現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > N-BOXは、ホンダが本気の「軽」造りを復活させたモデルだった【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

N-BOXは、ホンダが本気の「軽」造りを復活させたモデルだった【10年ひと昔の新車】

掲載 13
N-BOXは、ホンダが本気の「軽」造りを復活させたモデルだった【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホンダ N-BOX(初代)だ。

ホンダ N-BOX(2011年:ニューモデル)
大容量のスーパーハイトワゴンが主体の最近の軽マーケットに、ホンダ得意のセンタータンクレイアウト&低床フロアを生かした軽がなぜ出てこないのか、ずっと不思議に思っていた。ライバルに遅れを取ること4年。「もう一度軽に力を入れないとマズイ」と、ようやく思い直してくれたホンダが、原点であるN360の「N」を与えて、本気でやってきた。室内は、とにかく広い! ミニバンに通じる広さと低さのパッケージングはお世辞抜きでお見事だ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

前後座席間の距離は、もはや会話が困難なのでは?と思えるほどで、「ミニミニバンを作るつもりがステップワゴンを超えてしまった」とは、開発責任者の浅木氏の弁。これはアクセルペダルをタイヤハウスギリギリまで70mmほど前方に移動させたことと、センタータンクレイアウトで自由度を高く設置できる後席の恩恵が大きい。また、広さを最大限に生かしたユーティリティを実現するため、後席にあえてスライド機構がないのも特徴だ。

ちなみに後席に関しては、タント=座面一体式スライド、パレット=5:5分割式スライドと、ライバルたちはアレンジ方法に長らくこだわり続けているが、ホンダはスライドせずとも灯油用ポリタンクが4個積める荷室と、十分な足元の広さを持っているということで、軽初の座面跳ね上げチップアップ機構付き後席も採用。跳ね上げれば、ベビーカーをたたまずに載せられるのは素晴らしい。またワンアクションで後席をたためば、地上から480mmという低い開口部と、1560mmという長い荷室長で、後ろから身体ごと乗りこんでママチャリを積むこともできる。

さて、これほど大きな箱となると気になるのは走り味。パワー面では新エンジンとCVTは全車共通。走り味では13インチタイヤのオリジナル、14インチのカスタムL、15インチのターボの3つに分けられる。このうち文句なしにいいのはターボ。エンジンはもちろん、ハンドリングもいちばん余裕がある。ステアフィールも自然で、これをメインに開発したと思わせるほどまとまっている。

出来がすごく良いだけに気になる部分もある
少々気になるのが、最量販モデルになりそうなカスタムL。というのも、このエンジンはNAでも非常に元気が良く、しっかりとパワーを出しつつエコ運転に気を遣わずともかなり好燃費。高速でも交通の流れを先導できるほど、速度が乗っていく。そうなると、若干タイヤが物足りない。これが13インチだと高い速度域でコーナリング、なんて気にならないので問題ないのだが、14インチだとけっこう行けてしまう分、もう少しタイヤに余力が欲しい。

ちなみに速度が乗るだけあってブレーキ性能は絶品で、踏みごたえやコントロール性は抜群。カックンブレーキにもなりにくく、同乗者に褒めてもらえること請け合いだ。しかしその減速時に、ややCVTの段付き感があるのは残念。エンジン音も少し気にかかる。80km/hでのエンジン回転数は、メーター読みでNAは約2500rpm、ターボは約2100rpmとさほど高くはないが、アイドリングストップが付いているおかげで、逆に静粛時との落差が大きくて気になる。全体の質感が高いだけに、もう少し静粛性が欲しい。

質感と言えば乗り心地はなかなかのもので、これにはシートが大きく貢献している。女性が乗って当たりが柔らかく、男性が乗っても底付きしないことを目明日というシートは、確かに肌触り&包まれ感&サポート感が良く、滑りにくくていい。

もうひとつの美点は、ホンダがこだわり続けている視界の良さ。Aピラーまわりの視界の工夫や、合わせ鏡を使って左前や左横、真後ろを映し出すピタ駐ミラーのおかげで、全方位視界が保たれている。しかも、自然と目がいくところにミラーがあるので使いやすい。斬新なアイディアを盛り込んで、二大巨頭に挑むN-BOX。軽自動車のさらなる発展のために、ぜひ大暴れを期待したい。

ホンダ N-BOX カスタムG・ターボパッケージ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1780mm
●ホイールベース:2520mm
●車両重量:980kg
●エンジン:直3 DOHCターボ
●総排気量:658cc
●最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
●最大トルク:104Nm(10.6kgm)/2600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・35L
●JC08モード燃費:18.8km/L
●タイヤサイズ:165/55R15
●当時の車両価格(税込):166万円

[ アルバム : ホンダ N-BOX(初代) はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

13件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2550.02800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ターボの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2550.02800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村