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見た目も乗り味もある意味で深い驚きがある! MT車好きに評価して欲しい1台トヨタ・カローラスポーツ【ベース車両一刀両断‼︎】

掲載 更新 82
見た目も乗り味もある意味で深い驚きがある! MT車好きに評価して欲しい1台トヨタ・カローラスポーツ【ベース車両一刀両断‼︎】

 モータースポーツ専門誌のauto sport本誌では現在、スポーツカーをはじめ、ホットハッチ、セダン、スポーツクーペなどあらゆる市販ロードカーを“ぶった切る”ピリ辛・市販車インプレッションを不定期連載している。同企画に登場するのは、モータースポーツの中でも、いわゆる“箱車レース”と呼ばれるカテゴリーにおいて、レーシングマシンのベースとなるロードカーたちだ。

 今回はそんな『ベースマシン一刀両断!!』シリーズの第15回目トヨタ・カローラスポーツ編をお届けする。車名でもスポーツを意識しているカローラスポーツ。スタイリッシュな外見をしたこのクルマは、実際に英国のツーリングカーレースでも活躍しているのだが、その実力はいかに……。

現行で消滅した今こそ注目の存在。絶妙なスポーティさがマニアに刺さる先代ホンダ・フィット『RS』【ベース車両一刀両断!!】

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 最近の日本車のなかで、トヨタ・カローラスポーツは独自性を感じさせる外観だ。下膨れ感が多少強いものの、グラマラスなボディには既視感がない。鋭いスポーティさはないが、まとまりの良さは見てのとおりだ。

 ドアを開けて乗り込むと、適度な包まれ感のあるコックピットが迎えてくれ、内装にはスポーティな雰囲気が漂う。サイズは小さいものの、サポート性の高いシートも気分を盛り上げてくれる。トヨタのデザイナーは時間をかけて丁寧な仕事をしたようだ。

 しかし、カローラスポーツとの甘美な時間はここまでだ。

 1.2リッターターボエンジンは、“ダウンサイジング”と呼ぶには低速トルクがあまりにも不足しており、ターボラグも大きい。特に6速MTとの組み合わせだと、出来の悪いCVTのようなラバーバンドフィールが出てくる。アクセルオンから加速が始まるまで、ラグがとても大きいのだ。

 この6速MTには、変速や発進時にアシストしてくれる機能が与えられている。これはたしかに有効だが、MTのスキルアップにつながらない。

 つまり、初心者は自在に操って楽しむレベルまで上達しないし、それ以前に繊細なコントロールを阻害されるので、MTの楽しみも少ない。これは知覚の衰えた老人向けの機能なのか?

 そもそも、エンジンそのものが楽しみを欠いているので、MTの良さは感じにくい。ダウンサイジングを謳うなら、1.2リッターであればトルクもターボラグも大幅に改善できる3気筒であるべきだ。

 そういう意味では、どの回転域でもトルク感がないハイブリッド的なフィーリングだ。ちなみに、ハイブリッドのほうがパワフルで伸びやかな加速をしてくれる。

 トルク感がないので、クルマがずっと大きく重く感じる。当然、加速力もないので、アクセル開度はつい大きくなってしまい、結果として燃費もイマイチ。

 ダウンサイジングターボのキモは、ターボラグの小ささと非過給領域でのトルク確保なので、その両方ができていないから性能も燃費も良くなるはずがないのである。

■走らせた印象は、スポーティな見た目とは対照的な味付け

 このカローラスポーツ、基本的にC‐HRのクーペ版というのが適当な表現だ。エンジンもサスペンションも共通。全高が100mmほど低く、ガソリンエンジン車なら90kgほど軽量だ。

 キャビンの大きさを絞っているため、後席の空間はタイトだが“クーペとしては充分”か? さらに言えばラゲッジスペースもタイトで「FRだっけ?」と勘違いしそうなレベル。スーツケースを2個積むのは難しそうだ。

 ハンドリング面で指摘しておかなければならないのは、トヨタがFF車のリヤに採用しはじめたダブルウイッシュボーン・サスペンションだ。

 これは構造こそ違うものの、アルファード系のものと同じ特性を持っており、サスペンション自体の摩擦抵抗が大きく、左右でストロークのやりとりをする悪癖がある。

 セッティングの影響もあるが、当たりは硬いがその先は緩く、左右に揺すられる動きが止まらない。つまり、操縦安定性も乗り心地も両方悪い。ダブルウイッシュボーンというカタログスペックが欲しかっただけなのだろう。

 ステアリングセンターのフィーリングの面でも、乗り心地の面でも独立式サスペンションの利点は感じられず、完成度の高いトーションビームのほうが断然良さそうと思えるのだ。

 実際に走らせてみると、見た目とは対照的に、すべての印象が薄い。カローラスポーツがアピールしてくるのは、「まるで存在を感じさせないこと」。移動の楽しみ、クルマという機械の魅力、それを操ることの喜びといった、クルマの根源的な価値を主張してこないのだ。

 だったらヴォクシーやプロボックスでもいいのではないか? まぁ、難しいことは考えず、鼻唄でCMソングでも歌って誤魔化すしかない。

■トヨタ・カローラスポーツ『G』(6速MT)主要諸元
車体車名型式3BA-NRE210H-BHFNZ全長×全幅×全高4375mm×1790mm×1460mmホイールベース2640mmトレッド 前/後1530mm/1530mm最低地上高135mm車両重量1300kg乗車定員5名駆動方式FFトランスミッション6速MTステアリング電動パワーステアリングサスペンション前/後マクファーソンストラット/ダブルウイッシュボーンブレーキ 前/後ベンチレーテッドディスク/ディスクタイヤサイズ 205/55R16エンジン型式8NR-FTS形式直列4気筒排気量1196cc内径×行程71.5mm×74.5mm最高出力85kW(116ps)/5200ー5600rpm最大トルク185Nm(18.9kgm)/1500ー4000rpm使用燃料レギュラーガソリンタンク容量50L

auto sport 2019年10月4日号 No.1515より転載

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みんなのコメント

82件
  • マツダから金を貰っているとしか思えないような、悪意にまみれた胡散臭い内容。「完成度の高いトーションビームのほうが断然良さそうと思える」などとわざわざ書くのは、マツダ3のトーションビームの方が良いと言っているようなもの。書き方がいやらしいし、品がない。「サスペンション自体の摩擦抵抗が大きく、左右でストロークのやりとりをする悪癖がある」等ともっともらしいことを書いているが、どうやって調べたのか? 少なくともそのような指摘はオーナーサイトでも、チューニングメーカーからも聞いたこともない。
  • なんなんだ、この期待させるタイトルに対して内容は。扱き下ろしているだけじゃない。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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