多岐にわたるカスタマイズが可能な欧州ワークスモデル
欧州ワークス系といえば、メルセデス・ベンツのAMG、BMWのM、そしてアウディのRSなど、ノーマルと比べてエンジンパフォーマンスを一気に引き上げ、さらにユーザーの好みに合わせた徹底したカスタマイズに定評がある。
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一方、国産の日系ワークス系は、GRヤリスや、日本での販売に期待がかかるGRカローラなど、かなり尖ったモデルも最近になってやっと出てきたが、概ねライトチューニングで内外装をアレンジしたような仕様が主流だ。なぜ、そうした違いがあるのだろうか?
元々距離を置いていたダイムラーとAMG
そもそも、欧州系ワークスの代表格であるAMGは、ダイムラー(メルセデス・ベンツ)とはまったく別のプライベーターとしてレースに参戦。その後に独立系チューナーとして、日本を含めたグローバルでその名を轟かせていた。
当初、ダイムラーとしては、AMGに対して“一定の距離”を保って接していた。ところが90年代半ば以降、ブラバス、ロリンザー、カールソンというメルセデス・ベンツチューニング御三家が登場し、プレミアム系チューニングという領域が一気に拡大した。
そうした時代変化を、ダイムラーは自社の新たなるビジネスチャンスとして捉えて、AMGを完全内製化する決断を下した。
AMGに対抗するべくスポーティ路線を追求したBMWやアウディ
こうしたダイムラー・AMGの動きに対して、そもそもメルセデス・ベンツに比べてスポーティ性を強調したブランド戦略を打ってきたBMWとしては、Mの拡充によってAMG対抗図式を明確化させていく。
そこに、フォルクスワーゲングループが、フォルクスワーゲンのR、アウディのSというスポーティブランド戦略を強化するという動きになった。このような90年代後半から2000年代初頭にかけて起こった、ドイツでのワークス系の変化を、筆者はドイツ各地で詳細に取材してきた。
日本のプレミアムブランドはアメリカで80年代後半に続々誕生
同じころ、アメリカでは日系プレミアムブランドが新たなる方向性を模索していた。アキュラ、レクサス、インフィニティは80年代後半に相次いで誕生し、90年代後半からは欧州プレミアム系とともに、当時はまだアメリカ市場に特化したモデルであったSUVラインアップの拡充に乗り出していた。
これと同時に、AMGやMの動きと、米デトロイトのプレミアム系のハイパフォーマンス化の戦略にも注意を払いながら、日系プレミアム系としてのハイパフォーマンスモデルの方向性を探っていたのだ。
結果的に、ハイパフォーマンス系を強化したのは、レクサスのFのみ。アキュラとインフィニティはそれぞれ社内でさまざまな協議があったが、ライトチューニングにとどめるということになった。
国内ではモータースポーツ色の濃いブランドが展開するも……
一方、国内向けのスポーツブランドとして、トヨタ・TRD(当時)、日産・NISMO、ホンダ・無限、スバル・STI、三菱・ラリーアートなどがあった。各社の設計に対する車内規定や、本社との事業における関係性、さらに販売店での対応など、さまざまな要因を加味して、GT-Rなど一部を除いてハイパフォーマンスの度合は抑えめという姿勢を維持してきた。そうしたなかで、トヨタ・GRは日系メーカーとしてはかなり攻めているというイメージを持つ人が多いと思う。
いずれにしても、欧州プレミアム系ワークスの迫力はかなり大きい。ただし、これから世の中がBEV(電気自動車)シフトしていくなかで、日系と欧州系のワークスの対抗図式が大きく変わる可能性も否定できないだろう。
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