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アルピーヌF1『A524』:限界に達した昨年型を離れアグレッシブに全体を再設計。重要変更点のひとつはサスペンション

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アルピーヌF1『A524』:限界に達した昨年型を離れアグレッシブに全体を再設計。重要変更点のひとつはサスペンション

 BWTアルピーヌ・モータースポーツは、2月7日、2024年モータースポーツプログラムの発表会をイギリス・エンストンのファクトリーで開催、2024年型F1マシン『A524』を披露した。当日は、モータースポーツ担当副社長でBWTアルピーヌF1チームの代表のブルーノ・ファミンがプレゼンテーションを行い、レースドライバーのエステバン・オコンとピエール・ガスリー、リザーブドライバーのジャック・ドゥーハンも登場。テクニカルディレクターのマット・ハーマンが、『A524』の“攻撃的なデザイン哲学”についての洞察を提供した。

 ローンチには、ルノーグループCEOであるルカ・デメオ、アルピーヌCEOフィリップ・クリーフも同席し、ルノーグループの、アルピーヌブランドを通じたモータースポーツへのコミットメントを強調した。

【ギャラリー】アルピーヌF1 2024年型マシン『A524』カラーリング

 2024年のマシンカラーリングについて、アルピーヌは、現代アーティストのフェリペ・パントンとのパートナーシップからインスピレーションを得たと説明している。昨年までのアルピーヌ・ブルーをベースにしたものから、ブラックのベースにブルーとピンクがハイライトとして配置されたデザインに変更された。タイトルパートナーシップの3年目に入った水処理会社BWTのピンクを強調したカラーリングのマシンは、今年も登場する予定となっており、24戦中8戦で走ることが明らかにされた。

 アルピーヌは『A524』のシェイクダウンを2月20日に行い、その後2月21日から23日までのバーレーンでのプレシーズンテストを経て、1週間後の開幕戦バーレーンGPに臨む。

 2023年のアルピーヌは、マシンにおいてもエンジンにおいてもパフォーマンスが不足。シーズン途中には、CEO、チーム代表、スポーティングディレクターらが離脱し、大幅な体制変更が行われる事態となった。その結果、ブルーノ・ファミンは昨年“暫定チーム代表”に就任したが、現在は“チーム代表”と紹介されている。

 テクニカルディレクターのマット・ハーマンは、ニューマシン『A524』について次のように語った。

「『A524』のアプローチは、積極的であり、マシンのパフォーマンスを高めるための余地を広げようとしているという点で意図的である。結果に焦点を当てるより、学び取ったことに焦点を当て、それに反応することに真剣に取り組んでいる」

「このプロジェクトは大胆で、マシンに追加することを目指しているコンセプトの実現に焦点を当てている。可能なときにパフォーマンスを向上させるための強固なプラットフォームを構築し、それを実現するための目標を設定した」

「いくつかの要素を限界まで追求し、場合によってはそれを超えた部分もある。それはすべて我々のアプローチと一致しており、このプロジェクトを最良のレベルに進展させるためにそれを達成しようとしている」

 具体的な変更点について、ハーマンは次のように説明した。

「シャシーを完全に再設計し、新しいリヤサスペンションシステムを導入、フロントサスペンションを最適化し、新しい排熱システムを統合、各グランプリでより効率的に動かせるようにすることを意図している」

「ブレーキシステムについても多くの作業を行った。システムを通じて熱を伝達する際に抽出できるパフォーマンスがあるため、特に、ブレーキの熱管理の面に焦点を当てた」

「もちろん、今のF1マシンにとって、フロアはパフォーマンスにおける大きな差別化要素である。そのため我々はその領域での開発において積極的なアプローチを選択し、さまざまなコンセプトを網羅し、自己表現を行った。また、マシン前部での気流の管理のために、フロントウイングとノーズにも変更を施している」

「我々は目標を限界まで押し進めた。一部の目標到達においては妥協があったとしても、これらの変更を加えることで、今後2シーズンにわたりパフォーマンスを追加するための余地を広げることができる。チーム全体のあらゆる領域で、このダイナミックな開発を進めていかなければならない」

 ハーマンは『A524』は2023年型とは全く異なる「完全に新しいマシン」であると述べた。

「2024年型マシン『A524』には、多数の大きな変更が施された。A523のパフォーマンスは可能な限り引き出したので、『A524』は前から後ろまで完全に新しいマシンである。このマシンにおいて進むべき主要な空力コンセプトを厳密に分析し、より多くの空力的自由度を探求、これらのコンセプトを最大限に引き出すために改善を行った」

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