2019年からDTMの併催レースとして始まる女性ドライバー限定のレースシリーズ「Wシリーズ」への参戦を目指し、FIA F4やKYOJO-CUPなどで活躍する小山美姫が、日本人として唯一トライアルテストに参加する。
女性ドライバー限定のフォーミュラカーシリーズとして今年新たに立ち上がる『Wシリーズ』は、元F1ドライバーのデビッド・クルサードらが支援するシリーズで、2019年はDTM(ドイツツーリングカー選手権)のサポートレースとして、5月のホッケンハイムを皮切りに全6戦が予定されている。
女性限定のWシリーズを支援するクルサード「根本的な構造変化が必要」
シリーズの優勝者にはステップアップのための資金として50万ドル(約5600万円)が与えられる他、総額150万ドル(約1億7000万円)の賞金も用意されている。また参戦権を獲得したドライバーが持参金を要求されることもない。
なお、使用するマシンはアジアンF3などでも使用されているタトゥース製のT-318。さらにタイヤはハンコックのワンメイクだ。
このシリーズへの参戦権をかけ、書類選考を通過した約60名以上の女性ドライバーが今週末オーストリアに集まり、トライアルテストが行われる。ここではドライビング技術のテストだけではなく、体力面のテストやコミュニケーション力を見極めるテストなどが実施され、最終的に18人が参戦権を獲得できる予定だ。
そこに、国内の様々なカテゴリーに参戦する小山美姫が日本人として唯一参加。先日の東京オートサロンではトライアルテストで使用するレーシングスーツも公開した。
「今までは、ただ乗って速ければ良いというところもありましたが、今回は実力だけじゃないという部分もあって、特に言語(英語でのコミュニケーション力)が一番の壁だと思っています」
「正直、あまり余裕はないですが……後悔だけはしたくないので、やり残したことがないようにして、オーディションに行きたいです」
「でも、この一歩というのは私だけの力では成し遂げられませんでした。ここにいる今の自分は、スーパー耐久やF4、SRS、N-ONE、VITA(で経験したこと、応援してくれた人の想いなど)も全部含めてのもの。ここまで関わってくれた人、応援してくれた人ひとつひとつの想いが全部集まっての今回の一歩です」
「その感謝を気持ちを伝えるためには受かることが一番だと思っています」
そう語った小山は、いつも彼女自身を応援してくれる人々への感謝の気持ちと、その人たちの想いとともにトライアルテストに臨みたいと語った。
「レースをやり始めた当初は、協力してくれる人がほとんどいなくて模索する日々が続きましたし、そういう状況だったから自分のためにやるしかない部分もありました」
「そうやって自分を貫いてやっていたことが悪い方向にいくこともあったし、叩かれることもありました。でも、中には評価してくれる人、期待してくれる人、信じてくれる人もいました。それはどんな時でも『自分(の目標)はF1だ』『実力で上にいきたい』という部分がブレなかったからだと思います」
「今では自分が頑張ることで一緒になって喜んでくれる人、自分と同じ気持ちになってくれる人が増えました。だから自分のために頑張ることがみんなのためにもなっていると思います」
昨年11月にドライバー候補のリストが発表されてから、ここまで準備期間が限られていた小山だが、その時間がない中でも、自身の力の源になっている応援者への感謝を欠かすことはなかったという。
「実は今回のオーディションの件に関しても、一部では『Wシリーズに専念して、勉強も含めて、時間をもっと使いなさい!』という意見もありました。正直、私だってそうしたいという思いはあります」
「だけど『なぜWシリーズのチャンスを手に入れられたのか?』と考えた時に……(その理由は)F4に参戦できたからかもしれない、N-ONEに参戦できたからかもしれない、KYOJO-CUPに参戦できたからかもしれません」
「これらの何かひとつでも欠けていたら、今の自分はいないかもしれません。ということを考えたら……自分の都合だけをみれば真っ直ぐ進めばいいんですが、やっぱり礼儀として挨拶回りはしっかりやらなきゃいけない。この年末年始は例年以上に時間がありませんでしたが、それでも協力してくれ方々への挨拶は時間をかけて行いました」
「みんなのために戦うわけじゃないけど、その人たちの想いが自分の今の力になっています。ここまで応援してくれた皆さんの思いを力にできるように、みんなの想いを背負う……というわけではないですけど、みんなの想いを連れていくという気持ちでいきます」
特にここ2~3年は応援してくれている人への感謝の気持ちを大切にする姿を目にするようになったが、それこそが今の彼女の安定感や強さにもつながっているのだろう。
今回も『応援してくれたみんなの想いを全部連れていく』ことをキーワードに掲げ、オーストリアへ向かう小山。最後にこのような意気込みを語った。
「本当……やるしかない、やり切るしかないです。とにかく全部を出し切って帰ってきたいですし、悔いがないようにやるのが一番だと思っています。最後まで小山美姫らしさを忘れずにいきたいです」
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