSだろう。ゴルフなどに積まれる1.2~1.4リッター級の4気筒ターボエンジンほどの豊かすぎるトルクはもたないものの、パワー的には想像以上にパワフルで、ほとんどの走行シーンを2500rpm以下でこなしてくれる実力だ。そして静か。

 弱点としては、ほとんどのユーザーがめったに使わない高回転域で3気筒感あるノイズが顔を出し、回してもそれほどのパンチが望めないことぐらいだが、ゆっくりとアクセルを踏むことで低い回転数で発揮されるフォルクスワーゲンユニットらしいトルクが得られるし、登坂路でパワー不足を感じたら、パドルシフトを使えばいいだけのこと。洗練されたエクステリアデザイン、オシャレなインテリアデザインも若々しくて魅力的と思える。

 国産車のなかにも質の良い3気筒エンジンが存在!

 3)アウディQ2

 同じくコンパクトな輸入クロスオーバーモデルで、3気筒エンジンを積んでいながら、上質さを極めた走行性能を発揮してくれるのが、アウディQ2だろう。なんと、エンジンはあのプレミアムブランドのアウディにして1リッターターボ。116馬力、20.4kg-mというスペックを見ても分かるように、トルクはNAエンジンの2リッターに匹敵。

 走らせても、7速のデュアルクラッチトランスミッションのSトロニックが素晴らしい仕事をしてくれて、ほかのアウディ4気筒モデルに遜色ない、滑らかで静かなエンジンフィールを堪能できるのだ。もちろん、乗り心地や静粛性に関しても、プレミアムブランドのアウディ基準。2WDしか選べないのは、T-CROSS同様だ。女性ユーザーにもぴったりな、都会で魅力を発散するファッショナブルでもある1台といっていい。

 4)トヨタ・ヤリスクロス

 では、国産車はどうだろう。まずは売れに売れているヤリスシリーズのクロスオーバーモデルであるヤリスクロスだ。ヤリスが機械式パーキングブレーキのままなのに対して、こちらは電子パーキングブレーキを採用し、オートブレーキホールド機能やACCの停止保持機能まで備わるから、断然便利。

 パワーユニットは、ヤリス同様、3気筒の1.5リッターガソリンエンジン(120馬力、14.8kg-m、WLTCモード最高燃費20.2km/L)、およびEVモード付の1.5リッターエンジン+2モーターのHV(91馬力、12.2kg-m+フロントモーター80馬力、14.4kg-m、リヤモーター5.3馬力、5.3kg-m、WLTCモード最高燃費30.8km/L)の2タイプ+CVT。ヴェゼルHVのWLTCモード最高燃費が21.0km/Lだから、燃費性能では圧勝といっていいだろう。

 ただし、3気筒エンジンを搭載するヤリスクロスで3気筒感を感じにくいグレードは、HVの2WDに尽きる。であれば、出足のEV走行によるスムースさはもちろん、モーターアシストによるトルキーな動力性能の余裕、大径18インチタイヤを履きながら、HVの4WDとは重量増がもたらすガソリン車とは別格の角が丸められた快適な乗り心地こそ同質ながら、2WDになるといきなりより静かでHV感が強くなり、意外なことに、ガソリン車やHVの4WDとは違って、エンジンを高回転まで回しても、それほどうるささと3気筒らしさを感じにくくなるのである。約120km/hまで可能だというEV走行にしても、首都高速での80km/h巡航でさえねばり強いEV=モーター走行を確認。市街地ではさらにEV走行の機会が増えるのだから、いかにもHVに乗っている感覚が強まるというわけだ。

 5)軽自動車

 最後に、軽自動車についても触れたい。最新の3気筒エンジンを積む軽自動車は、エンジン本体のつくり込み、吸音、遮音性能の追求、各種制御によって、出来のいいエンジンは、低中回転域においては、3気筒感をかなりのレベルで消し去ることができている。街乗りレベルでは、もはや軽自動車らしからぬ上質な走行フィールを味わせてくれるクルマもあるほどだ(とくにホンダとスズキの最新モデル)。

 が、最近、感動したのが、タイムレスなホンダの新型N-ONE  RSに新設定された、待望のターボエンジン×6速MTモデル。とにかく、CVT車と変わらないエンジンのはずなのに(こっそり何かやっているのかもしれない)、電動ウェイストゲートバルブ採用でカミソリ的なレスポンスを示し、一気に高回転までスムースに吹き上がるレーシーなエンジンフィールがたまらない。3気筒、4気筒……という以前に、気持ちよすぎる(3気筒)スポーツユニットなのである。

 クルマの性能、エンジンフィールの感じ方は人それぞれだと思うけれど、1.5リッター以下のクルマで、「3気筒エンジンなど絶対に嫌」なんていっていたら、時代に取り残されるかもしれない。3気筒食わず嫌いなら、ぜひ、上記のクルマ(ヤリスクロスのみHVの2WD限定/個人の感想ですけど)を試乗してみてほしい。いまの3気筒エンジンって、こんなにいいの!! と思えるはずである。

こんな記事も読まれています

新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
ベストカーWeb
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
グーネット
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
グーネット
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
グーネット
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
グーネット
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
グーネット
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
AUTOSPORT web
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
くるまのニュース
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
AUTOCAR JAPAN
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
Auto Messe Web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
AUTOCAR JAPAN
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
レスポンス
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
AUTOSPORT web
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
くるまのニュース
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

104件
  • 3気筒は、メーカー側の材料費ケチりたい理由で作ってる物だからねぇ…
    現在の3気筒は良いよ~って言われても、4気筒のほうが良いのは変わらん。
  • イタフラ車の3気筒は味があっていい意味で振動が心地よい。日本車は駄目だ。…って書くといかにも評論家ぽいね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村