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日本でそのスペック本当に必要か? 0-100km/h加速3秒台のスーパーカーが持つ「速さ」以上の価値

掲載 23
日本でそのスペック本当に必要か? 0-100km/h加速3秒台のスーパーカーが持つ「速さ」以上の価値

 この記事をまとめると

■0-100km/h加速3秒台のクルマを所有する意味はあるのか真剣に考えてみた

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■日本では0-100km/h加速3秒台の性能を存分に発揮できる場所はほとんど存在しない

■0-100km/h加速3秒台のクルマを所有するという深い自己満足を得られることに意味がある

 0-100km/h3秒台のバカッ速モデルを所有する意味はある

 ここ最近のEVは「0-100km/h加速3秒台」なんてモデルはまったく珍しくもなく、なかには1秒台という狂気の(?)エレクトリックハイパーカーまで登場している。ここでの問題は120km/hまでしか出すことが許されていないニッポンで、そこまでバカッ速いモデルを買う意味はあるのか? ということだ。

 この問題について述べる人物として、0-100km/h加速1秒台や2秒台のクルマに乗った経験のない筆者が適任であるかどうかは疑問だが、一応3秒台のクルマには乗ったことがある者として、真摯に答えてみたいと思う。

 結論から申し上げると、「意味はある」ということになる。

 といっても「高速道路の料金所から100km/hまでは合法的にフル加速できるのだから、そういった場合に2秒台や3秒台というスペックが効いてくるのだ」みたいな話をしたいわけではない。

 まぁ筆者もそういったフル加速を絶対にしないわけではないが(4年に1回ぐらいはやっているかもしれない)、0-100km/h加速3秒台のクルマでそれをやると、あまりにも速すぎるため、精神的にけっこう疲れてしまうものだ。

 また、どんな電子デバイスが付いていようが「周囲の状況」というのがそもそもあるため、なんだかんだでかなり危険な行為でもある。そのため、3秒台のクルマを所有している人も、おそらく「真のベタ踏みフル加速」なんてものは、ごく稀にしかしてないはずだ。

 また、この手の話をする際には「加速力に優れるクルマのほうが、合流時などにおいては安全なのだ」としばしば言われるが、それについても、このケースにおいてはあまり意味がない。

 合流時においては、「加速がいいクルマのほうが安全」というのは確かにそのとおりで、筆者も0-100km/h加速に20秒ぐらいかかる(?)往年の軽自動車で首都高を走りたいとは思わない。だが、それも程度問題であり、「首都高などで安全に合流する」というのが主たる目的であるならば、0-100km/h加速のスペックなど7秒台でも超絶十分。なんなら9秒台でも「ぜんぜん十分! ていうか、もっと遅くても大丈夫!」ぐらいに感じるだろう。

 つまり、合流うんぬんにおいても「0-100km/h3秒台」というのは明らかにオーバースペックであり、いわゆる宝の持ち腐れなのだ。

 であるならばなぜ、筆者は先ほど「0-100km/h3秒台のバカッ速モデルを所有する意味はある」という意味のことを申し上げたのか? それは、趣味的なクルマを所有することの最大の目的あるいは理由は、何らかの実務をこなすことではなく「深い自己満足を得ること」にあるからだ。

 仕事あるいは買い物や送迎、キャンプ道具を積み込むためなどに使うクルマの場合はまた別だが、そうではないクルマの場合、「スペックそれ自体」はけっこうどうでもいいことなのだ。

 いや、なかには「なるべくハイスペックなクルマに乗ること」に歓びを感じる人もいるため、この言い方は正確ではない。正確に言い直すなら「その人が重きを置いている何らかのポイント(※複数回答可)が、その人にとって満足できる状態に仕上がっているのであれば、あとはどうでもいいのである」ということになるだろうか。

 つまり筆者や、おそらくは大半の人にとっては「意味なし」「宝の持ち腐れ」としか思えない「0-100km/h3秒台」というパフォーマンスも、ある種の人にとってはたまらなく魅力的であり、当然ながら「大いに意味がある」と、当人は思うものなのだ。

 本当に求められているのは「速さ」ではない

 では、そういった「0-100km/h3秒台」に価値と意味を感じるある種の人とは、果たしてどんな人々なのか? いわゆるスピード狂? いや、それは違うだろう。彼ら・彼女らはスピードそれ自体に価値を見出しているのではない、たぶん。

 そうではなく「自分はいわゆる富裕層だが、ただの富裕層ではなく『とくに優れた富裕層』なのだ」と感じていたい人々が、それら2秒台や3秒台のクルマを購入するのだ。そして速さそのものではなく、その特別感に酔いしれるのである。

 年収400万~500万円ぐらいで生活している人は、年収1000万円ぐらいの生活を「すごく裕福なんだろうなぁ」などと想像している場合が多い。だが、実際に1000万円ぐらいで暮らしている人は自分のことをド庶民だと認識しており、なんならド貧乏ぐらいに思っているかもしれない。なぜならば――まぁいまの日本では年間1000万円程度では本当にショボい暮らししかできないからという、身も蓋もない話もあるわけだが、それと同時に「上には上がいるから」である。

 同様に、筆者のようなド庶民からすると、0-100km/h加速が4秒台のポルシェ・パナメーラGTSあたりを見ると「超お金持ちが乗る超ハイパフォーマンス車!」と感じてしまうわけだが、乗っている当人は、おそらくは「普通のカローラみたいなもの」ぐらいに思っているはずだ。

 で、「こんなカローラみたいなポルシェじゃなくて、もっとすげえのに乗りたいよなぁ……」などとつぶやきつつ、あるとき、0-100km/h加速2秒台とか3秒台の「すげえの」を購入し、深い深い自己満足にふけるのである。

 彼または彼女がそのアクセルペダルを本気でベタ踏みし、100km/hまで3秒ぐらいで到達させてしまうことも、まぁ稀にはあるのだろう。しかしそれは(たぶん)きわめて稀であるはずだ。なぜならば、彼または彼女が本当に欲しているのはスピードそのものではなく、「すげえ自分にふさわしい、すげえクルマを所有すること(所有できること)」だからだ。

 まぁ、筆者には何の関係も興味もない世界の話ではあるのだが、そういった人々としては、「0-100km/h3秒台のバカッ速モデルを所有する意味」は、確かにあるのだ。

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みんなのコメント

23件
  • IM0470
    無駄こそ贅沢の極み・・・。
  • nah********
    ビ-トたけしの時計が6000万円オーバ-とかって、時間が1日48時間になる訳で無し、時計マニア以外に分かる訳で無し。それから言えば車はまだマシか。
    まぁ、結構なお金持ちでも車はプリウスなんて人もいるし。結局はその人の満足感だよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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