現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 個性の薄い容姿 不満のない走り 強者の好敵手に?

ここから本文です

高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 個性の薄い容姿 不満のない走り 強者の好敵手に?

掲載 23
高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 個性の薄い容姿 不満のない走り 強者の好敵手に?

BYDのバッテリーで航続413km 見た目の個性は薄い

また新しい自動車ディーラーが、英国に増える。今回試乗したオモダは、中国のチェリーが立ち上げた新ブランド。電動コンパクトSUVの「E5」と、ガソリンエンジンで走る「5」で上陸が始まる。

【画像】高水準ではないが、低水準でもないぞ! オモダE5 競合サイズの電動SUVはコレ! 全167枚

ボディサイズは全長が4424mmで、全幅は1830mm、全高が1588mm。競合するのは、フォルクスワーゲンID.3やルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック、MG 4 EVなどだろう。

英国での価格は、ベースグレードで3万3500ポンド(約643万円)から。トップグレードでも3万5500ポンド(約682万円)となり、装備も充実しているから、机上での競争力は低くない。

駆動用バッテリーは、BYDのリン酸鉄リチウム・ユニットを採用。これは高効率なことが特徴で、額面61.4kWhに対し、60.4kWhの実用量がうたわれる。駆動用モーターは203psを発揮し、フロントアクスルを駆動。航続距離は413kmが主張される。

今回の試乗は、気温が高めの天気で高速道路が中心だったが、365kmほど走れることを確認できた。急速充電能力は、最大80kWと早くはない。10-80%の補充に、約40分必要になる。

スタイリングの印象は見る人に依存すると思うが、筆者は全然悪くないと感じた。シャープなライン構成でスタイリッシュ。欧州のトレンドにも、合致するように見える。

ただし、オモダらしい個性は薄い。トヨタやルノー、ヒョンデ、プジョーなどのデザイン要素が、散りばめられているようにも感じる。どのブランドのモデルなのか、イメージしにくいともいえる。

適度に高級感あるインテリア 少し凝りすぎ?

インテリアも悪くない。適度な高級感があり、ヒョンデやキアのユーザーが見ても、納得の水準にある。ただし、トップグレードのノーブルへ与えられた内装は、接着剤のような匂いを放っていた。

スピーカーのグリル部分はクロームメッキされ、プラスティック製パネルには細かい波のようなテクスチャが与えられている。細部まで気が配られているが、少し凝りすぎにも感じられた。

スマートフォンのワイヤレス充電パッドは、2面あり便利。充電中の加熱を防ぐ、通気口も設けられている。センターモニターの明るさを、個別のパッドで変更できるのも有用だろう。

一方、ステアリングホイールにはオーディオ用のタッチセンサーが備わるが、明るい状態でヘッドライトを点けると、バックライトが点灯しないようだった。雨天時は、手探りするしかない。

ダッシュボード中央には、12.3インチのタッチモニター。メーター用モニターと一体のパネルに収まる。まだ最終仕様ではないということだが、グラフィックは粗めで、メニューを辿りにくく、ソフトウエアは前世代のデザインに思えた。

運転支援システムの変更には、3~4回タップする必要がある。ホーム画面のアイコンは、小さくて触れにくい。フォルクスワーゲンのシステムの方が、まだ使いやすいと思うものの、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応する。

荷室は狭め 0-100km/h 7.6秒の不足ない動力性能

リアシートの広さは、このクラスの平均程度。身長180cmくらいの大人でも座ることはできるものの、足元や頭上の空間に余裕があるとはいえないだろう。

荷室容量は292Lと狭いが、床下の収納はカウントされていないのかも。数字としては小さなハッチバック並みだが、フロアのパネルを持ち上げると、意外と大きい空間が現れる。しかも、フルサイズのスペアタイヤも載っている。使い勝手は悪くなさそうだ。

フロントのボンネット下にも、収納が用意されている。充電ケーブルをしまうのには、少し小さいようだが。

さて、確認はこのくらいにして運転してみよう。車重1710kgに203psだから、5Eは電動ファミリーSUVとして不足ない動力性能を備える。0-100km/h加速は7.6秒だ。アクセルペダルを目一杯踏んでも、フロントタイヤが鳴くことはなかった。

全体的にスムーズで、必要に応じて充分なパワーを引き出せ、運転しやすい。交差点でステアリングを切りながら鋭く加速させても、進路が乱れるようなトルクステアもない。

回生ブレーキは、1番弱いモードが扱いやすいと感じた。効きを切り替えるには、わざわざタッチモニターを触れる必要があり、1段強くするとアクセルレスポンスに違和感が出る様子。直感的ではなく、ギクシャクした減速感になってしまう。

ブレーキペダルを踏まずに止まる、ワンペダルドライブには対応しない。周囲の交通状況に合わせて変化する、アダプティブ・モードもない。

走りに目立った不満はなし 装備充実でコスパ高し 

E5のボディの位置は高めで、不快に感じるほどではないものの、カーブでは明確に左右へ傾く。高速道路や峠道をキビキビ運転するというより、ゆったり気ままに流すようなスタイルを前提にしている。

ステアリングホイールは軽く回せる。路面からの感触は薄いものの、反応は正確で予想しやすい。スポーツ・モードを選ぶと、僅かに重さが増す。

乗り心地は、市街地の低速域では細かい揺れが目立つ。高速域になれば、しっとりしてくる。履いていたタイヤはクムホで、18インチの扁平率55だった。

総合的に見て、E5の走りで不満に感じるような部分はないといえる。感心するほどの高水準ではないが、決して低水準でもない。

E5は、価格に見合った仕事をしっかりこなす電動SUVだと思う。プロトタイプではあったが、エネルギー効率は低くない。流れの速い郊外の道では適度な安心感があり、傷んだ路面を通過しても、ダンパーの設定を変更したいと感じないほど快適でもあった。

そして、コストパフォーマンスが高い。上級グレードを選べば、基本的な装備のほか、パノラミック・ガラスルーフや360度カメラなども付いてくる。英国のこのクラスには、MG 4 EVという強者がいるが、好敵手になる予感がする。

◯:秀でたコストパフォーマンス 安定した走り フルサイズのスペアタイヤ
△:荷室が狭め 扱いにくいタッチモニター 低速域での乗り心地

オモダE5 ノーブル(プロトタイプ/英国仕様)のスペック

英国価格:3万5500ポンド(約682万円/予想)
全長:4424mm
全幅:1830mm
全高:1588mm
最高速度:172km/h
0-100km/h加速:7.6秒
航続距離:413km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1710kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:60.4kWh(実容量)
急速充電能力:80kW
最高出力:203ps
最大トルク:36.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
motorsport.com 日本版
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
VAGUE
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
くるまのニュース
「山賊もやし炒め定食」はパンチの効いた味濃いめ! 東関道「湾岸幕張PA」
「山賊もやし炒め定食」はパンチの効いた味濃いめ! 東関道「湾岸幕張PA」
バイクのニュース

みんなのコメント

23件
  • cab********
    サービス拠点が無いんじゃねぇ。
    使い捨てフライパンと考えるには、少し高い買い物だね
  • aro********
    この記事を読んで、この車良いなぁ!と思える要素が全く無かったのに驚き。
    外見は色々な会社からちょっとずつパクリ、中身は平凡かそれ以下なのに600万以上するゴミ、という印象を受けたが…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村