トヨタ、2020年優勝車『TS050ハイブリッド』を特別展示開催中のル・マン・ミュージアムへ寄贈

　WEC世界耐久選手権に参戦しているトヨタGAZOO Racingは、2020年の第88回ル・マン24時間レースで、セバスチャン・ブエミ／中嶋一貴／ブレンドン・ハートレーによって勝利を収めた8号車TS050ハイブリッドを、ル・マン24時間レース博物館（ル・マン・ミュージアム）に寄贈した。

　ル・マン・ミュージアムは、ル・マン24時間サーキット（サルト・サーキット）の常設部分にあたるブガッティ・サーキットの正門脇に位置する。

　寄贈式はル・マン・ウイークの8月17日に行なわれ、村田久武TGR WECチーム代表と、ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長が出席した。館内ではル・マンにおけるトヨタの歴史を祝した特別展が実施されており、TS050ハイブリッドはこの展示の目玉となる。


　1000馬力、4輪駆動で、重量わずか895kgのTS050ハイブリッドは、究極のLMP1カーとして位置付けられ、2017年には小林可夢偉が3分14秒791、平均速度251.9km／hでル・マンにおける最速ラップを記録。また、2019年にはマイク・コンウェイが3分17秒297、平均速度248.6km／hで、決勝レース中の最速ラップを更新している。

　今回の特別展では、1985年に始まったトヨタのル・マン24時間レース参戦史における主要な車両が展示されており、来場者はトヨタの情熱と技術、悲しみと勝利を辿ることができる。

　来場者をまず出迎えるのは、トヨタが初期にル・マンに投入した、レイトンハウスカラーが目を引くグループCカー、86C。これは1986年に、中嶋悟／ジェフ・リース／関谷正徳がレースに出場した際の車両だ。

　トヨタが優勝候補として頭角を現してきた1990年代初頭の急速な発展を象徴するのは、グループCカーの最後を飾る1992年の伝説的なカシオカラーのTS010 33号車と、1994年にLMP1の新規則に合わせて改造された94CV 1号車。これらはいずれも2位入賞を果たしている。

　この1994年の2位入賞後、プロトタイプカーでのレースは中断されるが、来場者は空白の2年間を埋めたSupra LM 27号車を間近で見ることができる。

　展示の中で特にファンの人気を集めるのは、TS020だろう。TS020は、1998年と1999年にサルト・サーキットにおいて、疾走感あふれるスピードでレーシングファンを魅了した。来場者を待ち受けるのは、片山右京／鈴木利男／土屋圭市により2位に入賞した、1999年のTS020 3号車だ。

　2000年代に入り、ハイブリッド時代をリードした2012年デビューのTS030 HYBRID 7号車も展示されており、これに今回寄贈された2020年のTS050ハイブリッドが加わる形の展示となっている。

　今週ル・マン24時間レースに来場するファンは、入場券の特典として、特別展とミュージアムが無料で観覧できる。この特別展は、2022年2月20日まで行なわれている。

Comments

正直GR010よりTS050の方が好き

コロナさえなければ見に行けたのに・・・
絶対、コロナじゃ無ければ見に行ってたさ！
いや、ほんと、コロナでなければ(以下略)