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【次世代フラッグシップの中身は?】ランボルギーニ アヴェンタドール後継にV12ハイブリッド搭載か 2022年発表予定

掲載 更新 15
【次世代フラッグシップの中身は?】ランボルギーニ アヴェンタドール後継にV12ハイブリッド搭載か 2022年発表予定

完全EV化に向けた最初のステップ

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

【画像】電動化されていくランボルギーニ【非電動のハイパフォーマンスモデルを写真で見る】 全111枚

translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ランボルギーニは、アヴェンタドールの後継モデルを2022年に発表する準備を進めている。先代モデルとは異なり、EV時代に向けてブランドを「再構築」するための最初のステップとして、ハイブリッド・パワートレインを搭載する。

ランボルギーニの新しいフラッグシップマシンとして今年中に公開される予定で、SUVのウルスのプラグイン・ハイブリッド仕様が登場した直後に販売が開始される見込みだ。ランボルギーニの伝説的な6.0L V12エンジンを搭載する最後の量産車となる予定で、電動パワーを採用する可能性が高い。

新型コロナウイルスの流行を乗り越え、ランボルギーニは2020年に史上2番目の好業績を達成した。アウディ・スポーツやブガッティでの経験を経て、最近ランボルギーニのCEOに就任したステファン・ヴィンケルマンは、2021年は「次のレベルに向けてプッシュし始める」前の「安定化の時期」であるとAUTOCARに語った。

ヴィンケルマンは、電動化がランボルギーニにとって何を意味するのか、「明確なビジョン」を描くことが重要な課題だと述べている。

「わたし達は、ランボルギーニを再構築することでランボルギーニであり続けるため、何も変わらないようにすべてを変えなければなりません」

ヴィンケルマンは、今年の最初の注目点はウラカン・スーパートロフェオ・オモロガータ(STO)の市場投入であるとしながらも、2021年には2台の新しいV12マシンが公開されることを示唆した。

ヴィンケルマンは、これらのモデルの具体的な詳細については言及しなかったが、情報筋によれば、1つは最高出力819psのシアンFKP 37と同様のスーパーキャパシタ技術を使用したアヴェンタドールベースの最終スペシャルモデルであり、もう1つは、アヴェンタドールの後継モデルとなる可能性がある。

ニーズに合ったハイブリッド技術

次世代のV12フラッグシップは何度も延期されてきたが、主な理由は、ランボルギーニがスーパーカーのニーズとキャラクターに合ったハイブリッド技術の開発を推し進めているためである。

「課題は、今後数年間の顧客の期待を薄めることなく、いかに要望にマッチさせるかということです」とヴィンケルマンは言う。「これが今、わたし達が取り組んでいることです」

ランボルギーニの技術責任者であるマウリツィオ・レッジャーニは、アヴェンタドールの後継モデルでは自然吸気V12エンジンを搭載し、パワーと効率を向上させるためにハイブリッド技術を導入することを以前に明かしている。

また、フェラーリSF90のような4輪駆動システムを検討していることも示唆している。V12が後輪を、電気モーターが前輪を駆動し、トルクベクタリングでパワーバランスをとるというものだ。

ランボルギーニは、大型ハイブリッドシステムによる重量増と、それに伴うパフォーマンスへの影響を懸念しており、リチウムイオンバッテリーとスーパーキャパシタを組み合わせたシステムを研究していると考えられている。

ランボルギーニは、マサチューセッツ工科大学と共同で開発したスーパーキャパシタ技術に多額の投資を行ってきた。モデルの特性を維持しながら、ますます厳しくなる排出ガス規制に対応するためだ。

シアンでは、V12エンジンは785psにチューニングされているが、トランスミッションに組み込まれたスーパーキャパシタにより33psを追加することができる。このシステムの重量は34kgで、従来のハイブリッド車と比べて大幅に軽い。しかし、スーパーキャパシタは同サイズのリチウムイオンバッテリーよりも多くの電力を蓄えることができるが、急速な充放電しかできないため、電気のみの走行ができず、排出ガスの削減効果も限定的だ。

ヴィンケルマンは次のように述べている。

「シアンは成功例です。わたし達は、スーパースポーツカーのオーナーにメリットを与えることで、電動化モデルを売らなければならないことを理解していたからです。このアプローチは、わたし達が将来やろうとしていることへの小さな一歩にすぎません」

次世代モデルの技術的詳細は明らかにされていないが、シアンの819psに近いパワーを発揮することになりそうだ。

ランボルギーニ、EV戦略を最終決定

アヴェンタドールの後継モデルと改良後のウルスに加えて、V10搭載のウラカンをおそらく2024年か2025年にモデルチェンジする見込みだ。その先は、排出ガス規制によって自動車のEV化が促される中、将来的な戦略に焦点が当てられている。

ヴィンケルマンはAUTOCARにこう語っている。

「わたしの最大の課題は、2030年以降に何が起こっているのか、次世代をフォローするための明確な戦略を持つことです。製品の面だけでなく、これがブランドにとって何を意味するのか、明確なビジョンを持つこと。まずは2030年までの意味を考えることが大切だと思います」

「間違いなく、法的な限界を知ることができるはずです。ドアは非常に狭く、わたし達はボトルネックを通過しなければいけないでしょう」

ランボルギーニの完全電動化について尋ねると、ヴィンケルマンは「計画を詰めているところ」だと答えた。また、「ただ話し合いをするだけではありません。この先の道を歩んでいくのは大変なことですから、わたし達に何ができるのかを年単位で確認するために、財務状況を調べているのです。夢を持つのはいいことですが、それは現実的なものでなければなりません」

ランボルギーニにとって5番目に大きな市場である英国では、2030年にゼロ・エミッションでないクルマの新車販売が禁止される予定だ。それがどのような影響を与えるかについて尋ねられたヴィンケルマンは、次のように答えた。

「英国は当社の最重要市場の1つですから、将来的に成功を収めるためには法規制への対応が最重要です。もし失敗したら、わたし達は廃業してしまいます。なぜなら、法律に沿って、またお客様の期待に沿って、スーパースポーツカーを作る必要があるからです。この2つは必ずしも同じではありませんが、一致させなければならず、わたし達はこの挑戦に期待しています」

ランボルギーニは4番目のモデルラインとして2+2のグランドツアラーを追加することを検討しており、そのモデルをEVのみにする可能性もある。

ヴィンケルマンは、「焦点は既存のモデルとその次世代にある」としながらも、「わたし達の成功と市場分析を考えると、第4のモデルは、ランボルギーニのようなブランドにとって非常に可能性のあるものだと思います」と付け加えた。

Q&A ランボルギーニCEOインタビュー 

ランボルギーニのCEOであり、ブガッティの社長も務めるステファン・ヴィンケルマンへのインタビュー内容をお届けする。

ヴィンケルマンは2005年から2016年までランボルギーニを率いてきた。その後、同じフォルクスワーゲン・グループ傘下のアウディ・スポーツやブガッティを経て、2020年12月、前任者のステファノ・ドメリカリに代わり、4年ぶりとなるCEO再任を果たした。

――ランボルギーニに戻ってこれて嬉しいですか?

「戻ってくることができてとても嬉しいです。わたしのレセプションは信じられないものでした。工場に入ったときにはスタンディング・オベーションがありました。とても感動的でした。しかし、これは初日のことであり、その後は現実に戻らなければなりません」

――2020年の成功の要因は何だと思いますか?

「1つは、わたし達が危機に対して非常に強いということです。ブランド力が高く、完璧なイメージを持っています。製品も非常に強力です」

「人々は、いわば拘束された時間の中で失っているものに対して、自分へのご褒美を求めていたのです」

――2021年はどのような状況になるのでしょうか?

「2020年末までに、今年の9か月間の生産分はすでに完売しており、1月と2月の受注台数とお客様への納車台数は、昨年の同じ月、つまりパンデミック以前の月を上回っています」

――ランボルギーニとブガッティの間で、どのように時間のバランスをとるのですか?

「忙しいですよ。テクノロジーのおかげで、パンデミック以降、わたしはオンライン・ミーティングのエキスパートになりました。4分の3をイタリア、4分の1をフランスで過ごしています。コロナは旅の助けにはなりません。絶えず計画を変更しています」

――2つのブランドを直接つなぐのはあなただけですか?

「現在は、わたしがシナジー効果を発揮していますが、明日には他の人が登場するかもしれません。これは両社にとって有益で実りあることです。限定的ではありますが、役に立つのであればわたしはやります」

ブガッティの未来はどうなるのか

フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディース会長は、ブガッティをポルシェとEVメーカーのリマックとの合弁会社にする計画を発表したが、ブガッティを完全に売却する可能性は否定した。

同グループは、ポルシェがリマックへの出資額を増やすという金融取引の一環として、フランスのハイパーカーメーカーであるブガッティの支配権をリマックに売却するという報道があった。ポルシェは最近、6040万ポンド(約9060億円)でリマックへの出資比率を15.5%から24%に引き上げている。

ディースは、ブガッティの責任は現在ポルシェに移されており、その後、リマックとの合弁会社の設立について検討すると述べている。ステファン・ヴィンケルマンは、ランボルギーニでの新たな役職と並行して、ブガッティの社長を継続する。

ディースは次のように語っている。

「ブガッティをリマックに譲渡するというのは事実ではありません。ポルシェは現在、リマックとパートナーシップについて協議中であり、この件はポルシェが対応することになります」

「全体的なことはまだ確定していません。わたし達が目指しているのは、ブガッティの責任をポルシェに移行することであり、ポルシェはおそらく、リマックとの合弁企業を設立することになるでしょう」

ブガッティの合弁会社運営について、ポルシェとリマックが対等に参加するかどうかは明らかになっていない。

ディースが合弁会社の設立計画を発表する前に、ヴィンケルマンはAUTOCARに対し、ブガッティが第2のモデルラインとしてEVを追加する計画は無期限に保留されていると語っていた。

「アイデアがあるのは確かで、ビジネスケースもあったのですが、パンデミックが発生したため、昨年の初めに第2のモデルラインのアプローチと分析を中止しました。以後、何も計画しておらず、成功する可能性があるのに残念です」

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みんなのコメント

15件
  • こんなの買う人は気にしてないのに、この手の車にもエコカー減税。
    そのくせ年間1000キロも走らないクラシックカーは増税。
    日本って、本当にどうかしてる。
  • V12でハイブリッド。これはエコカーなのか?
    二酸化炭素排出量を抑えるなら、ハイブリッドでなくても、排気量小さくすりゃあ良いだろ。
    それは違うんだろうな。やっぱり、ランボはまだガソリンオンリーでお願いしたいが、無理なんだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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