トヨタ、2025年全日本ラリーへ向け体制拡大。DAT搭載GRヤリスのJN-2出走や、平川真子起用を発表

　12月25日、トヨタ・ガズー・レーシング（TGR）が2025年のモータースポーツ活動計画を発表した。そのなかでもJRC全日本ラリー選手権ではTOYOTA GAZOO RacingｰWRJの活動として、JN-2クラスのサブカテゴリ―であるMORIZO Challenge Cup（MCC）にて、これまでのGRヤリスMTに加えて高性能スポーツ8速AT（GR-DAT）を搭載するGRヤリスの市販モデルを出走させることを明らかにした。

　2024年より若手育成を目的として導入されたMCCは、JN-2クラスの車両規定をベースとしたトヨタGRヤリスで争われ、全8戦内で25歳以下（一部条件付きで29歳以下）のドライバーを対象に争われる。上位入賞者にMCC独自のポイントが与えられ、シリーズ年間成績優秀者には、フィンランドのトヨタ・ガズー・レーシング・ワールド・ラリー・チーム（TGR-WRT）における講習への参加権利が付与される選手権だ。

　迎える2025年では、TGRは従来のGRヤリスMTに加え、これまでJN-1クラスで走行および開発を進めてきた次世代スポーツ自動変速機（DAT）を搭載するGRヤリスでも参戦をスタートすることを決めた。

　そして、使用マシンだけでなくチーム体制としても変化があり、昨年までTGRドライバーを務めた眞貝知志を新監督に据え、社員を中心としたエンジニアおよびメカニックを中心とした運営で人材育成を実践していくという。

　さらにチームに所属するドライバーについても発表が行われ、どちらのマシンを駆るかは定かではないが、大竹直生／橋本美咲組、平川真子／竹原静香組の起用が明らかになった。

　大竹は、WRCチャレンジプログラムの2期生出身でもあり、2024年のMCCにもTOYOTA GAZOO RacingｰWRJのドライバーとして参戦し、さらには世界各地域のラリーを学ぶために現地トヨタチームとの協力でオーストラリア・ラリー選手権（ARC）の第4戦『ギップスランド・ラリー』ではクラス3位、総合7位で完走を果たした。

　そして、今回新たに加入が決まった平川は、これまで全日本ラリーのJN-5クラスやKYOJO CUPなどで活躍してきた女性ドライバーだ。また、現在WEC世界選手権でトヨタのレギュラードライバーとして戦い、F1ではマクラーレンのリザーブドライバーを務めている平川亮の妹でもある。

　2024年は、KYOJO CUPでの表彰台獲得やJAF九州ラリー選手権RH3クラスで王座に輝いているほか、　2024年WRC世界ラリー選手権の第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2024』においてはJR3クラスで優勝を飾る活躍を見せた。

　監督やマシン、クルーと新たな要素が多く集まることとなった2025年のTOYOTA GAZOO RacingｰWRJ。実力者揃いの体制でどのような戦いを見せるのか、開幕戦から注目の存在になりそうだ。

■2025年TGR 全日本ラリー参戦体制
チーム名TOYOTA GAZOO Racing - WRJ車両／クラスGR YARIS MT／JN2（MORIZO Challenge Cup）GR YARIS DAT／JN2（MORIZO Challenge Cup）エンジン1.6L直列3気筒インタークーラーターボ駆動方式スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”ドライバー／コ・ドライバー大竹直生／橋本美咲平川真子／竹原静香