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ファンティック「キャバレロスクランブラー500デラックス」試乗!躍動感あるデザインと刺激的な加速!  

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ファンティック「キャバレロスクランブラー500デラックス」試乗!躍動感あるデザインと刺激的な加速!  

ピックアップの良い加速

スリムなタンクと張り出したゼッケン風のサイドカバー。そこからテールにかけて右側に2本揃えたサイレンサー。フロントに目を移すと攻撃的な倒立フォーク……パッと見ただけでも躍動感を感じさせるデザインを持つ、キャバレロスクランブラー500。

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※以下「■~」は写真の説明文。写真は「画像フォルダー」にまとめてあります。

■「CABALLERO Scrambler 500 DELUXE」

■タンクからシート上面へのスッキリしたつながりが特徴的だ。

■走りは軽快で、中速からのダッシュが小気味よい。国産エンジンとはひと味違った、やや荒削りながらパンチ感のあるシングルエンジンが楽しい。

■段差がなく、シッティングポジションの自由度が高い。ライダーは前後左右へと、路面状態と相談するように動きやすい。

■オーバルコースのストレートでスロットルを開け、「ダッシュ!」の雰囲気を味わう。

■爪先寄りの母指球付近で足裏をステップに乗せた状態。上体が起きてリラックスできるポジションがとれる。

■身長168cmの著者が跨ると、足着きは爪先がやや余裕を持って地面に着く感じ。サイドカバーの張り出しで太ももが開くぶん、キャバレロ700よりも足着きは少し厳しい。

エンジンをかけてみると500のシングルエンジンにあってピックアップが良く、それでいて不快な振動を感じさせない、今風のシングルエンジンであるとの印象を受ける。
以前、ハイパーなシングルエンジンを搭載した輸入モタード数機種を比較したことを思い出すのだが、キャバレロはハイパワーを発揮する“造り”のわりには、それらのような硬質な振動を見せることはない。
名称に500とあるものの実際の総排気量は449ccとのことなので、実質的には450ccとも言えるため、500~600ccクラスのハイパーシングルの凶悪なパンチ感まで至らないのは当然かもしれない。だが、市街地を含めた一般道においては逆に、ほどほどの、ちょうどいいパンチ力とも言えそうだ。同時期に試乗したキャバレロ700と比較しないで言うならば、500は十分に刺激的な加速性を見せてくれる。

■中回転域からの吹け上がりがライダーを高揚させるエンジン。

■左側から見たエンジンは、ヘッド周辺も含めてスッキリしている。

■タンク上面にアクセントを取り入れ、シートは先端が絞られていてスリムだ。 左右のサイドカバーのボリュームがよく分かるショット。

■BYBREのラジアルマウントキャリパーを採用したフロントブレーキ。ファンティックのロゴが刻印されたフォークとフェンダーステーの接続が洒落ている。

少しだけ気になったのは、ゴー&ストップの多い渋滞の中で発熱量の多さが感じられたことと、過熱気味になるとエンジンが止まることがあった点。
夏場に乗るときは、渋滞の中で停めたままにするのは避けた方がいいかもしれない。せっかくの元気の良いエンジンなのだから、筆者が所有するとしたら道が空いている時間帯や場所を選んで気ままに乗って楽しみたいと感じる。
キャバレロ500を長く愛用するのであれば、オイルの交換や管理もマメにするのがよさそうだ。パワフルでありながら、デリケートそうな面もある。

■断面形状に工夫のあるスイングアームと、フロント同様BYBREのリヤキャリパー。ディスクローター外周のカットがユニーク。

■シートとサイドカバーの位置関係、そこからサイレンサーへのつながりはまとまりのあるのもで、側面ラインの流れがきれい。

■スッキリとしたメーターとインジケーター。車速は見やすい。

■シンプルなリヤホイール左側。タイヤはやや舗装路重視のようだがフラットダートも走りやすい。

剛性感ある倒立サス

ステアリングの反応はステップワークや体重移動に対し素直な反応を見せる。ダートを少し走らせてみてスタンディングの姿勢をとってみると、足元に少し違和感を感じた。左右の張り出したサイドカバーの膨らみによるものだ。
良い点は、スタンディングで強めの加速をしてもふくらはぎがそこに引っ掛かり、下半身が置いてけぼりになることを防いでくれそうな安堵感があったこと。
ステップに置く足の位置が爪先寄りのライダーではそれが顕著に出るかもしれない。土踏まずでステップを踏むようにしてみるとその現象は低減し、シートに座る位置を前後に自由に変えて走りたいとき、膝から下の自由度が増す。

■スイッチが可愛らしいハンドル右側のスイッチユニット。ABSの切り替えスイッチも右側。

■ホーンボタンの形状が個性的な左側のスイッチユニット。

■小振りなパーツ構成でまとめられた、個性的なテールランプ周辺とウインカー。

■ヘッドライトの構成がSFチック?

■夜間の走行では主張を感じさせる。

■ハイビーム状態。

フロントサスは新車時からよく動くようで、太い倒立サスらしい剛性感も感じさせてくれる。路面のギャップやワダチなどの外乱にも強い。オンオフ兼用的なピレリのタイヤはドライ路面やフラットダートで好感触、グリップ力に安心感がある。ブロックパターンのピッチが大きく区切りがストレート気味な外観なので、ウエット路面での排水性やグリップも確認したかったのだが、今回は叶わなかったのが悔やまれる。状況が許せばテストしてみたい。
最後に、個人的な好みの話だが、軽量な車体を振り回して楽しむにはハンドルの幅を自分の肩幅に合わせて少しカットするのもいいかもしれないと思われた。楽しいバイクだ。

■キャバレロ500と700の、タンク周辺の対比。500(手前側)は丸みを帯びたラインで構成される。

■郊外を軽快に走るキャバレロ500。ハンドルプロテクターはブラウン系で落ち着いた色調。

■クロニクル松戸から数km南下すると「矢切の渡し」があり、付近に「野菊の小径」という散策コースがある。伊藤左千夫の名作「野菊の墓」にちなんだルートだ。そこでこの碑を見つけ、いったん通過したがUターン。出先で軽やかにUターンや停車がしやすい運動性は好ましい。

キャバレロ125の足着きが……

もうひとつ……余談だが、このキャバレロ500と同じ車体をベースに作られたキャバレロ125の中古車在庫がクロニクルにあったので、サンプル的に撮影をさせていただき、足着きも試してみた。
驚いたことに、シートがいちばん高く感じられたのは700(シート高830mm)、500(同820mm)ではなく、キャバレロ125(同820mm)だったのである。サスが思いのほか硬く、跨っても前後サスの沈み込みが少なかった。

■参考までに、500と同様の車体に125のエンジンを搭載したキャバレロ125を撮影。エンジンが軽くてサスが沈まないためか、足着きは爪先ツンツンになったのが意外。

○「CABALLERO Scrambler 500(DELUXE)」主要諸元&価格
エンジン型式 水冷4ストローク単気筒OHC4バルブ
総排気量 449cc
ボア×ストローク 94.5×64mm
最高出力 29kW(40PS)/7500rpm
最大トルク 43Nm(4.38kgf・m)/6000rpm
始動方式 セル式
変速機 6段リターン
フレーム クロームモリブデン鋼セントラルチューブフレーム
ブレーキ(前) φ320mmディスクブレーキ
ブレーキ(後) φ230mmディスクブレーキ
ABS 2チャンネルABS(ABSカット機能付き)
サスペンション(前) FANTIC FRS φ41mm倒立フォーク
サスペンション(後) FANTIC FRS プリロード調整可能
サスペンションストローク(前/後) 150/150mm
全長 2166mm
全幅 820mm
全高 1135mm
シート高 820mm
ホイールベース 1425mm
タイヤサイズ(前/後) 110/80-19 / 140/80-17
車両重量 150kg
燃料タンク容量 12L
カラー レッド/イエロー/グレー(DELUXE)
メーカー希望小売価格(消費税込み) 1,190,000円 1,300,000円(DELUXE)

レポート●小見哲彦 写真●小見哲彦/大田力也

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