12月1日(日)、日産自動車株式会社と日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社が主催のファン感謝イベント『ニスモフェスティバル2024』が静岡県の富士スピードウェイで行われ、足を運んだ2万8500人のニッサン/ニスモファンが集まり、各展示や走行を楽しんだ。
2024年はニスモブランド創設から40周年となり、特別企画なども用意されている『ニスモフェスティバル2024』。イベント自体の開催は今回で25回目となり、今年もドライバーや監督ら、そして新/旧のレーシングマシンが集結してイベントを盛り上げた。
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■デイトナ24時間の苦労話を暴露
午前中は、フェアレディZ同士が争う『Z-Challenge エキシビションレース』や、今もなお根強い人気を誇るサニーでの『NISSAN ヒストリックカー エキシビションレース』が実施され、熱いサイドバイサイドのバトルが繰り広げられた。
さらにグランドスタンド付近では、特設ステージにてトークショーが行われ、スーパーGT GT500のドライバー8人が最終戦に臨む意気込みやイベントで乗り込むレーシングカーについて語った。さらに、松田次生が今回会場へ持ち込んで展示している380RSやスカイラインR32などにも他選手が触れ、「あれはいくらで売ってるの?」とロニー・クインタレッリから突っ込まれるひと幕にドッと笑い声。
続いては、これまでニスモを背負って世界で戦ってきたレジェンドらが登壇した。ここでしか聞けない当時の話として、「チームの指示通りに戦っていれば、レースって簡単なんだと思った」という鈴木利男さんのエピソードや、一方ピットメンバーとして奮闘していたというNISMOの中島健監督からは「デイトナではラジエーターに砂が詰まって、オーバーヒートで大変でしたよ」といい、ここでしか聞けない激レア話を披露した。
そして、午後のデモランへ向けたウォームアップ走行時にはサーキットサファリや同乗走行も行われ、抽選で選ばれた方が4台のマシンに乗った。
続いてはイベントの開幕式となるウェルカムセレモニーへ。参加した全監督やドライバーらが整列し、スーパーGTのニッサンGT500クラスの総監督である木賀新一氏が挨拶を述べた。
「この4月より総監督の名誉を拝命し、チャンピオン奪還をメインに毎戦戦ってきたわけですが、ドライバーズポイントの方は、残念ながらすでにチャンピオンの可能性が無くなるという事態となりました。皆様のご声援にお答えできず、申し訳ございません」
「ただ、チームの方は3号車(NISMO NDDP)は可能性が残っております。最終戦の鈴鹿では、ニッサンZニスモの本来の速さを見せつけられるよう全力で頑張ってまいりますので、応援よろしくお願いします」
さらに、ドライバー代表としてスーパーGT GT500で23号車MOTUL AUTECH Zのドライバーである千代勝正もファンへ向けて「40周年のニスモフェスティバルにたくさんの方にお越しいただいて、本当に嬉しく思います」と感謝を続ける。
「これまでのニスモの歴史は、ファンの皆様あっての40周年です。これからも全ドライバー、『強いニスモ、勝つニスモ』を継承していけるように頑張っていきます」と、強く言い切ってニスモのエースとして戦っていく決意を示した。
■最終戦で「ニッサン陣営の意地を見せる」と片桐隆夫CEOがフィナーレで宣言
この後は、各選手や監督らがファンと交流する場となるピットウォークが約1時間実施され、各ピット前は大混雑の盛況ぶり。そしていよいよ、新/旧のニスモレーシングカーが実際の走行を披露する『NISMO HERITAGE RUN』が始まった。
グループA時代のCALSONIC SKYLINE(1990 JTC)などのスカイラインや、ル・マンやデイトナを戦ったCカーやGT1マシン、さらにはスーパーGTマシンやニスモコンプリートカー、Formula E Gen2などの電動車など、往年のニスモレーシングカーが約1時間にわたってコースを疾走し、ファンへその雄姿を見せた。
そして迎えたイベントフィナーレでは、スーパーGT GT500クラスからの引退を発表したロニー・クインタレッリからファンへ感謝の言葉が贈られた。
最後にはNMC社長を務める片桐隆夫氏が代表挨拶を行い、「すべての関係する皆様へ、深く御礼を申し上げます。これからも、皆様をワクワクさせるような活動と商品を通じてニスモブランドを進化させ、50年、60年と歴史を積み重ねてまいりたいと思います」と言葉にした。
迎える最終戦へ向けては、「残念ながらチャンピオンの可能性は無くなってしまいましたが、ニッサン陣営の最後の意地を見せるべく、ロニー・クインタレッリ選手をはじめ、全力で戦います。みなさまも全力で応援いただけるとありがたいです。引き続き、よろしくお願いします」と意気込みが語られ、大勢のファンによる拍手に包まれてイベントは終幕となった。
■ロニーさんとの同乗走行で、編集長の無茶なお願いに心よく応えて『4』ポーズを披露
イベント最後には、スーパーGT GT500クラスからの引退を発表したロニー・クインタレッリから、ファンへ感謝の言葉が伝えられ、仲間や家族とともに万感のフィナーレとなった。
そんなロニーさんは、午前中の同乗走行にて、フォーミュラEのニッサンチームと同様にカラーリングされたNISSAN LEAF NISMO RC_02をドライブ。ここでNISMO様の粋な計らい……いや、メディアの特権を活かして(?)本誌編集長のハルロウが助手席に乗ることになった。
LEAF NISMO RC_02に同乗して、まずは引退発表後について聞くと「とにかくいろんな方から連絡をもらって、ちょっと大変でしたね(苦笑)」とロニーさん。いろいろな思い出話はまた、スーパーGT鈴鹿の最終戦後にということで、この同乗走行のせっかくの機会とばかりに、ロニーさんにはあえて、富士スピードウェイで一番苦手なコーナーを聞いてみた。
「最終コーナーのひとつ手前の左コーナーですね。難しい」とGRスープラコーナーを挙げたロニーさん。ちなみに、好きなコーナーについて聞くと、じっくり考えた後で「セクター2」とコカ・コーラコーナーからダンロップコーナー手前までの高速区間を挙げた。
同乗走行後には、編集部からの『先日、F1で4連覇したマックス・フェルスタッペンばりの、いや、フェルスタッペンに負けないポーズを』という無茶な要求にも応え、スーパーGT500クラスで前人未到の4度のチャンピオンを象徴する『4』のポーズを笑顔で披露してくれた。
ピットウォーク中の場内放送でも「個人的には15回目のニスモフェスタ。現役最後のニスモフェスタになりますが、朝からアツい応援でのお出迎えで、今まで感じたことのないアツさで、すごいなと。みなさんの応援に感謝しています」とコメント。
ロニーさんの現役最後のニスモフェスタということもあって、ロニーさんに会うために来たというファンも多く、ピットウォークでは23号車MOTUL AUTECH Zのピット前には長い列が続いていた。
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