現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 世界に43台の跳ね馬登場! 予想落札価格が1億円のフェラーリ「スーパーアメリカ」のトピックはフィオラヴァンティの回転式ルーフでした

ここから本文です

世界に43台の跳ね馬登場! 予想落札価格が1億円のフェラーリ「スーパーアメリカ」のトピックはフィオラヴァンティの回転式ルーフでした

掲載 2
世界に43台の跳ね馬登場! 予想落札価格が1億円のフェラーリ「スーパーアメリカ」のトピックはフィオラヴァンティの回転式ルーフでした

当時、最速のロード・オープン・ベルリネッタだった!

2024年1月31日、RMサザビーズがフランス・パリで開催したオークションにおいてフェラーリ「スーパーアメリカ」が出品されました。同車について振り返りながらお伝えします。

約2000万円! フェラーリ「550マラネロ」のクーペはバルケッタの約半分のお値段でした。12気筒FRの跳ね馬はお値打ちの1台です

わずか10秒で切り替えられるオープントップ

かつてピニンファリーナに24年間在職し、最終的にはデザイン・マネージャーの職を得るに至った、レオナルド・フィオラバンティ。彼がフェラーリのために残したさまざまな作品は、現在でも多くのファンの心を捉えて放さない。

1991年にピニンファリーナから独立したフィオラバンティが、2001年のジュネーブ・ショーで初公開したモデルが、自らのイニシャルをそのまま車名とした、アルファ ロメオベースのコンセプトカー、「LF」だった。

その最大の特徴はカーボンファイバー製のフレームに樹脂パネルを組み合わせた回転式のルーフパネルを採用していたことで、オープン時にもリアウインドウはそのまま残り、デフレクターとしての役割を担った。そしてフィオラバンティはこの回転式ルーフの特許を得たのである。

それから4年後の2005年。まさにそれと同じ回転式ルーフを持つモデルがフェラーリから発表される。そのワールドプレミアが、ロサンゼルス、あるいはデトロイトといったアメリカのモーターショーで行われたことからも明らかなように、そのメイン・マーケットはもちろん北米だった。

ベースとなったのは当時のV12ベルリネッタ、575Mマラネロだ。フェラーリは2001年にも550マラネロをベースに、ルーフには簡易的なソフトトップを持つのみというスパルタンな550バルケッタ・ピニンファリーナを限定で販売した経緯があるが、今回はオープンとクローズの両スタイルを、スイッチ操作によってわずか10秒で切り替えられるという、きわめて実用的なルーフを採用してきた。

ちなみにこのルーフは、クオーターピラーに内蔵された支点をベースに回転し、トランクリッド前方の格納スペースに収まる仕組み。またルーフ部のガラス濃度は、これもスイッチ操作で1秒以内に5段階で変化させることができる。

この回転式ルーフは、フェラーリによる正式な名称では「レヴォクロミコ」と名づけられているが、これは回転を意味するレヴォと、可逆的な色変化が可能であることを意味するクロミックから作られた造語である。

約1000万円以上の整備を受けオークションへ

レヴォクロミコを採用した最も大きな理由はやはりエアロダイナミクスにあり、ソフトトップを採用したモデルでは避けることができなかった空力面での不利を、この回転式ルーフは一気に解消してくれたのである。

もちろんその代償として、車重はベースの575Mマラネロと比較して60kgほど増加してしまったが、そもそもラグジュアリーな走りを求めるカスタマーが多い、このようなスタイルのクルマに、いかにフェラーリとはいえ、そこまで細かい運動性能の違いを語る必要はなかったのだろう。

ちなみにこのスーパーアメリカの最高速は320km/h以上。これは当時、最速のロード・オープン・ベルリネッタだとフェラーリは主張した。

フロントに搭載されるエンジンは、575Mマラネロのものと変わらない5.7LのV型12気筒自然吸気だが、最高出力は540psにまで引き上げられている。組み合わせられるトランスミッションに2ペダルのF1マチックと、オーソドックスな3ペダルの6速MTがあったのもこの時代の魅力。生産は2005年と2006年に限定599台で行われたが、今回パリ・オークションに出品されたのは、そのうち43台しか存在しない6速MT仕様である。

走行距離は1万5157km、マニュアルとツールキットはもちろん付属しており、新車でオーストリアに出荷されたこのモデルは、2023年2月にはフェラーリ・ディーラーで合計6783ユーロ(邦貨換算約1000万円)相当の整備を受け、今回のオークションに臨んでいる。

主催者のRMサザビーズはこれに60万~80万ユーロ(同9600万円~1億2800万円)の予想落札価格を設定したが、今回は残念ながらこのスーパーアメリカは落札に至ることはなかった。そもそもスーパーアメリカの新車価格は、ベースの575Mマラネロより25%ほど高い設定だった(およそ3000万円少し)。今後の売買成立には大いに期待したいところだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
くるまのニュース
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
VAGUE
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
WEB CARTOP
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
Merkmal
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
motorsport.com 日本版
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
レスポンス
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
AUTOSPORT web
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
乗りものニュース
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
くるまのニュース
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
くるくら
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
レスポンス
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
motorsport.com 日本版
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
WEBヤングマシン
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
Webモーターマガジン
スペーシア ギア vs N-BOX JOY!最新軽スーパーハイトワゴンのドッグフレンドリーポイント比較【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
スペーシア ギア vs N-BOX JOY!最新軽スーパーハイトワゴンのドッグフレンドリーポイント比較【青山尚暉のわんダフルカーライフ】
レスポンス
ホンダ新型「ステップワゴン」マイナーチェンジは間近!? 「エアロ」モデルの“押し出し”感もアップ? デビュー3年目で「どう変わる」のか
ホンダ新型「ステップワゴン」マイナーチェンジは間近!? 「エアロ」モデルの“押し出し”感もアップ? デビュー3年目で「どう変わる」のか
くるまのニュース
「ランボルギーニは皆が必要としてないが皆に欲しいと思わせるクルマ」…デザイン・ディレクターが語るファイティングブルのDNAとは
「ランボルギーニは皆が必要としてないが皆に欲しいと思わせるクルマ」…デザイン・ディレクターが語るファイティングブルのDNAとは
Auto Messe Web
角田裕毅、F1サンパウロGPで予選3番手:これまで予選トップ5を記録した日本人ドライバーは5人
角田裕毅、F1サンパウロGPで予選3番手:これまで予選トップ5を記録した日本人ドライバーは5人
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • furima-jirosan
    一昨年でしたか、黒のスーパーアメリカ(F1)が3500万で
    なんとヤフオク(!)に出品されておりましたな。
    もっともこれは、オークション会社との共同企画だった
    わけですけれど、ここでは落札ならず、その後買い手が
    ついたようですね。

    さすがにこんな超絶なクルマはおいそれと買えるものでは
    ありませんが、同じ回転式ルーフでしかもMT…というならば
    「ルノー・ウィンド」という手もあります。
    もう13年も前のクルマですが、まだ中古で入手可能のようです。
  • 孟宗竹なら布里井ダム
    アメリカのカスタムカー雑誌に昨年末掲載していたスーパーアメリカのレプリカが実に良く出来てました。
    ベース車はシボレーコーヴェット。
    マイアミバイスのデイトナスパイダーレプリカと同様にフェラーリ本社から訴えられるかも知れないので心配だね…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2688.02793.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1050.01680.0万円

中古車を検索
575Mマラネロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2688.02793.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1050.01680.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村