交通事故と騒音低減に しかし反対意見も
英南西部のウェールズは、交通事故の削減と騒音低減のため、市街地(B道路)の制限速度を48km/h(時速30マイル)から32km/h(時速20マイル)に引き下げる。国として既定の制限速度引き下げは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドからなる連合王国では初。
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ウェールズ政府は、これにより徒歩や自転車での移動促進につながると期待している。しかし、全国で行われた試験運用の結果、交通の速度が遅くなることで渋滞が発生し、移動の所要時間が長くなるという指摘もある。
英国ではすでに市街地の道路に32km/h制限を設けている町や都市が多数あるが、既定の48km/hから引き下げるには個々に申請し、承認を得なければならない。しかし、新しい法律が政府によって可決されれば、ウェールズは連合王国を構成する国としては初めて32km/h制限を既定とすることになる。
スピード違反の取り締まりでは、最低でも100ポンド(約1万6000円)の罰金と3点のペナルティが科せられる可能性がある。
既定制限速度の変更が正式に承認されれば、実施には3300万ポンド(約53億円)かかり、開始は2023年9月の予定である。
また、スコットランドも2025年に同様の制限を設けることを明らかにしている。
ウェールズのマーク・ドレイクフォード首席大臣はBBCに対し、「32km/hゾーンが交通速度を下げ、事故、特に子供の事故を減らすことは分かっている。ウェールズ全土で32km/hゾーンがデフォルトになることを望む」と語った。
このウェールズ政府の提案は、労働党とプライド・カムリの支持を受けている。
プライド・カムリの運輸広報担当者デリス・ジュエルは、「この変更が交通事故とその深刻さを減少させると同時に、地域社会での徒歩や自転車利用の機会を増やすと確信している。市街地での32km/h制限によって、歩行者に利便性と安全性を提供することができるようになる」と述べた。
この動きを支持するキャンペーン団体は、48km/hで衝突した場合よりも、32km/hで衝突した場合の方が、助かる可能性が7倍も高くなると主張している。制動距離も半分になる。
しかし、ウェールズ政府が委託した協議では、制限速度引き下げに反対する人の方が賛成を上回った。その結果、政府は「どこでも適切というわけではない」ことを認めた上で、地方自治体に制限の例外を設けられるようにするという。
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