MotoGP2023年シーズン第5戦フランスGPの決勝レースが行なわれた。世界選手権1000グランプリ目の記念すべきレースを制したのは、マルコ・ベッツェッキ(VR46)だった。
フランスGPは1949年のロードレース世界選手権スタートから1000グランプリ目と節目のレース。舞台となったのは、モータースポーツの伝統を誇るル・マンのブガッティ・サーキットだ。
■接触したらペナルティじゃないのかよ! MotoGPフランスGPスプリントでの一貫性のない裁定に不満噴出、一部ライダーは半ば呆れ気味?
予選でポールポジションを獲得したのはドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤ。2番手にはこれが怪我からの復帰戦となるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)、3番手がルカ・マリーニ(VR46)というフロントロウの並びとなった。
全27周の決勝レースが始まると、マルケスがスタートからターン1、2に向けたブレーキングで上手く前に出てトップを確保。2番手にはジャック・ミラー(KTM)、マリーニが続いた。バニャイヤは4番手まで後退した。
ミラーは2周目からマルケスに対してオーバーテイクを仕掛けていくが、クロスラインでマルケスに交わされる場面が続いた。しかし3周目のシケインでミラーはマルケスを追い抜いてトップに浮上。マルケス、バニャイヤを従える形となった。
そして5周目、6周目にアクシデントが連発。マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)とバニャイヤの接触からクラッシュが発生したかと思えば、今度はマリーニとアレックス・マルケス(グレシーニ)が接触してクラッシュが発生。特に後者はマリーニのマシンやライダーがコースに置き去りにされてしまうなど危険な状況となったが、幸いにも二次アクシデントに発展することはなかった。
このアクシデントの後、先頭集団にも動きが。マルケスが8周目のターン8でインにバイクをねじ込んできたマルコ・ベッツェッキを避けるために大回りとなり後退。先頭集団はミラー、ベッツェッキ、ホルヘ・マルティン(プラマック)、マルケスという並びとなった。
そのまま先頭を狙ったベッツェッキだったが、マルケス追い抜き時のアクションが問題となり、1ポジションダウンのペナルティが決定し、3番手にポジションを下げた。ただベッツェッキは一度ポジションを下げた後、すぐにマルティンをオーバーテイク。さらにマルティンはマルケスにも追い抜かれてしまった。
ベッツェッキはミラーと比較してもペースが良く、11周目に労せずオーバーテイクを完了。ミラーは反撃ができず、むしろマルケスにも追い抜かれて一気に3番手までポジションを下げることになった。
先頭に立ったベッツェッキはファステストラップを叩き出して、2番手集団に1秒以上のギャップを確保し、以降の周回でも2番手以下との差を少しずつ広げ、2番手争いはマルケス対マルティンという形となった。
タイヤが厳しいのか、マルケスは残り8周で一度コースオフしてしまう場面も見られた。その結果、マルティンがマルケスに急接近。マルケスは何度も抜かれかけるも、ラインをしっかりと塞ぎ、ブレーキングの強みも活かしてポジションを守り続けた。
トップを走るベッツェッキはラストラップに4秒以上と巨大なギャップを確保した状態で突入。危なげなく走りきり、世界選手権1000GP目という節目のレースで今季2勝目を挙げた。
マルケス対マルティンの2位争いは、限界を超えた走りを見せていたマルケスが残り2周のターン7でついに転倒してしまったことで決着。マルティンが2位となり、さらにマルケスの転倒でポジションを上げたヨハン・ザルコ(プラマック)が母国戦で3位を獲得した。
ザルコと同じく母国戦のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)は7位、また日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は9位フィニッシュとなった。
序盤に上位を争ったミラーは、終盤に転倒を喫しリタイア。その他にもホンダ勢の転倒などが重なり、レースは完走13名と走りきった全員がポイントを獲得する結果となった。
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