目的地へストレスフリーに移動できる
レクサスが欧州市場へ導入する、巨大なLM。専ら、所有者と運転手が別の人間になるタイプのクルマだ。ドライバーズカーではないことは明らかだから、リアシートの確認から始めていこう。
【画像】路上のプライベートジェット レクサスLM 競合の可能性がある欧州の高級モデルは? 最新RXも 全135枚
ワンボックスカーへ、11万3000ポンド(約2045万円)の英国価格が与えられていることに驚くかもしれない。だが、アームチェアを倒し、48インチのモニターを立ち上げ、ミニバーのドリンクを手にすれば、理にかなった高級モデルだということがわかる。
目的地へストレスフリーに移動する、という目的へ焦点を合わせた時、LMは望ましい1台になるといっていいだろう。レクサスによれば、英国だけで既に170台の受注を受けたらしい。2024年を迎えるまでに、300台ほどが上乗せになる見込みだという。
殆どのLMは、4シーター仕様が指定されているとのこと。ちなみに、四輪駆動と前輪駆動が設定され、7シーターも選択できる。英国価格は、ベースグレードで8万9995ポンド(約1628万円)からとなっている。
ワンボックスのMPVとしては、間違いなく高い。しかし、メルセデス・ベンツVクラスをベースに同等のリアシートを設えるには、別途、コーチビルダーへ作業を依頼することになる。コンバージョン費用を合算すると、LMと同等以上の予算が必要になるはず。
RXと同じグローバル・アーキテクチャを採用
Vクラスは、豪華にインテリアを作り替えたとしても、ベースを商用バンと共有するという事実から逃れられない。他方、LMはSUVのレクサスRXなどと同じ、トヨタ・グローバル・アーキテクチャを基礎骨格とする。
実際、走行中の騒音や振動は低く抑えられ、乗用車のようなフィーリングを実現している。高い金額を、納得させるレベルといっていい。
試乗車だった4シーター仕様のタクミ・グレードは、レクサスが目指すところが最も端的に表現されたLMだろう。VIPをお迎えするショーファードリブン・ニーズへ応え、プレミアム・ブランドとしてのポジションを、より明確にする役目がある。
レクサスは、控えめなラグジュアリーさを特徴としつつも、欧州市場では過小評価されてきたと思う。シェア拡大を目指し、近年は中型SUVが前面に押し出されていた。小型SUVのLBXも、販売がスタートする。
同ブランドで最も高額なモデルになるLMは、イメージを引き上げる大役を担う。フラッグシップとして認められるには、徹底的に高級な方が良い。Vクラスや、フォルクスワーゲン・マルチバンと一緒にされることは、避けたいと考えているに違いない。
市街地での存在感は、かなり強い。モノフォルムで背の高いシルエットに、巨大なフロントグリルが与えられ、かなり目を引く佇まいにある。目の肥えた中国の富裕層に対しても、充分アピールできるだろう。新しいBMW 7シリーズのように。
プライベートジェットのような雰囲気
リアシートのオーナーが望む以上に、周囲からの視線を集める可能性はある。だが、スモークのサイドガラスを覆うブラインドを完全に閉めれば、理想的なプライベート空間を生み出せる。
インテリアは、ガルフストリームG650やホンダ・ジェットといった、プライベートジェットへ通じる雰囲気を漂わせるが、これは偶然ではない。航空機メーカーと、「超」富裕層の協力を受け、かつてないほど豪華な空間の創出が目指されたそうだ。
レクサスのラインナップを俯瞰しても、これほどラグジュアリーな内装は見当たらない。最新技術も満載だ。ベントレーやロールス・ロイスに並ぶ水準といっても、過言ではないだろう。
左右で独立したリアシートには、個別に車載タブレットが用意され、エアコンやマッサージ、ブラインド、リクライニングなどの機能を手もとで操作できる。電動ルーフと間接照明、モニターのコンテンツ選択、スライドドアの開閉などにも対応する。
これらを操作するボタン類は、プライベートジェットのように天井側のパネルにも用意されている。だが、背もたれを深く倒すと手が届かなくなるため、タブレットは有用だといっていい。
高級な移動ラウンジであり移動オフィス
LMは、高級な移動ラウンジであると同時に、移動オフィスでもあるとレクサスは主張する。試乗車の4シーター仕様では、ロンドンに構えられる多くの役員室より、設備は整っているとか。
トップグレードのタクミを選択すると、フロントシートの背後へ、ボタン1つで上下する48インチ・モニターが実装される。同じく可動式のキャビンデバイダーも備わり、ワンタッチで透過性を変更できる。
巨大なモニターは、左右2画面に分割表示でき、2台のノートパソコンを接続可能。生産性を高められるうえに、ネットフリックスのコンテンツ選びで、どちらかが譲歩することもなくなる。
独立したアームチェアの肘掛け部分には、格納式のテーブルが仕込まれている。引き出して展開し、溜まった仕事へ集中し始めたら、自分がクルマの中にいることを忘れてしまうかもしれない。
プライベートジェットと異なり、サイドウインドウは大きい。シートはしっかり身体を保持し、路面のコブやコーナーを通過しても、揺れを最小限に抑えてくれる。画面を見つめていても、他のモデルほどクルマ酔いはしにくいはず。
フロントシートのショーファーが積極的に運転しだすと、リアシートの快適性に陰りが出てくる。テーブルの上のノートパソコンが左右へ滑り、ミスタイプを誘発するだろう。そんな場合は仕事の手を止めて、背もたれを楽な角度にし、休憩するのが良さそうだ。
この続きは、レクサスLMへ英国試乗(2)にて。
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みんなのコメント
「いつかはクラウン」の頃から変わらぬ、相変わらずのトヨタ応接間仕様車。
過小評価と言うより、そもそもの発想がヘン。アメリカならいけるかもしれないが、欧州ではムリ。
最近のトヨタ製ワンボックスらしい、中身は応接間なのにあのいかついお面、あれじゃあね。
後部座席丸々使えるとこんなに広い感じになるんだ