7月28日から31日にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで“世界三大耐久レース”のひとつである『トタルエナジーズ・スパ24時間』が開催されている。今大会にまつわる各種情報を、決勝レースに向けたトップ20グリッドとポールポジションを決定する“スーパーポール”が行われた金曜のパドックからお届けする。
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スパ・フランコルシャンのトラックでスーパーポールが実施された7月29日(金)、同サーキットでSROの年次プレスカンファレンスが開かれ、2023年のIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ、同アメリカンシリーズの年間レーススケジュールが発表された。
ランボルギーニ、スパ24時間で初ポール獲得。立役者のカルダレッリ「やりがいがあった」
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SROモータースポーツ・グループの創設者兼CEOのステファン・ラテルは、来年のキャラミ9時間の日程が2月24~25日に決定した理由について次のように説明した。「もっとも重要なのは、チームがキャラミから充分に早く、時間どおりに、そして安全にヨーロッパに戻ってくること可能であることだ。なぜなら(GTWCヨーロッパの開幕戦まで)7週間あると考えているためだ」
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カンファレンスで明らかになった複数の発表の中には、来年から世界中のスポーツカーレース選手権で採用される予定のSROドライバーレーティングシステムが、FIA国際自動車連盟によって承認されたというニュースも含まれていた。
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Sportscar365が以前報じたように、GTWCヨーロッパでは2023年に向けてバイオ燃料の使用が検討されている。SROは今年66%のカーボンニュートラルを達成しており、この10月からはカーボン・カリキュレーター(計算機)を用いてチームにも参加を促す予定だ。
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この一環としてSROは来年のGTWCヨーロッパで“サンエナジー1・チーム・サスティナビリティ・チャレンジ”を立ち上げ、いくつかの基準に基づいた評価を行い、シーズン終了後に(チームに)賞金を提供するという。ラテルは、「まずはひとつのシリーズから始めて、それをどう育てていくかを考えていきたい」とSportscar365に語っている。
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マクラーレンは、2023年に開催されるGTWCヨーロッパの5つのイベントをサポートする、新しいシングルメイク・シリーズを立ち上げた。“マクラーレン・トロフィー”と呼ばれるこのシリーズは、BoPレギュレーションから解放され577hp(約585PS)にパワーアップしたマクラーレン・アルトゥーラGT4が用いられる予定であり、このワンメイクカーは『アルトゥーラ・トロフィー』と命名された。
■予選後、マルチェッロがふたつの選手権で首位に浮上
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88号車メルセデスAMG GT3を走らせるAMGチーム・アコーディスASPのラファエル・マルチェッロは、金曜日のスーパーポールで2番手となったことでGTWCヨーロッパのドライバーズ選手権首位に立った。彼はスーパーポールで2ポイントを獲得。合計ポイントを137点とし、今戦をランキング首位で迎えたドリス・ファントール/シャルル・ウィーツ組(アウディスポーツ・チームWRT/32号車アウディR8 LMSエボII)を1.5ポイント上回った。
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また、マルチェッロとチームを組むジュール・グーノン、ダニエル・ジュンカデラも、GTWCヨーロッパ・エンデュランスカップのドライバー選手権で首位に立っていたアントニオ・フォコ/ダビデ・リゴン/ダニエル・セラ組(アイアン・リンクス/71号車フェラーリ488 GT3エボ)を逆転。アコーディスASPのトリオは、フェラーリを駆る3名の38ポイントをわずか1ポイント上回った状態で決勝レースを迎える。
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そんなマルチェッロを下して今年のスパ24時間のポールポジションを奪ったランボルギーニのエース、アンドレア・カルダレッリ(オレンジ1・KPAXレーシング/6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ)が記録した2分16秒221というタイムは、昨年マルチェッロがマークしたポールタイムよりも1.728秒速かった。
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その要因のひとつにスパの路面改修があると考えられている。とくにオー・ルージュからブリュッセル出口までの改修によって、ラップタイムは大幅に短縮された。ピレリのサーキット・レーシング・アクティビティ・マネージャーであるマッテオ・ブラガは、「昨年よりもはるかに高いパフォーマンスを発揮していることは明らかだ」と述べた。「コーナーで入力されるエネルギーは、以前よりもはるかに高くなっている」
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ブラガは、新しいピレリPゼロDHFタイヤは、従来のDHEモデルと比べて、一般的にラップあたり平均で約コンマ6秒速くなると説明しているが、これにスパの舗装改修が加わったことでより大きなジャンプが可能になったとみている。
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アウディとランボルギーニのチームは、タイヤのパンクの発生を抑えるためにマシンのキャンバーを減らしている。例えば、アウディスポーツ・チームWRTはキャンバーを10%減らし、ペースを犠牲にしながらもスティントでタイヤを確保することを期待している。
■フェラーリとポルシェが新型GT3マシンを発表
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フェラーリのGTカー開発責任者であるフェルディナンド・カニーゾによると、29日に発表されたフェラーリの新型GT3カー『296 GT3』は、すでに約8000kmのテスト走行を終えているという。「我々は開発計画の半分ほどを終えたところだ」と彼は語った。
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カニーゾは、来年2月にオーストラリアで開催されるIGTC開幕戦「バサースト12時間で新型フェラーリを見ることはない」とその可能性を否定した。彼によると、イタリアのメーカーはホモロゲーション前のテストレースは行わず、1月のロレックス・デイトナ24時間でのデビューに全力を注ぐという。
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フェラーリ296 GT3に続いて30日(土)に正式発表された新型ポルシェ911 GT3 Rも、バサーストでは同様の道を歩むと考えられている。しかし、プレホモロゲーションレースは予定されており、こちらは2022年後半にも公式戦に登場する予定だ。
■決勝前情報
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SPSオートモーティブ・パフォーマンスが運営するサンエナジー1・レーシングの75号車メルセデスAMG GT3は、ナイトプラクティスの事故で損傷を受けた後にエンジンを交換したため、決勝はピットレーンからのスタートとなる。
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一方、チームWRTの46号車アウディR8 LMSエボIIは、フリープラクティス中にオリジナルの期限が失効したため、ペナルティなしでエンジン交換を行った。
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その46号車はナイトプラクティスの後、5グリッド降格ペナルティを2回受けている。そのうちの1回は、バレンティーノ・ロッシがイエローフラッグの下でCMRベントレーを追い越したため。ふたつめはロッシがシーズン中に3回目の警告を受けたことによるものだ。
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アール・バンバーが率いるEBMとギガ・レーシングの合同チームは、チームのメンバーがサーキットの中央駐車場のひとつにアクセスするために偽造または複製されたカーパスを使用しようとしたとして、5000ユーロ(約68万円)の罰金を科せられた。
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ブレーキトラブルにより予選タイムを記録できずグリッド最後方からのスタートとなったKCMGは、ナイトプラクティスの中で、ラ・ソースでイエローフラッグが振られている間にローレンス・ファントールがセクター1のタイムを更新したため、さらに3グリッド降格となった。
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同様の理由で、予選平均タイムでクラス6番手と10番手グリッドを得ていたゴールドカップの21号車フェラーリ488 GT3エボ(AFコルセ)と、83号車フェラーリ488 GT3エボ(アイアン・デイムス)にも、それぞれ3グリッド降格ペナルティが出されている。
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第74回トタルエナジーズ・スパ24時間の決勝は、30日土曜16時45分(日本時間23時45分)にスタートが切られる。
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