クリスチャン・ホーナーがフェラーリに加入し、フレデリック・バスールの後任としてチーム代表の座に就くのではないかという報道が一部でなされているが、スクーデリアの関係者によれば、実際にマラネロではそういう動きは起きていないという。
フェラーリが勝てずにいるときに、イタリアのモータースポーツメディアの一部がチーム代表の解任を要求するのは珍しいことではない。今回は、その状況と、ホーナーが一刻も早くF1に復帰しようと必死になっていることが重なって、このような報道につながった。
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3年近く前にマッティア・ビノットが解任されたことに今なお納得していないイタリア・モータースポーツ界の一部メディアは、バスールを標的にしている。
イタリア人のビノットは、長年かけて一部のベテラン記者たちに特別な情報を提供することで、彼らを味方につけることに成功していた。しかし後任のバスールがビノットと同じ行動を取らなかったこともあり、そのベテラン記者たちは、バスールを受け入れずにいる。
一方、イギリスの一部メディアは、ホーナーのF1復帰を切望している。ホーナーは母国メディアの取材に積極的に応じ、彼らにとって最高の情報源のひとりだったからだ。
以前F1パドック内では、ホーナーはレッドブル・レーシングのチーム代表であり、レッドブル・テクノロジーズおよびレッドブル・パワートレインズのCEOであるだけでなく、実質的に広報部長でもある、と冗談めかして言われていた。それほどまでに彼は英国タブロイド紙とのやり取りに多くの時間を費やしていたのだ。
ホーナーがF1から去り、ルイス・ハミルトンはメディアとの関わりを好まず、ランド・ノリスは内気な性格であり、オリバー・ベアマンはまだ一般にはあまり知られていない存在であるため、英国のタブロイド紙は記事のネタを失いつつある。そのため、彼らとしては、自分たちが取材を続けるために、ホーナーにF1に復帰してほしいと考えているのだ。
もうひとつのうわさとして、最近マラネロで行われたフェラーリの株主総会後に、株価が急落したことにまつわるものがあった。一部F1メディアは、バスールが好結果を挙げることができず、エイドリアン・ニューウェイを招聘することもできなかったことで、投資家たちがバスールを非難しているとして、株価とスクーデリアの現状を結びつけたが、実際はそのふたつは無関係だった。
10月9日に起きた株価急落の主な原因は、フェラーリが発表した2030年までの長期経営計画において、売上高目標が予想を下回ったことだった。つまり、今回の株価急落の主因はF1の成績不振ではなく、こうした経営面の要素にあった。
[オートスポーツweb 2025年10月15日]
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