ポルシェのLMDhファクトリーディレクターを務めるウルス・クラトルは、元F1ワールドチャンピオンのセバスチャン・ベッテルが、来年のル・マン24時間レースでポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの3台目のポルシェ963をドライブする可能性を排除していないことを明らかにした。
ポルシェは、来季2025年のル・マンに3年連続で3つのファクトリーマシンを並べる準備を整えている。今回の追加参戦は、フランスの耐久クラシックレースへ自動的に招待されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPタイトルを獲得したことによって確保された。
2025年ル・マン24時間レースへの自動招待、IMSAからの3枠が決定
ドイツのメーカーは来年、WEC世界耐久選手権とIMSAでペンスキーのポルシェ963を走らせるドライバーを10人から8人に絞るため、ル・マンではWECの5号車と6号車に乗り込む各3名を除くと、残る2名のニック・タンディとIMSA GTPチャンピオンのフェリペ・ナッセが3台目のマシンに乗り込むことになるが、この3台目のシートにひとつ空きがある状態だ。
「ドライバーがひとり足りないのは、数学的には事実だ」とSportscar365に語ったクラトル。
「もちろん、その(アンドレ・ロッテラー、デイン・キャメロン、フレデリック・マコウィッキをドライバープールから除外する)決断に至ったときには、このことを考えなければならなかった。それはについて私たちは評価しているところだが、まだ(そこに収まる)名前は出てきていない」
「まだ何も決まっていない。決まってはいないが、明らかに私たちの中にはアイデアがある」
今年の初め、ポルシェのワークスドライバーたちとともにモーターランド・アラゴンで耐久テストに参加し、ポルシェから今年のWECレースやル・マン24時間レースに参戦する可能性がうわさされたベッテルが空きシートに収まる可能性について尋ねると、クラトルは「可能性を排除してはいない」と答えた。
また同氏は、「セバスチャン(・ベッテル)とポルシェAGは友好的な関係にある。お互いに話をしている」と付け加えた。
「今のところ可能性を完全に排除することはできないが、どちらにせよ決まってはいない」
なお、クラトルは3台目のファクトリー『963』のル・マン参戦が、まだポルシェ社内で正式に承認されていないことを認めた。しかし、数週間以内にゴーサインが出ると予想していることを示唆した。
「承認を得るためのプロセスを模索しているところだ」と彼は語った。「ウェザーテック選手権でチャンピオンを獲ったことで、私たちは3台目のエントリー枠を手に入れることができた」
「(3台目を投入すると)オペレーションが少し変わり、コストが少し増える。(このことに関して)社内で議論をする必要があるんだ」
「(ル・マンでの3台体制は)まだ100パーセント確実ではない。まずはポルシェと協議をして、全員の同意を得なければならない。しかし、我々にはエントリーする権利がある。これは通常、ル・マンで3台目のクルマを手に入れるための最大の障害となるものだ」
「これについてはすでに認められた。残りのステップはすべてこれから行うが、ポルシェがル・マンに向けて3台のクルマを用意することは、期待できることだと思う」
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