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盛り上がりをみせた1年目のTCRジャパンシリーズ。来季は大幅台数増か!?

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盛り上がりをみせた1年目のTCRジャパンシリーズ。来季は大幅台数増か!?

 10月25~26日に鈴鹿サーキットで行われた最終ラウンドで、記念すべき初のシーズンである2019年の幕を閉じたTCRジャパンシリーズ。ひさびさに日本で行われたマルチメイクのスプリントツーリングカーレースは、初年度から一定の成功を収めたと言えるのではないだろうか。

 2014年、当時WTCC世界ツーリングカー選手権で使用されていたTC1規定、旧規定にあたるTC2に次ぐ規定として「新たなツーリングカーレースのピラミッドを築く」構想のもと生み出されたのがTCR規定だ。性能調整と安価な価格設定、さらにこれに賛同した各メーカーがリリースした優秀なマシンによって、この規定は瞬く間に世界中に広がった。

TCRジャパンシリーズ第5戦:初年度がついにフィナーレ。ホーソンと松本がチャンピオン獲得

 そんなTCR規定のツーリングカーは、すでにピレリスーパー耐久シリーズで長距離レース向けに活用されていたが、2019年からいよいよ全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催されるかたちで、全5ラウンドでのレースがスタートした。

 第1戦オートポリスから16台がエントリーしたシリーズは、途中2台ほど参戦するのではないかという情報もあったが、最終ラウンドの鈴鹿もAdenauがS耐で使用していたフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをフィリップ・デベサ車に転用する一方、WTCR世界ツーリングカーカップにAudi Team Hitotsuyamaが参戦したため篠原拓朗が参戦せず、やはり16台のレースとなった。

 そんなTCRジャパンシリーズの最終ラウンドだが、サタデーシリーズはマシュー・ホーソンが、サンデーシリーズは松本武士がチャンピオンを獲得。10月26日の決勝レース後には、表彰式も行われ、TCRジャパンを運営する日本TCRマネジメントの倉下明代表をはじめ、TCRシリーズを生んだWSCのマルチェロ・ロッティも出席。和やかな雰囲気のなかで、上位コンテンダーたちがトロフィーを受け取った。

■エントラントを重視したシリーズ運営
 その席上、ロッティは「初年度のTCRジャパンシリーズが成功裏に終わり、嬉しく思う」とあいさつした。実際、日本ではこれまで『ツーリングカーレースは流行らない』というまことしやかな説があったが、そんななかで一定以上のエントラントを集めてきたのは、TCRという規定の特性をうまく活かしたプロモーター側の施策もあっただろう。

 今季のTCRジャパンシリーズは、開催にあたりプラクティスをのぞき参戦できるドライバーを、ドライバーカテゴライズにおけるシルバーとブロンズに絞った。ブロンズはいわゆるジェントルマンドライバーで、シルバーは30歳未満で、プラチナとゴールドの基準を満たしていないドライバーが該当する。

 これにより、ツーリングカーを楽しみたいジェントルマンと、ジュニアフォーミュラで速さをみせつつ、メーカーワークスに入っていないドライバーなど、このTCRジャパンシリーズをチャンスとできるドライバーが揃った。

 もちろん、WTCRのようにプロがメーカーの支援を受けて戦うようなレースでは、同じ車両を使っていても接触に対する考え方が異なり、ある程度のリスクを負ってでもオーバーテイクをしかけるため、見た目にも激しいレースとなる。

 ただTCRジャパンシリーズでは全チームがプライベーター。接触に対するリスクが大きいことから、同じ週末にレースが開催されたWTCRと比べると、やや“おとなしく”見えたのは間違いないだろう。しかしそれは、それは参加する側が節度をもってレースをしていることの現れであり、車両が全損になってしまうようなクラッシュが今季ほとんどなかったことも記しておきたい。

 一方で、サタデーシリーズ/サンデーシリーズと、1日ずつ別のドライバーが参戦できる画期的なシステムが用いられたが、これは活用するドライバーは現れなかった。ただこちらも、それぞれのシリーズでチャンピオン争いが展開されたりと、参戦するドライバーにとってはモチベーションのひとつになったかもしれない。

 当然ながら性能調整やエントラントのホスピタリティなどなど、今後さらなる改良が求められる点もある。しかし全体的に見れば、成功裏に終わったシリーズ初年度だったと言えるのではないだろうか。

■来季は25台オーバー? WTCRに繋がるレースとなるか
 2020年に向けては、この表彰式の席上多くの関係者から「台数が増える」というコメントが聞かれた。まだまったく確定した情報ではないが、25台を超えるのではないかという噂も聞かれている。今シーズン参戦が一時噂されたプジョー308 TCRをはじめ、まだ日本では登場したことがない車両が出てくるのでは……!? という噂もあった。

 25台を超える台数は、ツーリングカーレースとしては非常に充実したものだ。当然コンペティションのレベルも上がる。近年あまり多くはなかった“ツーリングカー遣い”が日本で育つ、いい土壌ができそうだ。

 そして彼らが見据えるいい目標もある。それは、TCRジャパンシリーズの最終ラウンドで同時に開催されたWTCRだ。TCRジャパンの参戦チーム関係者がWTCRのピットを視察するシーンも数多く見られ、サンデーシリーズのチャンピオンを獲得した松本武士も、レース後取材していると「やはり出たいですね」と語ってくれた。

 WTCRには今季、Audi Team Hitotsuyamaがワイルドカード枠で参戦したが、富田竜一郎と宮田莉朋というTCRジャパンには参戦していなかったドライバーが参戦したとは言え、ふだんTCRジャパンに参戦していたチームの活躍は、TCRジャパンの参戦チームにとっては大いに勇気づけられる結果となったはずだ。また、シルバーの若手ドライバーにとっても、フォーミュラではない新たな“世界への扉”が示されたと言える。

 来季いったいどんなレースになるのかはまだまだ分からないが、ツーリングカーファンにとっては見逃せないレースになっていくのは間違いなさそうだ。

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