レガシィツーリングワゴンに先駆けて登場! ターボエンジンに4輪独立サスを採用!
デビューした時期がちょっと早かったか?
「働くクルマからサーキット仕様へ!」世にも珍しいプロボックス改レーススペック
ウイングロードと言えば1996年に発売された5ナンバーのステーションワゴン。サニーカリフォルニアの後継モデルという位置付けだったが、『ウイングロード』という名前自体はそれ以前にも存在した! WU11型ブルーバードワゴンのモデル後期に追加された最上級グレードが、実はウイングロードを名乗っていたのだ。
取材車両がまさにそれ。4ドアモデルはすでにU12型に切り替わっていたが、ワゴンモデルはU11型が継続生産され、87年9月にターボSSSウイングロードが登場する。
搭載エンジンは1.8L直4SOHCターボのCA18ET型で、ミッションには5速MTと4速ATを用意。燃焼効率を高めるためにツインプラグを採用し、カムカバーの赤い“TURBO”の文字が誇らしげだ。コンプレッサーノズルからスロットルボディへとダイレクトにインテークパイプが接続されることから、インタークーラーレスであることが分かる。オーナーのSくんは長く乗れるようにと、タイミングベルトを始め、クランクリヤシールやスターターモーター、エアコンコンプレッサーなどを交換。オルタネーターも容量が70アンペアから80アンペアに高められたU12前期用を流用する。
ダッシュボードには自作カバーが被せられ、直射日光などによる劣化を防ぐ。ステアリングホイールはパーソナルのφ365、ATシフトノブはLONZAの当時モノだ。また、スピードメーターとタコメーターを中心として右側に油圧計と水温計が、左側に燃料計とブースト計が並ぶ。集中ドアロックとパワーウインドウは、中級グレードSSS、廉価グレードLXには設定されないウイングロードのみの装備となる。
オーバーヘッドコンソールはY30用を流用。前端のダイヤルで明るさを調整できる他、左右マップランプも装備する。また、ウイングロードはフロント2つ、リヤ2つの4スピーカーを標準装備。リヤスピーカーはルーフに装着されるけど、より良い音を求めてクラリオン製に交換されている。
ワゴンの売りと言えば積載性の高さ。ラゲッジルームは奥行き、幅、高さともに十分で大容量を誇る。後席の背もたれは50:50の分割可倒式で、ワンタッチでラゲッジスペースの拡大が可能。長尺物を積むこともできる。
シルバーカーボン風仕上げとされたフロントリップスポイラーは、なんとギャラン∑用純正エアロの加工品だけど、違和感なく装着されている。フロントグリルはCA18DETを搭載するセダンツインカムターボSSS用。また、ヘッドライトはHID化、当時モノのPIAAフォグランプはバルブ交換によってLED化が図られている。コーナーポールは純正オプション品。
ホイールはハルトゲ製16インチで自作センターキャップを組み合わせる。サイズは6.5J、オフセット+45だ。そこにセットされるタイヤは205/50R16サイズのプレイズPX。ノーマルが185/70R14なので、2インチアップとなる。
ターボSSSウイングロードはファッションレール(キャリア装着のためのルーフレールではない)やリヤルーフスピーカー、ヨーロピアンシートなどの装着により、オシャレなワゴンという性格が与えられた。それでいて4輪独立サスに4輪ディスクブレーキが採用されるなど、ターボエンジンと併せて“走りがスポーティなワゴン”という独自のポジションも築いていたのだ。
その後、WU11型ブルーバードワゴンは90年5月まで生産され、アベニールが跡を継ぐことになる。ちなみに、オーストラリア生産の5ドアハッチバックモデル、HAU12型ブルーバードオーズィーは91年5月発売だから、WU11とは販売時期も被っていない。
カタログ値120ps/18.5kgmのCA18ETは4速ATとの組み合わせでも数値以上にパワフルな感覚だ。2000rpm以下のトルク感があり、ブースト圧は2500rpmから立ち上がる。AT手動操作でアクセルペダルを深く踏み込むと、4000rpmからエキゾーストサウンドを高め、6000rpm手前まで気持ちよく吹け上がる。CA18ETはMA09ERTやGA15Sと並んで、SOHCなのに回りたがる日産のエンジンに数えてもよさそうだ。
「マフラーは触媒以降が一体型のU12純正品を装着してます。ステーの位置を変えるだけで付けられるんです。それと試してはいませんけど、形状を見たらマキシマ用もイケそうな気がしますね」とオーナーのSくん。
また、足回りは新品ダンパーを組み、フロントに10系アベニールバン用ダウンサスを、リヤには全長と内径が合った60系ヴォクシー用ダウンサスをセット。バネレートは、ノーマル比フロントで30%、リヤで50%アップの前後2.6kg/mmとなる。アフターパーツがなく純正パーツの流用情報も少ない中で、さすがオーナーは詳しい! と感心した。
この足回りと、純正14インチから16インチにサイズアップが図られたホイール&タイヤのマッチングもあって、ステアリング操作に対する応答性が向上。そこそこのペースでコーナーを攻めてもロールが抑えられていて挙動も安定している。それでいながら不快な突き上げ感や足もとがバタつく感じはなく、街乗りから長距離クルージングまで快適にこなせそうだ。
スポーティワゴンの祖は89年発売の初代レガシィツーリングワゴンとされてるけど、それ以前に存在してたWU11型ブルーバードワゴンターボSSSウイングロード。その登場には、ちょっと時代が早かった気がしてならない。
■SPECIFICATIONS
車両型式:WU11
全長×全幅×全高:4445×1690×1460mm
ホイールベース:2550mm
トレッド(F/R):1460/1455mm
車両重量:1240kg
エンジン型式:CA18ET
エンジン形式:直4SOHC
ボア×ストローク:φ83.0×83.6mm
排気量:1809cc 圧縮比:8.0:1
最高出力:120ps/5600rpm
最大トルク:18.5kgm/3600rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式(F/R):ストラット/パラレルリンクストラット
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR185/70R14
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
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みんなのコメント
当時は新卒で買えず、似た雰囲気のB12乗ってました。
高そうなクルマ感があって好きだったなー