やっぱり禁止になったピットロード出口での追い越し。予選ルール調整にF1ドライバーも非難轟々「元に戻すべき」

　マクラーレンのランド・ノリスをはじめ、F1アブダビGPで急遽ピットロード出口での追い越しが禁止となったことについて「ひどいルールだ」とF1ドライバーらが口々に語った。

　F1では予選中の過度なスロー走行を取り締まり、トラフィックを解消すべく、各グランプリで一定のラップタイムを設け、これより遅く走ったドライバーを取り締まることになった。

　これにより前車との間合いを取るために、ドライバーはピットロードを低速で走行することでアウトラップに備えるようになった。

　最終戦アブダビGPのフリー走行2回目では、立体交差のトンネルを通るピットレーン出口で、スロー走行するメルセデス勢に対して、業を煮やしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが強引にオーバーテイクする場面があった。

　フェルスタッペンの行為は明らかなレギュレーション違反ではなかったものの、FIAはFP2での出来事を受けて、前車に“明らかな問題”がない限りピットロード出口での追い越しを禁止した。

　しかしノリスは、こうした突然のルール調整がさらなる問題を引き起こすだけだと考えている。そして、一定のラップタイムが設定されていることが問題の根本にあると示唆した。

　motorsport.comがノリスに、新しい予選ルールが機能しているか否かを尋ねると彼は次のように答えた。

「いや、ひどいルールだと思う。問題は他の馬鹿げたルールがそう（ピットロード出口でオーバーテイクせざるを得ない状況に）させるから、彼らもルールを加える必要があるということだ」

「仮に赤旗が出て予選が残り3分となったら、計測ラップに入れるのは3台くらいだ……だから、もう分からないよ。以前のやり方に戻すべきだ」

　またアストンマーチンのフェルナンド・アロンソは、現在のルールではマシンからパフォーマンスを最大限に引き出すスリルが失われているとして、予選フォーマットから見直す必要があると語った。

「あんまり変わっていないし、予選フォーマットが時代遅れであることを証明していると思う」とアロンソは言う。

「こういうこと、こういうストレスはダメだ。予選は以前、週末で最高のセッションで、クルマが生き生きとしていて、とても速いマシンを走らせることができる機会だった」

「今はチームにとっても、ドライバーにとっても、タイヤマネジメントやトラックリミットにおいても週末で最悪のセッションだ。スチュワードのところへ行ったり、デルタタイムを守らなかったり、他車を妨害したり、ラップタイムが抹消されたり……（今季最後の予選が）終わってよかった」

「あんなことあってはならないよ」

　フェルスタッペンは予選ルールに関してより良い解決策が必要であると認めたが、アブダビGPで起こった混乱を繰り返さないためにドライバーたちはルール変更に合意したと語った。

「僕らドライバーはブリーフィングでこの変更に同意した。そうでなければ昨日（金曜日）のようなことが起きていただろう」

「現時点でまだ完璧なモノはないから、より良い解決策を考えなければいけないけど、それが何なのかは考え続けるよ」