WRC世界ラリー選手権で2度のワールドチャンピオンに輝いたミキ・ビアシオンが、来季2025年のデビューが予定されるランチアの新型ラリーカー『ランチア・イプシロン・ラリー4 HF』の特別テストを実施した。
ビアシオンは1980年代から90年代にかけて、もっとも成功を収めたイタリア人ラリードライバーのひとり。現在66歳の元王者は、1988年と89年のWRCでマルティーニ・レーシング・チームの象徴であるデルタを率いて勝利を収め、ランチアを史上最多の勝利数を誇るブランドに押し上げた、モータースポーツの歴史上のアイコンだ。
ランチアがラリー界に復帰! イプシロン・ラリー4 HFをリリースへ。HFロゴも復活
そんなビアシオンは、今年2月に発表されたロードバージョンのイプシロンと、5月27日に伝えられたランチア・ブランドのラリーへの“カムバック”を象徴する新型ラリーカー、イプシロン・ラリー4 HFの開発に協力している。
実際、2025年のデビューを予定する前輪駆動の最新ラリーカーは、シャシーのセットアップをはじめ、ブレーキ、エンジンキャリブレーションなどがビアシアンのサポートの下で微調整され、競技における最高のパフォーマンスを保証することを目的とした継続的な改善アプローチがとられているという。
また、ロードゴーイングカーのハイパフォーマンス仕様となるイプシロンHFの開発においても、元王者がランチアのプロダクト&エンジニアリングチームに貢献。ビアシアンが持つラリーにおける知識と経験、そして最新のテストの結果、このクルマの心臓部となる電気モーターの最高出力は280hp(約283PS)に達した。
ランチア・コルセ・チームとともに7月16日に、最高出力212hp(約214PS)を発揮する1.2リットル直列3気筒ターボエンジンを搭載した、イプシロン・ラリーカーで特別テストを実施した同氏は、走行を終えたあと次のように語っている。
「今日、私は特別テストでランチア・イプシロン・ラリー4 HFをドライブしたが、最初のフィーリングは間違いなく素晴らしいものだった!」とビアシオン。
「我々はいくつかのパラメーターを調整し、このクルマのパフォーマンスを向上させるために努力を続けてきた。エンジンのレスポンスを改良すべく、さまざまなマッピングを試し、足回りではグリップとロードホールディングのためスプリングとショックアブソーバーに焦点を当てた。さらにブレーキシステムの完成度を高め、ギアボックスのレスポンス改善、新しいギア比のテストなどプログラムは多岐に渡った」
「私は“ランチア・ルネッサンス・プラン”のキーモデルであるイプシロン・ラリー4 HFとランチア・イプシロンHFの開発に貢献できることを、とても光栄に思っている」
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