ランボルギーニ ウルスSEが早くも日本に上陸
2024年4月24日に北京国際モーターショーでワールドプレミアされたランボルギーニ「ウルス」のプラグインハイブリッド版、「ウルスSE」のジャパンプレミアが、早くも5月23日に東京・六本木の「THE LOUNGE TOKYO」にて行われました。「レヴエルト」に続くランボルギーニ第2の量産PHEVとして、そして大ヒット作ウルスとしてはもっとも大規模なブラッシュアップが施されたウルスSEを紹介します。
6年目にしてPHEVへ! ランボルギーニ「ウルスSE」は「ペルフォルマンテ」と「S」のいいとこ取り!?「北京国際モーターショー」でワールドプレミア
800馬力のPHEVがヴェールを脱ぐ
ランボルギーニの提唱する「コル・タウリ(Direzione Cor Tauri)」戦略に基づき、量産モデルとしては「レヴエルト」に次ぐ第2のプラグインハイブリッドとなった「ウルスSE」だが、ランボルギーニ史上最高のヒット作となったウルスがドラスティックな進化を果たしたことは、とても大きな意味があるといえるだろう。
この日のプレゼンテーションに登壇した、ランボルギーニ・ジャパン代表のダヴィデ・スフレコラ氏は、冒頭で以下のようなコメントを発した。
「全世界で生産されるクルマの中で、ランボルギーニの占める割合は0.001%に過ぎませんが、私たちが持続可能な社会に向けて電動化を図ることには、大きなインパクトがあると確信しています。でも、ウルスSEは単なるダウンサイジングではなく、パフォーマンスとサステナビリティの双方を、高いレベルで両立させることを目指しました」
新生ウルスSEは、従来型「ウルスS」、「ウルス ペルフォマンテ」と同じ排気量4LのV8ツインターボエンジンを最高出力620ps(456kW)/最大トルク800Nmに設定。これに最高出力192ps(141kW)/最大トルク483Nmの電動パワートレインを組み合わせる。これらを合算すれば、本システムによる総出力は6000rpmで800ps(588kW)、また総トルクは1750~5750rpmで950Nmという、歴代ウルス史上最高の数値を獲得するに至った。
その結果、0-100km/h加速は従来型ウルスSよりも0.1秒速い3.4秒、最高速度も7km/h速まって312km/hに達した。しかもそのかたわらで、喫緊の課題であるCO2排出量は、従来の純ICEバージョンに比べて最大80%の軽減を果たしたとのことである。
25.9kWhのリチウムイオン電池は、トランクルームの床下、電子制御式リア・デファレンシャルの上部に配置されている。8速オートマチックトランスミッション内に搭載した永久磁石同期電気モーターは、内燃エンジンとともに動力として、あるいはトラクションのエレメントとして機能する。
くわえて、従来のウルスでは6つのモードから選択できたドライブモード制御システム「ランボルギーニANIMA」は、PHEV化にあたってEVとハイブリッドに対応したモードが加わり、最大11モードまで拡大。新たな「EVドライブ」モードでは電気モーター100%の4輪駆動車となり、最大80kmのEV走行を可能とするという。
史上もっとも美しいウルスを目指して
ランボルギーニ ウルスは2016年のデビュー以来、エクステリアやインテリアの意匠を大きく変更させることはなかった。しかしウルスSEでは初めてデザインの枠組みを転換させた、新しいスタイリングを再定義したという。この新デザインはフォルムのダイナミクスを際立たせ、スポーティさと逞しさを強調。
フロントセクションの特徴である切断ラインのない新しい流線形のフードは、一体感のある印象を与えるとともにスポーティなスタイルを一段と引き立てることで、ランボルギーニ最新のスタイリングコンセプトを体現したものとなっている。
また、マトリクスLEDテクノロジーによって表情を新たにしたヘッドライトクラスターに、ブランドのアイコンである闘牛の「しっぽ」からインスピレーションを得たという新ライトシグネチャーの採用。あるいは再デザインされたバンパーとフロントグリルなども、新しいエレメントとして盛り込まれている。
いっぽう、リアハッチゲートは一からデザインを見直し、名作「ガヤルド」から発想を得た一体型デザインを採用。テールランプのクラスターに「Y」字型ライトと新しいリアディフューザーを繋げることで、よりスポーティなプロポーションとしつつもランボルギーニのDNAを強調した。
スフレコラ代表いわく「史上もっとも美しいウルスとすること」を目指したとのことで、たしかに目前のウルスSEを見ると、その目的は確実に達成されたかに映った。従来型ウルスでは、フロント、リアともにエッジを強調したデザインとしていたが、ウルスSEは柔らかい面構成となり、格段にエレガンテ。これも筆者の個人的な感想だが、かつて「ミウラ」を創りあげたランボルギーニならではのエッセンスが感じられたのだ。
キャビンはよりスリムなデザインに
そしてキャビンについても、現代ランボルギーニを象徴するインテリアデザインDNA「Feel Like a Pilot」が際立つようにリニューアル。ダッシュボードのフロント部分全域に新たなソリューションを取り入れ、よりスリムなデザインになった。
新生ウルスSEのデリバリーは2025年以降の予定ということで、日本市場における車両販売価格は現時点では暫定ながら、目安としては「3150万円くらいから」とのことである。
また、この発表会の前日に発信されたプレスリリースで伝えられたように、「ウラカン」後継車となるミッドシップモデルのデビューも2024年後半に迫っているとのことで、ランボルギーニおよびコル・タウリ戦略からは目が離せないようだ。
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