フランス車の祭典、第2回アロンフランセ車山が10月20日、車山高原(長野県茅野市)にて開催された。主催はAllons Fran・・ais Kurumayama事務局。
毎年秋にフランス車乗りが心待ちにしているイベントがあった。それはフレンチブルーミーティングだ。しかし、諸般の事情から開催が難しくなってしまったことから、改めて地元の協力者やフレンチブルーミーティング立ち上げメンバーなどとともに、昨2023年より始まったのがアロンフランセである。
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基本的な内容は昨年と同じで、参加するには事前に申し込みが必要。今回は上限700台とされた。来場すると指定の駐車場所にクルマを止めて、あとは自由に広い会場を散歩しながら、参加しているフランス車を眺めたり、フリーマーケットを除いたり、1日を気ままに過ごすというスタイルだ。今年も多くのフランス車ファンに親しんでもらいたいとステランティスジャパンも協力し、プジョー『408』を展示したほか、オフィシャルグッズの販売も行われ多くの来場者が買い物を楽しんでいた。
もうひとつ、今回はルノー『8ゴルディーニ』誕生60周年、シトロエン『CX』誕生50周年として、両車をフィーチャー。車両とそのオーナー紹介とともに、パレードも行われ、実際に走るクルマ達を眺められる機会が設けられた。
8ゴルディーニは1964年にデビュー。最初は1100ccであったが後に1300ccに排気量がアップ。エンジン以外の違いではヘッドライトが2灯か4灯の違いや、ガソリンタンクが1100はリアに38リッターのタンクのみであるのに対し、1300はそれに加えフロントに26リッタータンクが備わるなどの特徴がプレゼンテーションされた。もちろんこれは新車当時のことで、オーナーの好みに応じて現在は変更されている個体もある。
そしてあるオーナーはアルピーヌ『A110』との比較において、「A110は戦闘機に乗っている感じであるのに対し、8ゴルディーニは旅客機のよう。それほど乗り味が違い、乗りやすい」と表現していた。因みにこのオーナーは両方所有しているそうだ。
その並びには日野『コンテッサ1300』60周年を記念し、『コンテッサ1300クーペL』も展示されていた。日野はルノー『4CV』をノックダウンしていた関係で特別招待。このオーナーはリアエンジンルノーと日野の乗用車をこよなく愛するエンスージアストで、ルノーのリアエンジンの始まりは『4CV』であること、そして、それをノックダウン生産したのが日野であったことなどが語られた。その後、日野は『コンテッサ900』を、ルノーは『ドーフィン』を作るのだが、コンテッサ900はドーフィンの真似ではないかといわれているが、実際にはラジアスアームはコンテッサ900が先に取り入れているなどの例を挙げ、決してそういうことはないと強調。実際にルノーがラジアスアームをはじめて使用したのは『8』からである。
また、シトロエンCX50周年では14台が参加。それぞれの年式による仕様の違いや、ロングホイールベースのプレステージュは当初ユーリエというカロッセで作成していたが、のちにシトロエンが自ら製造し始めたこと。そしてその違いなどが説明された。
オーナーは、「最初に乗るとかなり癖があって、なかなか上手く扱えない。その理由はセルフセンタリング付きのステアリング機構や、ブレーキペダルのストロークの少なさ、そしてインパネ周りではサテライトスイッチを採用しているので扱いが分からないかも」というが、一度馴染んでしまうと、ハイドロニューマチックからくる乗り心地のすばらしさや、シートの快適性、そして前述のちょっと癖のある操作類を使いこなしたときの気分などから、CXは「中毒性がある」と語られ、皆納得の様子だった。
こういったトークショー以外にも、レトロフレンチカーの紹介やパレードも行われ、なかなか見られないフランス車たちを見て知ることができたのは来場者にとって興味深いことだったろう。
最後に触れておきたいことがある。実は前日深夜から天候が荒れてしまったことから、本部テントが崩壊し音響施設に致命的なダメージが及んでしまった。しかし、せっかく来場してくれる人たちに、楽しい1日を過ごしてもらいたいという気持ちから、そこから一気に立て直し当日の朝は何事もなかったかのように運営していたのは見事だった。フランス車好きの有志と車山高原の方々がボランティアで行っていることを考えると、本当に頭が下がる思いだった。
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