中古車ライター歴20年の萩原文博氏が、「中古車価格50万円のMINI」を本気で選んで自腹で買って、ちゃんと乗れるか、壊れないか、満足できるかをガチで試す本企画。前回までは整備点検簿が付いていなかったため細かく整備したら不良が見つかり整備費に25万円かかったという話でした。
これで75万円。それでもMINIならなんとなく安い気もする。本稿ではさらに走行性能と乗り味を高めるため、タイヤ交換を実施。するとこれが大当たり! ぜひレポートをご覧ください。
格安中古MINIガチ購入体験記 「買ってよかったと」で人生は上向く!!【最終回】
文/萩原文博
写真/萩原文博
格安50万円中古MINI購入奮闘記シリーズはこちら
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■エンジントラブルも終わりタイヤ交換へ
50万円で購入した中古MINIだが、エンジンのトラブルシューティングが何とか終わったので、すでにレッドカードとなっているタイヤ交換を行った。
装着しているタイヤはスリップサインが出始めっているだけでなく、左フロントタイヤはサイドウォールにクラックが入っていて、オートバックスのスタッフにレッドカードを提示されていたのだ。購入時に装着されていたタイヤはグッドイヤー イーグルLS EXE。サイズは205/45R17だ。
交換前のタイヤ。スリップサイン・クラックとレッドカードを提示されていた
エンジンも元気になったこともあり、同じグッドイヤーのイーグルF1スポーツをチョイスした。このF1スポーツはグッドイヤータイヤの中では、スポーツタイヤのエントリーモデルというポジションで、高い運動性能を備えながら、静かで快適な乗り心地を実現。スポーツ性能と日常製が両立された入門用スポーツタイヤということで、最高出力175psを発生する1.6L直列4気筒ターボエンジンを搭載したMINIクーパーSにはピッタリだ。
イーグルF1スポーツはコンパウンドに高シリカを配合した強化ポリマーを採用することで、ドライ&ウェットの路面状況を問わず制動距離を短縮。またトレッドパターンの最適化とノイズ減衰ゴムの採用により静かで快適な乗り心地を実現している。
最大の特徴は、イーグル・クロー・パターンとアウトサイドに配置された大型のショルダーブロックで、鷲の爪を模したショルダー剛性の高いトレッドパターンを採用。
新しいタイヤはグッドイヤーのイーグルF1スポーツをチョイス
爪で路面をつかむように高いレベルでのハンドリングとブレーキング性能を実現。ショルダー部の設置面が最大化されコーナリング中の安定性と応答性が向上しているのだ。実売価格は1本あたり約2万円。これで、80km/h付近でのハンドルのブレや振動などが収まるはずだ。
■50万円MINIのリフレッシュプラン一旦終了
タイヤの交換作業はA-PIT オートバックスSHINONOMEにお願いした。持込タイヤのタイヤ組み替え工賃は1本当たり4400円。タイヤゴムバルブ交換が1本当たり330円、廃タイヤ料金1本当たり440円となり、費用は約2万円となった。クルマをピットに入れると、クラックの入っていた左フロントタイヤがココまでもったことでひと安心。ジャッキアップされると、1本ずつタイヤが外されMINIは亀の子状態となった。
外したタイヤのエアーを抜き、アルミホイールから取り外す。専用の機械を使用するとあっという間にアルミホイールからタイヤは外された。そしてタイヤの外したアルミホイールを磨いていく。タイヤが装着されていた部分にゴミなどが付いているので、キレイに落としてから装着するのだ。
タイヤの交換作業はA-PIT オートバックスSHINONOMEに依頼
タイヤを外した機械を使って今度は新しいタイヤをアルミホイールに装着。その後はタイヤを回転させる機械に乗せて、バランスと呼ばれるオモリを装着して完成。この作業を4本分繰り返すのだ。
そして、新しいタイヤが付いたアルミホイールをクルマに装着していく。無事に装着して作業は完了。帰り際に「100km走行したらナットの増し締めをしてください。時間があればまた立ち寄ってください」という言葉を掛けられた。これで、タイヤも交換し50万円MINIのリフレッシュプランが一旦終了した。
■MINIマイスター竹岡氏による再チェック
ビフォーアフターとして、(リフレッシュする前のMINIに乗ってもらった)MINIマイスターであるライターの竹岡圭氏にリフレッシュしたばかりのMINIに乗ってもらった。
前回はエンジンかミッションといった駆動系からの振動。そしてパワーステアリングも気になるという言葉をもらった。今回、走り出してすぐに前回の振動はずいぶんと改善されている!という言葉が出た。
エンジンのタイミングチェーンそしてタイヤを交換したことを伝えると、まだミッションは気になる部分はあるけれど、駆動系の変な振動はかなり収まっているとのこと。やはりタイミングチェーンのガイドが壊れていたことが、振動の原因の一つだった。そして、タイヤがリフレッシュしたせいで走りの安定性と静粛性が向上しているとのこと。そして前回特に気になった80km/h付近でのハンドルのブレも発生しなくなっている。
再度チェックしてもらうと、走り出してすぐに前回の振動はずいぶんと改善されている!という言葉がもらえた
やはりクルマで唯一路面に接しているのはタイヤだけなので、スリップサインが出てまで使ってはダメだ。タイヤを交換したおかげで、加速性能もアップ。MINIクーパーSらしい走りも前回の50%から75%くらいまで戻っているという評価をもらった。タイヤはゴム製品なので、たとえ、スリップサインは出ていなくても経年劣化していくもの。しかもそのクルマの乗り味を左右する重要なパーツだ。
MINIのように10万kmをオーバーしていてもボディがしっかりとしているので、タイヤを変えるとクルマが劇的に変化し、走りにキレが戻ってくるのだ。こうして、竹岡氏のビフォーインプレッションが終わり、100kmを超えたので、ナットの増し締めをしてもらった。
100km走行後の増し締め
50万円で購入した中古のMINIだが、タイミングチェーンなどの交換、タイヤ交換、ナビ&ドラレコの装着などですでに約40万円近く使っている。しかし、MINI本来のゴーカートライクな走りが蘇ったと思えば仕方ないところか。しかし、今回改めてわかったことは、中古車を購入したら、まずタイヤを交換することが大切ということだ。
こうして、本来の走行性能に近づいた50万円MINI。次回はMINIが映える景色の場所へロングドライブを敢行する。
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みんなのコメント
本来の走りはそれからでも遅くは無い。
そりゃ替えて当然だわ。引き締まるとか何とかそういう次元じゃねぇだろ。