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【国内試乗】スーパーカーにして究極のグランドツアラー「アストン・マーティン DB12」

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【国内試乗】スーパーカーにして究極のグランドツアラー「アストン・マーティン DB12」

アストン・マーティンの基幹モデルであるDBシリーズがフルモデルチェンジを果たし、DB12となったのは既報の通り。この度、ようやく国内で試乗する機会を得た。現代流に進化したグランドツアラーをリポートする!

扱いやすさが際立つ新パワートレイン

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アストン・マーティンの代名詞的存在と言えばグランツーリスモのDBシリーズ。長きにわたり、2+2シートをもつ優雅なクーペスタイルで魅了してきたものの、今回フルモデルチェンジされて上陸した最新のDB12は、若干事情が違う。というのも1999年以降は“DB=12気筒”というのが常識。それが今回よりV8ツインターボに置き換えられたというから一部のファンにとっては残念に思うかもしれない。しかし、今はダウンサイジングが当たり前。それでも得たものは多く、アストンのラインナップの中で見てもヒエラルキーに変化もなければ、デメリットも見当たらない。

前作のDB11と同様、流麗なスタイルを受け継ぎつつワイドトレッド化させ、ボンネットなどエッジを際立たせたことによってマッシブになったエクステリアは最新のヴァンキッシュにも通ずる逞しさがある。その雰囲気はV8ツインターボの味付けにも表れ、V12のネガな部分が排除されたことでDBに新たな魅力を加えた。

フロントミッドに搭載されるのは、メルセデス製のM177型V8DOHCツインターボ。これをベースにアストンが手を加え、圧縮比を変更、タービンサイズを大型化したほか、冷却系を強化することで、4Lの排気量から680ps&800Nmを発揮する。これは弟にあたるヴァンテージと同一エンジンながらもパワーはDB12のほうが上。メルセデスAMGの車両と比較してもパワーはアストンが上回るから、事実上M177エンジン搭載車で最強なのはDB12となる。

ただし、重要なのはDBらしさがあるのか否か。即ち、グランツーリスモらしさを味わえるのか、だろう。答えはイエス。デフォルトのGTモード(いわゆるノーマルモード)の場合、アストンはこれまでトルクの最大値を約半分程度まで抑えてきたが、これがDB12でもほぼ同じ設定で、とにかく控えめに終止する。特にこのV8は俊敏性に優れているのが本質だからトルクが抑えられることで扱いやすさが際立ち、マナーの良いドライビングに促すため、日常では有り難いとすら思わせる。

その分、中間加速は物足りなく感じるが、そこもご安心あれ。スポーツモードにすれば本来の加速を思い出したかのように鋭い一面を顕にし、素直なハンドリングと野性的なエキゾーストノートと共に刺激する。しかも、さらに上に位置するスポーツ+モードを選択すると、さらにゲインが変化し、ハンドリングは中立付近も含めてビシッと決まると同時に足まわりも引き締まる。しかも加速性能も鋭さが増すからワインディングでも楽しめるようになった。実は以前のDB11ではこうはいかなかった。やはりV12のデメリットがつきまとい、峠ではノーズが重いせいで少なくとも旋回中は残念ながら本来のスポーツカーのような動きは期待できなかったからV8のメリットは極めて大きい。ましてや今回から電子制御デフのEデフを装備。ねじり剛性も7%ほど強化されているからなおさらだろう。

これは絶妙な出来だ。基本はやはりグランツーリスモ。意図的にトラックモードを備えないことでも主張しているように全体の運動性能自体はヴァンテージほどではないものの、DB11よりは機敏。ヴァンキッシュほどの凶暴性も見せない。48対52というわずかにリア加重寄りにしているのもその表れだろう。そうした狙いがこのデザインにも表れていると思う。インテリアの質感も格段に良くなったのも大きな魅力である。

【Specification】アストン・マーティンDB12
■車両本体価格(税込)=30,900,000円
■全長×全幅×全高=4725×1980×1295mm
■ホイールベース=2805mm
■車両重量=1788kg
■エンジン型式/種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■内径×行程=83×92mm
■総排気量=3982cc
■最高出力=680ps(500kW)/6000rpm
■最大トルク=800Nm(81.6kg-m)/2750-6000rpm
■燃料タンク容量=78L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:275/35ZR21、後:325/30ZR21

問い合わせ先=アストンマーティン ジャパン リミテッド 03-5797-7281

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