現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を

ここから本文です

トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を

掲載 4
トヨタ「GRヤリス」のマイナーチェンジはフルモデルチェンジに等しい! 初期型ユーザーは買い替えのご準備を

進化型と呼ぶに相応しい見事な正常進化を遂げた

登場からおよそ3年半が経過したトヨタ「GRヤリス」がマイナーチェンジを行いました。これをGRでは進化型と呼んでいますが、その内容は多岐に渡り、フルモデルチェンジと言っていいレベルです。インプレッションも含めて紹介していくことにしましょう。

謎のトヨタ「GRヤリス」がニュルブルクリンク耐久レースに参戦! ドライバーはラトバラ、ニュルエディションの開発か!? 注目集まる

(初出:GR YARIS magazine Vol.02)

■進化のポイント1

操作性にこだわったダッシュボードまわり

進化のポイントひとつ目は、ダッシュボードまわりを刷新してまるで異なるクルマかのように変化したことだった。プロドライバーの意見を聞いて作り直したというそれは、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾けてセット。パワーウインドウスイッチも手前へと迫り上がることで、フルハーネスを締めていても操作できるようになった。

ドライビングポジションを見直して視界も広くなった

さらに、ドライビングポジションを25mmも下げ、それに合わせたステアリングのチルト&テレスコピック作動領域を変更している。事実上のマイナーチェンジながらも、衝突試験をやり直したというのだから驚きだ。結果として実用車然としていたコクピットはレーシングライクな仕上がりへと変化した。座っているだけでも気分が高まる12.3インチのフルカラーTFTメーターの存在もありがたい。ルームミラーが上にずれて左前方がよく見えるようになったこともメリットだ。

■進化のポイント2

MTに負けない反応を見せるGR-DATの登場

ふたつ目の大きな変化はGAZOO Racing Direct Automatic Transmission(以下GR‐DAT)という新開発の8速ATを選択することも可能になったことだ。高応答リニアソレノイドや高耐熱湿式摩擦剤を採用したほか、ギヤ比のクロスレシオ化、ソフトウエアの改良により、世界トップレベルの変速スピードを実現している。

■進化のポイント3

最高出力/最大トルクともに大きくアップ!

3つ目のポイントはエンジン。現行の最高出力200kW(272ps)/6500rpm、最大トルク370Nm/3000~4600rpmから進化型は、最高出力224kW(304㎰)/6500rpm、最大トルク400Nm/3250~4600rpmへ。サーキットモードではアンチラグも作動させてレスポンスの向上を実施。スピードリミッターの解除も行うほか、クーリングファンの出力最大化も行ってくれる。

ボディ剛性アップや4WDモードセレクトの変更も行なわれた

さらに、ボディはフロントアッパーサポートを1点締結から3点締結へ。スポット打点は開口部などを中心に10%アップ。構造用接着剤もさらに投入している。その上でショックやスプリング、そしてフロントスタビライザーも変更。加えて4WDモードセレクトも変更があった。現行型はNORMALが60:40、SPORTが30:70、TRACKが50:50。進化型はNORMALが60:40、GRAVELが53:47、TRACKが60:40~30:70までの可変となる。

■試乗して感じたこと

サーキットだけでなくグラベルでも、その進化を感じとることができた

走り始めてまず感じるのは質感の高さだ。ステアリングのインフォメーションが濃厚になり、微小操舵角から確かな反力が得られるようになったところが好感触。フロントのロールスピードもゆっくりとなり、その過程が理解しやすく変化した。

一方でリアの安定感もかなり高い。試乗当日はウエットだったため、あえて旋回ブレーキでリアをスライドさせてみたが、その際の流れ出しもかなり穏やかになり、コントローラブルだ。足まわりもきちんとストロークする感覚に溢れており、これならストリートにおける突き上げなども解消されているのではないかと予測する。従来よりも全体的にマイルドになった感覚で、ややGRカローラ方向になった感覚がある。けれどもヤワになったわけではない。

エンジンは明らかにピックアップも伸び感も上であるし、トルク配分を可変としたTRACKモードが、うまく曲げてくれる感覚もある。ただ、追い込んで行くとややお節介なほどに曲げてくれすぎるところもあり、GRAVELで走ったほうが、先読みしやすいリニアな感覚であるように感じた。ドライ路面で確認できなかったのでなんとも言えないが、あくまでグリップ内で走る場合にTRACKモードは役立ちそうだ。

心地良いフィーリングが得られたGR-DAT

GR‐DATモデルは駆動が途切れず、クロスレシオ化されたことで小気味良いステップが繰り返される感覚がたまらなく心地良い。シフトアップした際にはカツンと前に押し出される感覚もあえて与えたことで、極端に言えばドグミッションか2輪のクイックシフターでも味わっているかのようだ。重量は20kgほど重くなるようだが、そんなネガは一気に消えてしまう面白さがある。

ダートでもこのGR‐DATを試したが、シフトダウンとサイドターンが合わさるような環境ではむしろMTよりも車両コントロールがやりやすかった。これなら、ラリーでも挑戦してみようかな、なんて思えてくる。ビギナーにモータースポーツの裾野を広げてくれそうなその仕立てはなかなか嬉しい。GRカローラにも展開されることを期待したい。このように、進化型はどこを見ても魅力的。初期型ユーザーは買い替えを視野に入れたほうが良いかもしれない。

こんな記事も読まれています

トヨタ「GR86」用のHKS GATE専売サスが凄すぎる! まるで「スムーズな運転養成ギプス」と呼びたい仕上がりとは【デモカー試乗】
トヨタ「GR86」用のHKS GATE専売サスが凄すぎる! まるで「スムーズな運転養成ギプス」と呼びたい仕上がりとは【デモカー試乗】
Auto Messe Web
トヨタ新型「クラウン スポーツ」に試乗! 素直にカッコいいと思える久々の国産車は590万円から
トヨタ新型「クラウン スポーツ」に試乗! 素直にカッコいいと思える久々の国産車は590万円から
Auto Messe Web
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
Auto Messe Web
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
トヨタ流の熟成──新型ヤリスハイブリッド試乗記
GQ JAPAN
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタ新型「プリウス」をZ世代が試して感じた「令和のスペシャリティカー」とは
日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したトヨタ新型「プリウス」をZ世代が試して感じた「令和のスペシャリティカー」とは
Auto Messe Web
日産新型「キックス」が北米に投入! 日本導入が待ち遠しい、安全性と快適性が進化したコンパクトSUVとは
日産新型「キックス」が北米に投入! 日本導入が待ち遠しい、安全性と快適性が進化したコンパクトSUVとは
Auto Messe Web
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
@DIME
トヨタの「爆速5ドアハッチバック」何がスゴイ? 6速MT×4WDのみなのに「普段乗り」できる!? 「GRカローラ」の魅力とは?
トヨタの「爆速5ドアハッチバック」何がスゴイ? 6速MT×4WDのみなのに「普段乗り」できる!? 「GRカローラ」の魅力とは?
くるまのニュース
トヨタ新型「”爆速仕様”ヤリス」公開!300馬力超え「3ドアハッチバック」が熱狂の”14億市場”へ突入!?「GRヤリス」中国展開が発表
トヨタ新型「”爆速仕様”ヤリス」公開!300馬力超え「3ドアハッチバック」が熱狂の”14億市場”へ突入!?「GRヤリス」中国展開が発表
くるまのニュース
トヨタが新型「FF最大セダン」登場! 斬新“サメ顔”の特徴は!? 洗練内装にも注目!  カムリの日本発売は無い? 中国で試乗
トヨタが新型「FF最大セダン」登場! 斬新“サメ顔”の特徴は!? 洗練内装にも注目! カムリの日本発売は無い? 中国で試乗
くるまのニュース
フォード Kugaの335万円からという価格設定に驚き、オンロードのドライビングダイナミクスに感心した【10年ひと昔の新車】
フォード Kugaの335万円からという価格設定に驚き、オンロードのドライビングダイナミクスに感心した【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
800馬力のランボルギーニ「ウルスSE」は10種のドライビングモードで楽しめる! EVだけでも60km以上走れるクラス最速SUVです
Auto Messe Web
【試乗】メルセデスのスーパースポーツが4WD+4WSでさらに激速に生まれ変わった! AMG GTクーペをサーキットで全開走行
【試乗】メルセデスのスーパースポーツが4WD+4WSでさらに激速に生まれ変わった! AMG GTクーペをサーキットで全開走行
WEB CARTOP
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
Auto Messe Web
大きいランクル小さいランクル古いランクル【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
大きいランクル小さいランクル古いランクル【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
ヒョンデIONIQ 5の高性能バージョン“N”モデルが日本上陸
ヒョンデIONIQ 5の高性能バージョン“N”モデルが日本上陸
カー・アンド・ドライバー
テーマは原点回帰! トヨタが「ランクル」に"250"シリーズと特別仕様車を追加
テーマは原点回帰! トヨタが「ランクル」に"250"シリーズと特別仕様車を追加
バイクのニュース

みんなのコメント

4件
  • ドライバー
    買い換えの準備 とか無茶苦茶やな(-_- )
  • NOBBY.FJT
    買い替えの準備も何も、今年の販売予定台数はアッという間に捌けてしまって買えない状態じゃなかったっけ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村