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新型スズキ・ジムニー・シエラに試乗 海外の評価「イメージと実力に差」

掲載 更新
新型スズキ・ジムニー・シエラに試乗 海外の評価「イメージと実力に差」

もくじ

どんなクルマ?
ー チャーミングな容姿に誤解しないで
どんな感じ?
ー 我慢を強いられる一般道
ー 居心地は良いが、ウルサイ車内
「買い」か?
ー ONとOFF、両方見なければわからない
スペック
ー スズキ・ジムニー・シエラSZ5 1.5のスペック

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どんなクルマ?

チャーミングな容姿に誤解しないで

ソーシャルメディアの反応を見ると、新しいスズキ・ジムニー・シエラの評判は良い。可愛らしく、活気に溢れ、レトロチックながら魅力的。オールドスクールな雰囲気の評価が高く、2018年に発売されたクルマの中でも、素晴らしい1台だと受け止められているようだ。

ジムニー・シエラの紹介には、「熱烈な支持者がいる」「チャーミング」といったワードが自動車メディアで用いられているが、少し誤解を招くのではないかと感じている。おしなべて高評価な記事ばかりで、読者は飽きてしまっているかもしれないが、新型ジムニー・シエラの基本を少し振り返っておこう。

ジムニー/ジムニー・シエラの新型はかなり珍しく、先代モデルは20年にも渡って販売されてきた。かといって、新型のスタイリングがさほど新しく感じられないとしても、このクルマの場合は問題ではない。イメージやキャラクター性ばかり目に行きがちだが、それは置いておこう。

堅牢なラダーフレームのシャシーに、3リンク・リジッドアスクルの脚まわり。102psを発生させる自然吸気の1.5ℓガソリンエンジン。素晴らしいとはいいにくい、英国の道路網にも対応させるための構成だ、というのは皮肉過ぎるだろうか。実際、どんな走りを見せてくれるのか、確かめてみよう。

どんな感じ?

我慢を強いられる一般道

正直、舗装路での走りにおいては、かなりお粗末だといわざるを得ない。必要な性能に欠いている。このキュートな外観は、A地点からB地点への移動手段として、我慢を強いられることを和らげるためのものなのかもしれない。といっても、20kmも耐えられないかもしれないけれど。

低速域では、路面の剥がれや補修跡などをいなせず、かなり安定性に欠けている。おそらくガラスのように滑らかな路面であっても、落ち着いた乗り心地にはならないのではないか、と心配するほど。速度を上げていくごとにやや穏やかな挙動になるが、100km/hを超えてくると、タイヤが中に浮いているような感覚に時折襲われてしまう。

コーナリングも褒められたものではない。背が高く、角ばったボディということもあって、ボディロールは大きい。ただし中速域での進路変更は、動的性能が部分的に引き出され、想像よりも優れてはいる。この際の荷重移動は斬新的なものではなく、1090kgの荷重が外側の車輪へ一気にかかるような印象すらある。嵐の海の中で揺さぶられる小舟のようなマナーだ。

ステアリングは軽く、レスポンスも鈍いが、ペダルのすぐ前のフロントタイヤがどんな状況なのか、伝わっては来る。フロントタイヤのグリップ力は決して高いとはいえないから、この感覚はありがたい。少しペースを速めるだけで、簡単にアンダーステアに陥ってしまうのだから。

居心地は良いが、ウルサイ車内

走行パフォーマンスは高いとはいえず、走行ペースもさほど速くはないから、曲がりきれずに脱輪してしまうようなことはないだろう。しかも少し大げさなほど、トラクション・コントロールの介入も早く、強制的に感じられる。

頻繁に長距離を走る機会が多いドライバーにとって、ジムニーのパワートレインは物足りないものなはず。スピードや変速の忙しさはさほど問題ではないかもしれないが、洗煉製の部分では不満が残る。エンジンノイズが盛大に車内に届いてしまうのだから。

英国の高速道路での走行スピード、112km/hに達すると、エンジンは激しく回転し発生するノイズも盛大なものになる。車内全体に鳴り響き、共鳴する音の波が、鼓膜を打ち破ってしまうのではないかと心配してしまう。車内空間自体の居心地は悪くないから、かなり残念だ。

全高自体は1.7mとさほど高いわけではないが、シートポジションは高くランドローバーのようなコマンドポジションが取れ、視界も優れている。ボクシーなスタイリングのおかげで、全方向で視認性も良く、車両感覚もつかみやすい。インフォテインメントシステムを除いて、操作系はシッカリしており、扱いやすい。オフロードにおいて、運転しやすい環境にしようと努めていることは明確だろう。

ジムニーのホームグラウンドは、あくまでもオフロードなのだと、実感させられる。

「買い」か?

ONとOFF、両方見なければわからない

荒れた大地や土埃の舞う農地での利用目的がないのなら、ジムニーを購入しても、アピアランスから抱いてしまう素敵なカーライフのイメージは長続きしないだろう。現代のコンパクトカーのような、一般道での使いやすさ、走りやすさを期待してはいけない。

その反面、舗装路でのパッとしないインプレッションだけで、ジムニーを評価してしまうことも、正しくはない。泥だらけの路面や岩場での走破性など、オフロードにおける走りを評価してこそ、ジムニーの真価を表すことができると思う。

もちろん、その機会もしっかり準備しているから、期待していて欲しい。

スズキ・ジムニー・シエラSZ5 1.5のスペック

■価格 1万7000ポンド(251万円・予想)
■全長×全幅×全高 3550×1645×1730mm
■最高速度 144km/h
■0-100km/h加速 12.0秒(予想)
■燃費 12.6km/ℓ
■CO2排出量 178g/km
■乾燥重量 1090kg
■パワートレイン 直列4気筒1,462cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 102ps/6000rpm
■最大トルク 13.1kg-m/4000rrpm
■ギアボックス 5速マニュアル

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