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なぜドラレコ標準化されない? あおりや逆走問題などのトラブルは純正装着で解決か

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なぜドラレコ標準化されない? あおりや逆走問題などのトラブルは純正装着で解決か

■ドラレコ標準化でトラブル解決なるか?

 近年、増加傾向にあるクルマのトラブル・あおり運転や逆走、ペダルの踏み間違い問題など、連日ニュースで取り上げられています。

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 トラブルに対する抑止力や証拠として「ドライブレコーダー」が注目を集めています。しかし、ニーズの高まりに反して、標準装着化の話が聞こえてきません。なぜドライブレコーダーは標準装されないのでしょうか。

 いまどきのクルマには、被害軽減ブレーキやレーンキープ用の高性能フロントカメラが当たり前のように付いており、高性能CPUも備えています。そのため、専用メモリカードなどを付け加えればすぐさま純正ドライブレコーダー完成するのです。

 カメラが外れる危険性もなければ、車内の電子制御システムとの相性も良いはず。もしや、社外ドライブレコーダーメーカーに配慮しているのでしょうか。そこで、筆者(小沢コージ)はトヨタの先進技術カンパニー先進安全先行開発部の松尾芳明エンジニアを直撃してみました。

※ ※ ※

 小沢:なぜ最近のクルマはドラレコを標準装備化しないのでしょう。どんなに運転が上手い人でも貰い事故はあるし、最近じゃ一般事件の捜査にも役立っています。標準で付けたら便利だと思うし、事故後のトラブルも減ります。逆にどういうデメリットがあるのですか。

 松尾:技術的には簡単ですし、可能ですが、第一にみんながみんなドライブレコーダーを付けたいと思っているのかという問題があります。どこに行ったかすぐにわかっちゃうし、ほかの人にバレちゃうじゃないですか。

 小沢:やはりそういう問題ですか(笑)。プライバシーの侵害であり、プライベートに関わる問題に成りうるという。でも、基本は事故時の証拠残しで、あおり運転はもちろん、最近知り合いの人には、信号待ちで止まっていて後ろから追突されたと。そしたら乗っていたアジア系外国人は「オマエがバックしてぶつかってきた」と言い張る。そういう場合、ドラレコが付いているととりあえず反論する証拠にはなりますよね。

 松尾:なるとは思いますが、最終的にドライブレコーダーの記録が事故の法的な情報になるかというと疑問です。正式な証拠にするためにはエアバッグに付いている加速度センサーのデータを保護しなければいけないとか、衝突時にデータが消えないようにしなきゃいけないとか、そういうことも必要だと。

 小沢 自動車保険の事故調査員は参考にするって聞いています。とはいえ、正式に死亡事故や重大事故の証拠として採用するまでには至らないのかもしれませんね。データが正しく保存されるという確証はないし、情報を後加工される可能性も拭い切れません。映像では赤だった信号を後で青にするハイテクIT野郎がいるかもしれないし。

 松尾:それもありえます。その当たりをしっかり決めないと参考にはなっても、正式に裁判で使える証拠までには至らない。現状はオプション装備じゃないと売れないでしょう。

 小沢:でも後付けだと外れる可能性もあるし、最悪加害者が事故後に勝手に捨てちゃうとか。いろんなリスクも考えらますよね。将来的に標準装備化される可能性はありますか?

 松尾:それは法規次第だと思います。証拠能力としての信頼性とプライバシーの問題。その当たりが解決されればです。

 小沢:なるほど。クルマの標準装備というのは結構ハードルが高いのですね。90年代あたりからABS、エアバッグ、ESPと次々標準装備化されつつありますが、同様にドラレコもそうなるかと持っていましたが。

 松尾:なかなか簡単には行きません。最近では同時に車内映像が撮れるドライブレコーダーもありますし、これはこれでまた別の問題が出てきますから。

 小沢:確かに、結構なレベルで浮気バレちゃうかもしれないですね。奥さんが自家用車のドラレコをチェックして、「この助手席に乗っているオンナ誰!」って(苦笑)。

 最近当たり前になりつつあるドラレコ。標準装備化されれば作動の確実性は増すし、性能も上がりそう。普及も進んで良いことづくめな気もしましたが、意外なる壁があったようです。

※ ※ ※

 その昔、筆者(小沢コージ)は、「スマホや携帯になぜ通話録音機能が付かないのか」を調べたこともありますが、それも「勝手に会話を録音されると困る人がいる」との回答でした。

 プライバシー侵害であり、装着を喜ばない人もいる。ドライブレコーダーの標準装備化は当分なさそうです。

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