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【試乗】新型ルノー メガーヌGTは「R.Sを待つ必要がない」完成度!

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【試乗】新型ルノー メガーヌGTは「R.Sを待つ必要がない」完成度!

 ルノースポールの血を感じさせるシャシー

 ルノーの売れ筋Cセグメント車「メガーヌ」がフルモデルチェンジを果たした。来年になるとハイパフォーマンスグレードのR.S.(ルノースポール)が加わるはずだが、最初に導入されたのは3グレード。ワゴンタイプの「スポーツツアラーGT」と、5ドアハッチバックが「GTライン」と今回試乗した「GT」の2モデルとなる。

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 先に言うと、絶対的な速さを求めるなら別だが、気持ち良さや爽快感などを求める走り好きであれば、ニュルブルクリンクFFモデル最速を競っていたR.S.の登場を待たなくても良いのではと思えるほど、このGTの完成度は高かった。

 なぜならシャシーの仕上げから、このGTにはすでにそのR.S.の血が多く流れているから。たとえば1.2リッター直噴ターボエンジンを搭載するGTラインでは、電動パワーステアリングはステアリングシャフトでアシストする形式となるが、この1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載するGTではR.S.が採用するダイレクトで素直さのあるラックアシスト式を採用している。さらに言うと、特筆すべきアイテムがR.S.譲りの4コントロール。一般的には後輪も操舵する4輪操舵システムと呼ばれるものだ。

 4WS自体は採用車種が近年増えており珍しくないが、基本的に高速安定性と小回り性能の両立を求める大型ハイパフォーマンスモデルに使われることが多い。それを全長4395mm×全幅1815mm×全高1435mmの、ロー&ワイドなコンパクト系に使ってきたのが興味深く、試乗してみるとその狙いが明確に感じられた。

 シート形状でのサポート性に加えて、服との摩擦力の高いアルカンターラを要所に使ってさらにサポート性が高められたシートに身を納めて走り出す。まず感じるのは、7速EDC(デュアルクラッチトランスミッション)の滑らかさ。急坂など高負荷でのスタートといったデュアルクラッチが苦手とする状況では若干唐突に動き出す感覚があるが、湿式クラッチを採用しており、走り出してからはとても滑らか。2670mmにまで拡張されたホイールベースによる直進安定性と相まって、ドシッと穏やかに走れる。その乗り味が、メガーヌ初の高い位置へのセンターコンソール配置により肘を置きながら軽くハンドルに手を添えてリラックスして走る姿勢とも調和しているのも良い。そんな長距離ドライブに適した特性が確認できたが、街中での乗り心地で若干気になる要素がある。それが、ボディやブッシュでの”いなし”効果が少ないのか、足まわりはしなやかに動きつつも凸凹の瞬間的な入力が体に強めに伝わること。高速道路のような滑らかな路面なら気にすることではないが、街中走行で後席を積極的に使う方は、一度試乗して確認するのをオススメする。

 ワインディングで大きな効果を発揮した4コントロール

 ワインディグに行くと、すべてのパーツがフル活用されて、走りが活き活きとし出すのが印象的。まず街中であれだけ直進安定性が高かったとは思えないほど素直に曲がる。いや曲がりすぎるほどだ。

 走行モードがノーマルモードでもある「ニュートラル」では、ハンドルが軽く気軽に切れすぎてしまい、グイッと曲がり込みすぎる。だからこそ、ワインディングでは即座にハンドルにドシッとした手応えが備わるスポーツモードにしたほうが良い。

 その瞬間から、排気音も刺激的に変わるし、とくにフル加速での3000回転以降など、吸気音と相まってハイパフォーマンスカーを思わせる刺激が備わる。さらに、その刺激を助長するように7速EDCの歯切れの良い変速感が、不必要なシフト変速と加速を誘うので、スポーツモードは”マナーを大事に”楽しむ自制心が必要だ。

 また7速EDCの効果もあるだろうが、エンジンレスポンスの良さも魅力。加速操作に対してはもちろんのこと、とくにアクセルを戻した時に加速力が瞬時に収まる感覚も気持ち良いし、コントロール性を向上させるので好印象。そして何よりも伝えたいのが、4コントロールの効果。

 安定して鋭く曲がるところまではイメージしやすいだろうが、不思議なほどロールする感覚が少ない。これは試乗前のプレゼンテーションでルノーが強調していた要素。4輪操舵をフル活用すると、こんなにもロール制御に効果があるのかと驚いた。

 初体験なのでより細かく言うと、旋回中に”あれだけ”路面のうねりを的確に追従するしなやかな足まわりなのでロール自体はしているのだが、4輪操舵が旋回力の発生スピードを微細にコントロールして、ロールスピードを調整している感覚。簡単に言えば、グラッする感覚を抑えて、体感上のロール感の低減を果たしている。何にせよ、気持ちよくアクセルも踏み切れるし、自在に旋回もコントロールできて爽快にワインディングを走れた。

 ちなみにこれだけリヤ操舵を積極的に使って旋回を鋭くすると、もしかしたら鋭く曲がる逆操舵制御(フロントタイヤとリヤタイヤが逆方向に操舵される)と、安定させる同操舵制御(フロントタイヤとリヤタイヤが同じ方向に操舵される)が切り替わる時速80kmで、乗り味が変わる感覚が若干生じる可能性も予想できる。その片鱗を多少感じたが、そのあたりは今回試乗できなかった高速道路などで、機会を見つけて試してみたい。

 何はともあれ、高いスポーツ性を持ち登場したGT。最後に個人の主観的な感想も加えると、乗り味云々の前にこのデザインとてもカッコ良い! 存在感も十分にあり、そこから期待する乗り味を超えてきているので所有満足度も高いはずだ。

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