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【誉れ高き血統】全身スポーツチューンの「タイプR」こそ、生粋のホンダマニアの宝物。新型シビック・タイプRは誇らしい!

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【誉れ高き血統】全身スポーツチューンの「タイプR」こそ、生粋のホンダマニアの宝物。新型シビック・タイプRは誇らしい!

絶品エンジンを味わるというホンダのタイプR流儀はNSXが形作った!

「R」はクルマ好きにとって最も心に響くアルファベットのひとつだ。ストレートにレーシング(Racing)を想起させるからである。それは憧れのレーシングカーが、まだ市販車と近い関係にあった時代の記憶とも関連している。とにかくRという文字の力はとびきり強い。レーシングとは何の縁もないブランドが使ったとしても(たとえばテスラがモデルRを発表したら?)、クルマ好きはそれを絶対に無視できないだろう!

【新世代スポーツ研究】ニュルで「FF世界最速」を証明。ホンダの赤バッジ、シビック・タイプRの感動世界

 世界中のブランドは、高性能モデルにRの入ったサブネームを使う。車名にRと付けばそれはほとんどの場合、高性能バージョンを表す。「GT-R」など(日産に限らず)はその際たるものだ。
 ホンダもまたモータースポーツで名声を確立したブランドだけあって、Rの効用をよく知り、上手く活用してきた。1992年に発表したNSX-R(タイプR)を皮切りに、高性能シリーズの「タイプR」をシビックやインテグラといったホンダらしいコンパクトカーに設定したのだ。中でもシビックのタイプRは1997年以降の歴代モデルに(中には日本ではタイプRだけ販売された世代もあった!)設定され、いまではホンダ唯一のタイプRとして絶大な支持を得ている。

 タイプRがなぜこうも熱烈に支持されてきたのか。ホンダF1活動の絶頂期に登場した和製スーパーカーNSXにおいて初めて設定され、そのスパルタンさと高性能ぶりにマニアが唸り、多くが信者となり、ステータスモデルとなったからだ。タイプRはいまではシビックの高性能モデルの代名詞となっているが、コアバリュー自体はNSX-Rによって形成された。NSX-Rはそれほど特別な存在だった。

 いまでこそ高性能版や限定モデルはスポーツモデルの常識といっていいが、1990年代当時は決して定番ビジネスではなかった。1970年代前半のポルシェ911などを最後に、どのメーカーも積極的に参入していない領域だった。ポルシェはホンダと同じ頃に911(964)の高性能グレード、RSを復活させたが、フェラーリが高性能&限定モデル戦略を明確にしたのは21世紀になってからである。

 NA1型のNSX-R(タイプR)はすさまじく硬派なスポーツカーだった。エアコンはもちろんオーディオも取り去られていた。エンジンはバランスや重量にこだわって仕上げられ軽量化は実に120kgにも及んだ。その効果はてきめんで、走りはすべてにわたりドライバーとダイレクトに繋がった。クルマ運転好きならば誰もが惚れ込むパフォーマンスの持ち主だった。そういった性能がMOMO製のステアリングやレカロ製のバケットシート、チタン製シフトノブといったアイテムによって強化された。ブランド品を身につけただけでは、クルマの魅力は増さない。中身が本当に進化してこそ、身につけたブランド品は輝く。それは人間と同じである。

 タイプRはつねに中身本位で作られてきた。それがホンダの真面目さだった。だからこそタイプRという名前は、ホンダといわなくても通用するひとつのブランドになった。

タイプRは、やはりエンジン! 最新型は、それにモダンなGTクオリティが加わる

 歴代タイプRに共通する魅力をひとつ挙げろといわれたら、やはりパワートレーンと答えるだろう。時代の要請に沿って専用開発された高回転型のエンジンをマニュアルギアボックスで操る喜び。そう、タイプRは3ペダルMT専用モデルでもあった。

 最新のシビック・タイプRも、ここまで語ってきたタイプRの魅力をすべて備えている。しかも明確な進化を実感できるモデルだ。2リッターターボエンジン(K20C)を搭載して3世代目になったが、その高性能ぶりには、自然吸気エンジン・ファンも喝采せざるを得ないだろう。

 ベースとなったFL型11代目シビックの完成度がそもそも高い。最近のシビックはタイプRの設定を当初から盛り込んで開発されている。それゆえスタンダードモデルの性能も必然的に向上した。その傾向は最新モデルで顕著というわけだ。

 パワー/トルクは、330ps/6500rpm、420Nm/2600~4000rpm、先代と比べさらにチューンされ、6速MTで操れば「これぞタイプR」というべき切れ味鋭い高性能が楽しめる。
 ハンドリングは正確無比、ボディサイズこそ大きくなったけれど、思ったように操作できる感覚もまたタイプRらしさだ。ドライバーとの協調性を重要視する点も、NSX-Rから受け継ぐ特徴のひとつだ。
 最新モデルではもうひとつ、劇的に向上したポイントがあった。それはよくできたグランツアラーにもなり得る点だ。端的にいって乗り心地もまた素晴らしい。歴代タイプRの中で最も乗り心地のいいモデルとして新たな境地を拓いた。モダンな高性能スポーツとして世界標準になったともいえる。

 ジェネラルブランドとして全電動化を目指すと宣言したホンダ。エンジン付きのタイプRは、F1への参戦とともに、昔からのホンダファンの心の拠り所であり続けると思う。

【ルーツ物語】「高回転型エンジン+軽量+専用サス」、これが速さの方程式

 ホンダの象徴、「赤バッジ」は、1992年11月、NSX-Rからスタート。NSX-Rは標準車比120kgの軽量化を実施。エンジンのファインチューンと足回りの見直しで究極のピュアスポーツに進化していた。身近なタイプRは、まず1995年8月にインテグラに設定、シビックには1997年8月に加わる。初代シビック・タイプRは、「サーキットを射程に収めた走りの歓び」を追求。1.6リッター・VTECの心臓を185ps/8200rpm、16.3kgm/7500rpmに引き上げ、レブリミットは標準比+200rpmの8400rpmに高められた。シャシーは車高ダウンによる低重心化、サスペンションのハード化、ブレーキ能力アップ、パフォーマンスロッドによるボディ剛性強化を実施。サスペンショのバネレートは前13%、後91%アップ。併せてダンパーの減衰力も大幅に高められた。タイプRはホンダらしいFFリアルスポーツ。走り屋にとって最高のプレゼントだった。

ホンダ・シビック・タイプR 主要諸元

グレード=タイプR
価格=499万7300円
全長×全幅×全高=4595×1890×1405mm
ホイールベース=2735mm
トレッド=フロント:1625/リア:1615mm
車重=1430kg
エンジン=1995cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=243kW(330ps)/6500rpm
最大トルク=420Nm(42.8kgm)/2600~4000rpm
WLTCモード燃費=12.5km/リッター(燃料タンク容量47リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:8.6/13.1/15.0)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=265/30ZR19+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=5.9m

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みんなのコメント

38件
  • yuk********
    最高の車。走り好きには、最高です。
  • 山田太郎
    4ドアのスポーツカーはファミリーカーとしても使えるからいいよね。
    つぶしが効くというか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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