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クラシックカーラリーはマジで「頭脳戦」! 名車「アルファGT1600ジュニア」で「極上のクルマ遊び」に参加した【MARINE GP】

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クラシックカーラリーはマジで「頭脳戦」! 名車「アルファGT1600ジュニア」で「極上のクルマ遊び」に参加した【MARINE GP】

ヒストリックカーラリーに一度も参加したことがないビギナーも楽しめる

「旧車」と聞くと“どうせポンコツで走らないから、眺めるだけの置き物なんでしょ?”と思うかもしれないが、実際はさにあらず。ヒストリックカーが参加できるイベントが毎月どこかで開催されており、サーキット走行を存分に楽しみたい、決められた区間を決められた時間でいかに正確に走行できるのかを競う「線踏み競技」を楽しみたい、愛車をロケーションのいい会場に展示してクルマ仲間との親睦をもっと深めたい、気の置けないクルマ仲間とのツーリングを楽しみたい! と思っている旧車オーナーらを大いに満足させている。

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 筆者・高桑は度胸とドライビングセンスがないので、愛機(水色号こと1974年式アルファロメオGT1600ジュニア)でのサーキット走行に関しては一年に一回しか実践しない。だが、線踏み競技が行われるヒストリックカーラリーと旧車展示系イベント、そして、ツーリングをおもなコンテンツとしたギャザリングには頻繁にお邪魔させてもらっている。去る10月3日も水色号で愛知県にお邪魔し、MARINE GPという名のラリーに参戦させてもらった。

幅広い年式のクルマが走行できたMARINE GP

 55台がエントリーした当イベントは、街・海・クルマ・船を楽しむことを目的としたラリーで、1975年以前に製造された車両から現代のクルマ(おもにスーパーカー)までという、幅広い年式のクルマが走行した。 昨今のクルマもエントリーしていたので、MARINE GPを紹介する際の枕詞としてヒストリックカーラリーという言葉を敢えて使わなかった。しかし、かつて中部地方と三重県および滋賀県を舞台として開催されていた、ヒストリックカーミーティングの後継イベントであるMARINE GPは、れっきとしたヒストリックカーラリーだといっていい。 以前、ヒストリックカーミーティング実行委員会が実施していたイベントは、名古屋クラシックツアー、ヒストリックカーミーティング、ジャパンクラシックツアーという3タイプ。いずれも『大切な人と共に大切なクルマで旅へ出る』というコンセプトを掲げ、五感を刺激する極上のクルマ旅であった。

 しかし、ヒストリックカーミーティング実行委員会の事務局長であり、誰よりもクルマ旅の楽しさを知っていた天野正治氏が2018年2月に永眠。突然の訃報であった。筆者も新幹線で名古屋まで赴き、天野氏のお通夜に参列したが、その日以降、名古屋クラシックツアー、ヒストリックカーミーティング、ジャパンクラシックツアーが開催されることはなかった。

故人の遺志を受け継ぎ2020年に向けて動き出した

 しかし、である。天野氏が好きだった“桜”をタイトルとして、故人の遺志を受け継いだイベント“Sakura Rally”が企画され、かつての運営スタッフの有志たちが2020年4月の開催に向けて動き出した。

 結局、2020年のSakura Rallyは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となり、今年の4月にふたたび行われる予定だったSakura Rallyも、コロナ禍により開催を断念せざるをえなかった。そのような状況のなかで秋のラリーとしてMARINE GPの実施も模索され、去る10月3日に参加者全員が抗原検査を行うといった感染対策を施しつつ、無事開催されたわけである。

 Sakura Rally実行委員会 事務局長の磯部光伸氏によると、今後、春に伊勢志摩方面を走る1泊イベントのSakura Rally、秋に街・海・クルマ・船を楽しむことを目的とした1DayイベントのMARINE GPを開催する方向で考えているという。

 そして、参加しやすいイベントとしてスタートし、次第に競技性や格式を高めていきたい、とも考えているそうだ。開催エリアの地域文化に触れつつ、地域貢献のひとつとしてチャリティ募金を行うことも大切にしており、今回のMARINE GPで集まった募金は常滑市に寄付されるとのことだった。

ヒストリックカーラリー=速く走った者が勝つわけではない

 ヒストリックカーラリーは、決められた区間を決められた時間で、どれだけ正確に走行できるのかを競う線踏み競技(=1000分の1秒単位で計測するPC競技。基準タイム走行とも呼ばれる)で獲得した点数にて順位をつけているが、今回、このコンペティションをほかのエントラントと同条件で体験させてもらった。ラリーという名のイベントだが、速く走った者が勝つわけではないのだ。

 ちなみに、ヒストリックカーラリーは線踏み競技だけではない。走行ルートが記されたコマ図(マップ)上のチェックポイント認証による公道走行(=スタンプシートの提出)や、指定速度競技(アベレージ走行)やCO競技(ルートブックに記載された指定時刻に前輪で計測ラインを踏みながら通過し、その誤差を競う)なども実施されるのが通例だ。

 既述したようにMARINE GPは“参加しやすいイベントとしてスタート”したので、線踏み競技だけが実施された。そのうち、さまざまな競技が盛り込まれ、より難易度が増していくことになるだろう。

地域文化や名所に触れることができるルートを走る

 今回の走行ルートは、名古屋市役所→名古屋トヨペット本社駐車場→まるはリゾート→内海海岸海水浴場 東浜駐車場→NTPマリーナりんくう、というもの。名古屋市役所でのスタートを盛り上げてくれた衆議院議員の古川元久氏に見送られながら、各車が1回目の線踏み競技会場となる名古屋トヨペット本社駐車場を目指した。

 名古屋トヨペット本社駐車場での線踏み競技はPC-1からPC-3で、主催者が設定したタイムは、PC-1が15mを5秒、PC-2が10mを5秒、PC-3が30mを6秒というものだった。

 まるはリゾートでの昼食後に実施された2回目の線踏み競技は、内海海岸海水浴場 東浜駐車場に3連続で設けられた。だが、これはコロナ禍の影響でキャンセルとなり、リザルトには反映されない練習用となった。

 3回目の線踏み競技はゴール直前のNTPマリーナりんくう横のスペースに5連続で用意された。PC-4が95mを13秒、PC-5が90mを12秒、PC-6が10mを3秒、PC-7が90mを11秒、PC-8が95mを12秒という、長短が交ざった難易度の高いものだった。

競技性の高さを維持しながら誰でも楽しめるのがポイント

 ゴール後にNTPマリーナりんくう内の特設ステージで行われた表彰式にて、各クラスの上位5組と総合3位までのエントラントがステージに登壇し、各協賛スポンサーから豪華な賞品が贈られた。わが水色号はルートブックの読み上げと線踏み競技におけるカウントダウンを担ってくれた、コ・ドライバーの米澤 徹(AUTO MESSE WEB編集部)が活躍。獲得点数:1055ポイントで、Bクラスの2位に入賞することができた。ビックリである。

 総合優勝したチームの獲得点数は1795ポイントだったので、まだまだ精進と練習が必要だが、編集部・米澤の初陣としては上出来だったと思っている。 ヒストリックカーミーティング実行委員会の事務局長だった天野氏が存命だったころの名古屋クラシックツアー、ヒストリックカーミーティング、ジャパンクラシックツアーは、大切なパートナーを大切なクルマに乗せて参加してもよし、ファミリーで参加してもよし、という、まったく新しいスタイルのイベントだった。

 それでいて、競技性の高さを維持しながら、地域文化や名所に触れることができる旅の要素やエンターテインメント性も高められており、イベントとしての独自性を確立していた。

 そして、ダンナや彼氏だけが自動車趣味に没頭するのではなく、ファミリーやカップルでイベントを楽しむことをモットーにしていた天野氏のイベントでは、女性が主役とばかりに毎回さまざまなプレゼントが用意されていたことも印象的だった。

 天野氏時代のそれとまったく同じことをやるのは難しいが、偉大なる故人の遺志を受け継いだイベントとして、Sakura RallyとMARINE GPには大いに期待したいと思う。ヒストリックカーラリーに一度も参加したことがないビギナーも楽しめる内容となっているので、気軽にエントリーしてみるといいだろう。好イベントなので、僭越ながら、今後も継続開催されることを願っている。

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