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【詳細データテスト】ロータス・エキシージ 柔軟な加速 魔法のようなハンドリング 生産終了が残念

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【詳細データテスト】ロータス・エキシージ 柔軟な加速 魔法のようなハンドリング 生産終了が残念

はじめに

エキシージは、ほかに代わるもののないクルマだ。どのようにすればこんなクルマが生まれるのか、不思議に思うくらいだ。教科書通りの答えなら、エリーゼをベースにして云々、ということになる。

【画像】ロータス・エキシージとライバル 全16枚

1990年代にロータスを大きく変えた小さなロードスター、エリーゼにハードトップを与え、ハードコアに仕立てたのがエキシージ、というシンプルな認識が一般的だろう。

しかし、ドゥカティのバイクがヒントになった、という話もある。FFエランが商業的に失敗した後、シャシーデザイナーのリチャード・ラッカムとスタイリストのジュリアン・トムソンは、ロータス発展の礎となったエリーゼ・シリーズ1の構想を練るなかで、ボローニャ生まれの二輪車がみせる無駄のない美しさと宝石のようなコンポーネンツ、そして徹底的なピュアさからインスピレーションを得たらしいのだ。

エキシージの登場は、エリーゼに遅れること4年。その妥協なきアプローチは、むしろエリーゼ以上にドゥカティ的だった。ベースとなるのはエリーゼ同様、ロータス独自のアルミ押し出し材を用いた構造体。しかしエキシージには、コニの調整式ダンパーと太いスタビライザーを装着。ローバー製Kシリーズの1.8L直4は、大径スロットルボディを搭載した。

エクステリアにはエアスクープやウイングが追加され、タイヤはサーキット仕様のヨコハマを履く。それらを含めて、エリーゼより49kg重くなったとはいえ、それでもたったの780kg。エキシージは文句なしのライトウェイトマシンで、その走りはとんでもなく夢中にさせてくれる。

それから21年、3世代を数える間に、エキシージは重量を増した。同時期のポルシェ911に対し、2000年には60%程度だったウェイトは、いまや75%ほどに達した。ただし、そのエンジンは自然吸気の直4ではなく、V6スーパーチャージャーであることを忘れてはいけない。

そんなエキシージの最新世代であるシリーズ3だが、デビューは8年も前だ。それをいまさらロードテストの舞台に引きずり出した理由はただひとつ、これが最後の機会になるからにほかならない。

ロータスのコメントを引用するなら、このスポーツ390ファイナルエディションは「エキシージの生産最終年を記念して発売された」モデル。このシリーズ3の最終仕様をもって、エキシージそのものの歴史に幕が引かれることとなる。

付け加えるなら、エリーゼも同時に退任し、その跡目はニューモデルのエミーラとなる。いわば今回のテストは、自動車の現代史に輝く偉大なスポーツカー最後の花道。結果はおそらく、生産終了が悔やまれるものとなるだろう。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

エキシージのファイナルエディションは、3つのバリエーションが用意される。スポーツ390とスポーツ420、そしてカップ430だ。いずれも押し出しアルミ材を接着して組み立てたお馴染みの軽量モノコックと、アルミ部材を用いた前後ダブルウィッシュボーンを用いるのは共通している。

ボディがコンポジット材パネルで構成され、サイズが小さいこともまた共通する。小柄なアルピーヌA110と比べても、より短く、幅は狭く、車高は低い。

3台の中で、もっとも公道走行向きなのが今回のスポーツ390だ。タイヤはいずれもミシュラン製だが、ほかの2台がセミスリックのパイロットスポーツ・カップ2を履くのに対し、パイロットスポーツ4を装着している。中級ホットハッチによくみられる銘柄だ。

ダンパーは3段切替式のナイトロン製ではなく、ビルシュタインの固定式で、アイバッハのスプリングと組み合わせる。スタビライザーも調整式ではなく、エアロパーツもほかのモデルより小ぶりなリアウイングを装着するなどトーンダウンしている。

ブレーキは全車共通で、APレーシングの6ポットキャリパーと鋳鉄ディスクの組み合わせ。1200kgに満たない車両重量を考えれば、カーボンセラミックディスクより好ましいチョイスだ。

ルーバーの切られたカバーを開けると、2012年以来使い続けるトヨタ製3456ccV6が姿を現す。大型のエデルブロック製スーパーチャージャーと吸気クーラーが装着される点も含め、基本構成は3モデルとも同様だ。

かつてラインナップされていた350ps仕様のスポーツ350に対し、スポーツ390は397psを発生する。このパワーアップの要因は、2.5インチから3インチへ径が拡大された排気系にある。

ファイナルエディションはMTのみの設定で、構造の一部が露出した変速系メカニズムを搭載する。ギアボックスの先にLSDは装着されていないが、これはエヴォーラでもそういう仕様が存在する。左右輪へのトルク配分は、ESPとトラクションコントロールのシステムを用いたブレーキ制御で調整する。

内装 ★★★★★★☆☆☆☆

シリーズ3エキシージのコクピットはタイトだが、座ってしまえば良好な前方視界が得られる。しかし、ドアの開口部は奇妙なくらいに小さく、快適装備はほとんど備わらない。

今回のファイナルエディションは、レザーかアルカンターラが選べるフラットボトムのステアリングホイールと、TFT液晶のメーターパネル、シートの新たなトリムが与えられた。ただし、もしもより鮮明なディスプレイと快適性を重視するなら、6万5000ポンド(約910万円)のポルシェ718ケイマンGTS4.0を選んだほうがいい。その点に関しては、1~2クラスの差がある。

純粋なエルゴノミクスに関しては、ヘッドルームが問題になるのは相変わらずだ。特にサーキットへこのクルマを持ち込もうと考えていて、身長が180cmを超えるなら、試乗時にヘルメットを持参して確認しておくべきだ。首をすぼめて運転する羽目になったテスターもいたからだ。

トランクルームは用意されているが、容量が十分だと思えるかはひとそれぞれだろう。リアトランクはA110と同程度だが、あちらはフロントにも100Lの積載スペースがある。いずれにせよ、ここでもケイマンの優位は動かないのだが。

キャビンに収まってわかるのは、目的のために妥協を排したレイアウトがなされていることだ。座面はとんでもなく低く、カーボンファイバーで覆われたワイドなサイドシルが高くそびえ立ち、長いシフトレバーが左手の側まで伸びている。ドライビングポジションの調整範囲はあまり広くないものの、それが運転に大きな支障をきたすことはない。

走り ★★★★★★★★★☆

スポーツ390の発進加速性能を最大限まで引き出すには、4000rpm程度まで回転を上げてから、クラッチペダルを踏む足を放すことになる。すると、リアタイヤがいかにうまく路面を掴むかに驚かされる。あとやるべきは、ショートストロークのシフトレバーでの変速時間を最小限に抑えることくらいだ。

暖かく乾いたテストコースでの0−97km/h加速は、4.0秒をマークした。公称タイムの3.7秒には及ばなかったが、メーカーの計測がわずかな燃料を積むのみで行われるのに対し、われわれは満タンでテストしていることにより生まれた差だといえる。

0−161km/hは9.4秒で、同じようなコンディションで計測したよりパワフルなM2 CSには0.6秒のビハインド。しかし、特化型スポーツカーであるだけでなく、本格スーパーカーといえるスペックも望むなら、エキシージにはカップ430という選択肢がある。

スポーツ390に関していえば、同じ価格帯でこれより速いクルマもあるが、そのなかに同じレベルのフレキシビリティを持つものはほとんどない。このロータスのトランスミッションは比較的ワイドレシオで、3速で145km/hに届き、4速はひと桁をかろうじて超えるくらいから190km/h以上までをカバーする。

しかし、3.5LスーパーチャージャーV6とシャシーの軽さゆえに、加速の不足を感じることはない。われわれがフレキシビリティを測る目安とする4速での48−113km/hは、M2 CSにコンマ1秒まで迫っている。43.0kg-mのピークトルクはスポーツ350から上積みされていないが、発生回転域が3000~6700rpmと広がったことが、このパフォーマンスを可能にした要因だ。

この底なしのトルクとシャープなスロットルレスポンスは、ストップウォッチ的な性能だけでなく、じつに楽しく軽やかな走りに寄与する。よくできたクルマに乗っていることはすぐに確信できるし、それより時間は要するが秀逸なシャシーであることも次第にわかってくる。わざとシフトアップしてエンジン回転を落としても、また4500rpmを超えれば、エキゾーストのバルブが開き、テールからは強烈なサウンドがほとばしる。

もうひとつ言及しておくべきは、このファイナルエディションのストッピングパワーについてだ。APレーシングのブレーキは、フィールも精確さも備え、制動力にも優れている。113km/hからの制動距離はたったの42.2mで、M2 CSの43.7mを凌ぐ。

とはいえ、そのどちらもダラーラ・ストラダーレには敵わない。あちらはピレリの本気タイヤであるPゼロ・トロフェオRを履いているが、それにしても39.4mというスコアは衝撃的だった。

使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆

インフォテインメント

電話をかけたり、ラジオを聞いたりすることはできる。しかし、それ以上のインフォテインメント機能はない。もっとも、このうえなくピュアなライトウェイトスポーツなのだから、これでいいのだ。

ナビゲーションが必要なら、スマートフォンを市販のホルダーでフロントウインドウ辺りに取り付ければ事足りる。充電用のUSBポートは、助手席側に用意されている。標準装備のヘッドユニットを、収納式ディスプレイ付きのものに交換するという方法もある。Apple CarPlayやAndroid Autoに対応した商品をラインナップするメーカーも多い。

どのような手段を選んだとしても、音質は標準的なレベルを超えるものではない。なにより、盛大なメカニカルノイズのほうが、室内ではスピーカーより優勢だ。

大きなニュースは、ロータスが古典的なアナログメーターに代えて、新たにTFT液晶のデジタル計器盤を導入したことだ。表示モードはふたつで、一般的なレイアウトと、スポーツとレースの各モードを選んだ際の先進的なグラフィックが用意される。

このデジタルメーターは、キャビンの雰囲気を研ぎ澄ますばかりではない。シフトインジケーターも表示できるので、サーキット走行で役に立ってくれるはずだ。

燈火類

今回、ヘッドライトの性能をテストする機会はなかった。これまでの経験からすれば、ロータスのヘッドライトは必要十分といったレベルで、それ以上ではなかった。

ステアリングとペダル

ペダルの右へのオフセットは、以前テストしたエキシージほどではなかった。ペダル同士の間隔は、ヒールアンドトウを行うのにちょうどいい。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

次世代ロータスのエミーラには、ついにエキシージが最後まで採用しなかったテクノロジーをふたつ導入する。

まずはパワーステアリングだ。エキシージのスポーツ390の車両重量は公称1138kg、実測1218kgで、ロータスがノンアシストでOKだと考える限界にほぼ達している。豪華装備の増えるエミーラはさらに重くなるので、電動油圧アシストが与えられるのだ。

もうひとつのアイテムがLSDである。コーナー進入時にステアリングの初期レスポンスを損ねるとして、ロータスはエリーゼとエキシージへの装着を敬遠してきた。

今後はともかく、今回のエキシージのハンドリングは、まさしくこれまでどおりの典型的なものだ。この上なく精確で、小径リムのステアリングで思い通りのラインを通していくことができる。また、コーナーへの進入で、まずは前輪が路面に食いつき、それに後輪がついてくる統一感がある。

ステアリングの一定したレシオと独特の重さゆえに、A110のように軽いタッチで動かせはしないし、入力は慎重さを求められる。だが、自分をなだめてある種のリズムを見出せば、エキシージはすばらしく落ち着きがありながらも俊敏さをみせ、世界でもトップレベルのフィードバックが得られる。そして注目すべきは、荒れた路面でもステアリングの破綻がみられないことだ。

強引なステアリング操作が求められることもあるが、それはよほど道が傷んでいる場合に限られる。しかも、その瞬間がやってきそうだということは確実に知ることができ、準備できるのだ。アシストなしのステアリングと、限定的なサスペンションのトラベルがもたらす弊害は、ほとんどないといっていい。

ハードに走らせると、穏やかなハンドリングに反してフィードバックは高まる。タイヤはミシュランのラインナップのなかでも比較的普通なパイロットスポーツ4だが、フロントのグリップはふんだんにある。しかし、低速と高速のコーナリングでは、V6ユニットかコンディションがシャシーに勝っていることを、軽いアンダーステアが伝えてくる。

繊細にスロットルを戻せば、鼻先は走行ラインに戻り、逆にパワーをかければ大きく流れる。すべては緻密で、魅力的で、誇張になるかもしれないが魔法のようだと表現したくなる。2021年現在においても、この感触と精確さでエキシージを上回るクルマは見つからない。

快適性/静粛性 ★★★★★★☆☆☆☆

エキシージ・スポーツ390は、日常使いに向いたクルマとはいいがたい。それより、サーキット走行のために片道130kmほどの道のりを往復するような使い方のほうがあり得るだろう。そうなれば、快適性や静粛性は、それほど重視しなくてもいいのではないだろうか。

車内へと滑り込む、もしくは身体を落とし込むとか、回してねじ込むといった表現がふさわしい乗車のプロセスには苦痛を感じるかもしれない。しかし、いったんシートに収まってしまえば、ドライビングポジションはおおむねエクセレントで、シートには見た目以上のサポート性がある。

高速道路をクルーズする際には、騒音にもっとも悩まされる。4500rpm以下ならば、エキゾーストはおとなしいのだが、NVH対策は最低限で、しかもシャシー剛性が高いので、巡航時でもロードノイズは深刻なのだ。113km/hでは78dBAと、A110を7dBA、M4コンペティションを5dBA上回る。そればかりか、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJさえも、たった1dBAとはいえ上回るのだ。

ただし、ありがたいことに高速道路の路面であれば、肉体的な重労働を強いられることはない。ステアリングにエキシージ特有のパタパタと音を立てるところはあるが、長距離を走っても無駄に疲れることはない。ノイズに耐えられないなら、400ポンド(約5.6万円)で遮音材を追加するオプションを選ぶこともできる。

しかしながら、サーキットを3~4時間走り回った後の帰路では、シートにランバーサポートや十分な調整機能がないことを恨めしく思うだろう。タイトなキャビンにうんざりするかもしれない。疲れた身体で車庫入れするには、低速では重いノンアシストのステアリングが堪えるはずだ。

それでも結局は、この世界でもっともワイルドな部類に入るクルマを一日中乗り回すのは楽しいはずだ。ただし、ドライコンディションで、ハンズフリーでカエルコールできる余力があればだが。それでも家に着いたら、エキシージから降りるのが名残惜しくなるに違いない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

エキシージの潜在顧客層は常に狭い範囲だったが、最近ではそうしたユーザーの目を引くモデルが多くなった。2021年現在、その価格帯はより高額な718ケイマンGT4と、ロータスと同じ志を持つA110との中間に位置する。それら2台のライバルは、エキシージより実用的であるだけでなく、サーキットでもすばらしく楽しめるクルマだ。

そのほかにも、M2 CSあたりも比較対象になるだろう。かなり本気仕様のM2だが、それでも実用性はずっと高い。ただし、競合するミドシップモデルたちより重心高は高く、重量もあるので、運動性は異なるテイストになっている。

さらに、新型モデルのエミーラが登場すれば、エキシージの立場はさらに苦しいものになりそうだ。同様のシャシーを用い、エキシージにあった魅力のほとんどを備えていながら、欠点は打ち消されているはずだからだ。

それでも、スポーツ390には3つの美点が挙げられる。まずは、陶酔できる走りだ。エミーラは未知数ながら、既存のライバルたちにその点で匹敵できるものはおそらくない。

ふたつめが、6万4000ポンド(約896万円)というリーズナブルな価格設定。使用しているハードウェアと、ひたすら走りを磨くためだけに投入され続けてきた専門的なノウハウを考えれば、手頃なプライスといっていい。

そして3つめが、確立されたステータスである。今後、このようなクルマが現れることは2度とないだろうから、現存する個体への需要が下がることはなさそうだ。となれば、高いリセールバリューが期待できるので、いま購入しても将来的に後悔することにはなりそうもない。

スペック

レイアウト

シャシーは、エリーゼのアルミ接着モノコックの拡大版を使用。サスペンションは前後とも、不等長ウィッシュボーンで、上級機種には調整式ダンパーが与えられる。スポーツ390は、スプリングもダンパーもパッシブ制御だ。

エンジンはV6スーパーチャージャーで、リアミドシップに可能な限り低く横置きマウントされる。パワーとトルクは、6速MTを介して後輪のみへ伝達される。

エンジン

駆動方式:ミドシップ横置き後輪駆動
形式:V型6気筒3456ccスーパーチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ94.0×83.0mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:397ps/7000rpm
最大トルク:43.0kg-m/3000-6700rpm
エンジン許容回転数:6750rpm
馬力荷重比:349ps/t
トルク荷重比:37.7kg-m/t
エンジン比出力:115ps/L

ボディ/シャシー

全長:4084mm
ホイールベース:2370mm
オーバーハング(前):-mm
オーバーハング(後):-mm

全幅(ミラー含む):1900mm
全幅(両ドア開き):3350mm

全高:1129mm
全高:(エンジンフード開き):1870mm

足元長さ:1020mm
座面~天井:930mm

積載容量:98L

構造:アルミモノコック
車両重量:1138kg(公称値)/1218kg(実測値)
抗力係数:0.43
ホイール前/後:7.5Jx17/10.0Jx18
タイヤ前/後:205/45 ZR17 88Y/265/35 ZR18 97Y
ミシュラン・パイロットスポーツ4
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:6速MT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.54/9.0
2速:1.91/13.2
3速:1.41/19.8
4速:1.09/24.6
5速:0.97/32.3
6速:0.86/42.3 
最終減速比:3.78:1(1~4速)/3.24:1(5~6速)

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.8km/L
ツーリング:10.4km/L
動力性能計測時:3.0km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.9km/L
中速(郊外):10.1km/L
高速(高速道路):11.8km/L
超高速:10.7km/L
混合:9.8km/L

燃料タンク容量:48L
現実的な航続距離:375km
CO2排出量:230g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:アシストなし、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:10.4m

ブレーキ

前:332mm通気冷却式ディスク
後:332mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:手動、センターコンソールにレバー設置

静粛性

アイドリング:56dBA
全開時(3速):94dBA
48km/h走行時:70dBA
80km/h走行時:74dBA
113km/h走行時:78dBA

安全装備

ABS/EBD/ESP/CBC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):1.5秒
0-40(64):2.4秒
0-50(80):3.2秒
0-60(97):4.0秒
0-70(113):5.1秒
0-80(129):6.4秒
0-90(145):7.6秒
0-100(161):9.4秒
0-110(177):11.1秒
0-120(193):13.0秒
0-130(209):17.4秒
0-140(225):21.1秒
0-150(241):26.1秒
0-402m発進加速:12.4秒(到達速度:188.8km/h)
0-1000m発進加速:22.7秒(到達速度:231.1km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
BMW M2 CS M-DCT(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.6秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.1秒
0-70(113):5.1秒
0-80(129):6.2秒
0-90(145):7.4秒
0-100(161):8.8秒
0-110(177):10.4秒
0-120(193):12.3秒
0-130(209):14.6秒
0-140(225):17.2秒
0-150(241):20.6秒
0-402m発進加速:12.4秒(到達速度:194.1km/h)
0-1000m発進加速:22.0秒(到達速度:246.6km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.6秒(2速)/2.4秒(3速)/3.4秒(4速)

30-50(48-80):1.6秒(2速)/2.1秒(3速)/3.0秒(4速)/4.5秒(5速)/5.5秒(6速)

40-60(64-97):1.7秒(2速)/2.2秒(3速)/2.8秒(4速)/4.1秒(5速)/5.1秒(6速)

50-70(80-113):1.7秒(2速)/2.3秒(3速)/2.9秒(4速)/4.0秒(5速)/4.8秒(6速)

60-80(97-129):2.3秒(3速)/3.1秒(4速)/4.2秒(5速)/4.7秒(6速)

70-90(113-145):2.4秒(3速)/3.2秒(4速)/4.4秒(5速)/5.0秒(6速)

80-100(129-161):3.3秒(4速)/4.8秒(5速)/5.5秒(6速)

90-110(145-177):3.5秒(4速)/5.2秒(5速)/6.3秒(6速)

100-120(161-193):3.7秒(4速)/5.7秒(5速)/7.1秒(6速)

110-130(177-209):6.2秒(5速)/7.9秒(6速)

120-140(193-225):7.0秒(5速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):7.9m
50-0マイル/時(64km/h):21.6m
70-0マイル/時(80km/h):42.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.74秒

ライバルの制動距離BMW M2 CS M-DCT(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温23℃
30-0マイル/時(48km/h):7.8m
50-0マイル/時(64km/h):22.3m
70-0マイル/時(80km/h):43.7m

各ギアの最高速

1速:61.2km/h(6750rpm)
2速:112.7km/h(6750rpm)
3速:152.9km/h(6750rpm)
4速:197.9km/h(6750rpm)
5速:260.7km/h(6750rpm)
6速(公称値):276.8km/h(6369rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2592rpm/2962rpm

結論 ★★★★★★★★★☆

イコン、もしくは象徴などというのは、あまりにも使い古された表現だ。それでも、あえて言おう。エキシージは間違いなく、自動車史に残るイコンである。それも、ほかに並ぶものがほとんどない名門の出の。

第3世代へ移行してほぼ10年、初代からは21年を経ても、この羽のように軽いブリティッシュスポーツカーは、その軽快さや冴え渡る走り、そして目的の明確な仕立てでわれわれを喜ばせ続けている。

3ペダル、ノンターボ、そしてきわめて軽いウェイト。これを感性と専門知識も注ぎ込まれているのだから、サーキット志向のユーザーが、これ以上なにを望めばいいというのか。

今回のスポーツ390ファイナルエディションは、とりわけ甘美なクルマだ。少なくともよりハードコアなバージョンに比べ、究極的な速さを犠牲にした分だけハンドリングのアジャスト性を高めている。6万4000ポンド(約896万円)という値付けも絶妙だ。

同時に、エキシージの生産終了は悲しいが、魅力的な競合モデルはまだほかにもある。アリエル・アトム4はより人馬一体感を楽しめるし、実用性とサーキット性能の妥協点を見出す点ではポルシェに一日の長がある。

そして、待ち遠しいのがロータスのニューモデル、エミーラの登場である。おそらくはエキシージに着想を得た部分は多くあるだろうし、それでいてより日常使いしやすく仕立てられているはずだからだ。きっとすばらしいクルマに仕上がっているだろう。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーンエキシージの非凡さは、状況に適応してキャラクターを変えることだ。公道をハイペースで流していると、操縦系の手応えや、すべてにおける完璧さが味わえる。これがサーキットでの全開走行となると、ペダル操作に対しじつに軽やかで、繊細かつアジャストの効く走りをみせてくれる。

マット・ソーンダースエキゾーストのバルブ開放時のサウンドは、暴力的なほどに高まる。サーキットでの周回を遠巻きに見ていたテストコースのスタッフが、ときどきV6が目を覚ます新手のハイブリッドなのかと尋ねてきたくらいの変貌ぶりだった。

オプション追加のアドバイス

公道でもサーキットでも走りのいいスポーツ390だが、ほかのモデルに装着されるミシュランのセミスリックは用意されない。サーキットを真剣に攻めたいというなら、スポーツ420やカップ430がおすすめだが、それはよほど本気であれば、という条件付きの話だ。

改善してほしいポイント

・エミーラの工場の片隅で、わずかずつでいいからエリーゼやエキシージを造り続けてくれないだろうか。大々的に宣伝しなくてもいいので、これでなくてはダメだというユーザー相手に売ってもらいたい。今のまま、なにも変えずに残してほしいクルマだ。

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みんなのコメント

2件
  • 割り高で、売れ残ってだれも買わないからといっての忖度記事はやめてほしい!ロータスはエリーゼに始まりエリーゼで終わるんだよ!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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