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トヨタ営業益8割減予想 新車販売で明暗分かれた!? どうなる国内市場の行方

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トヨタ営業益8割減予想 新車販売で明暗分かれた!? どうなる国内市場の行方

■3つに分かれる新車販売動向

 トヨタは、2020年5月12日に2020年3月期の連結決算を発表。それによると、2021年3月期の営業利益予想は前期比8割減の5000億円という見通しを明らかにしました。また、ホンダも同日に決算の概要を公表していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響を現時点において合理的に算定することが困難なことから未定としています。

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 では、直近の新車販売状況では、どのような変化が見られたのでしょうか。

 2020年5月11日に、日本自動車販売連合会は4月の販売台数を発表。同月の登録車販売台数ランキングでは、トヨタ「ヤリス」が1万119台を記録。なお、1万台を超えたのはヤリスのみで、2位のホンダ「フィット」以下は9000台を切る結果となりました。

 例年、1月から3月は正月セールや年度末の決算セールなどの販売戦略によって、クルマが多く売れる時期ですが、その反動で新年度最初の4月はあまり販売台数が伸びない傾向にあります。

 また、今年は2月下旬から新型コロナウイルスによって、販売店から客足が遠退いたほか、経済的な不安要素から買い控えする人も増え、新車販売に影響が出ているようです。

 では、2020年4月の前年(2019年4月)と比べるとどれほど落ち込んでいるのでしょうか。

 基本的に、新車販売はフルモデルチェンジやマイナーチェンジからある程度時間が経っているモデルであれば、前年比7割以上の販売台数を維持していれば好調だといえます。

 日本自動車販売連合会はTOP50を発表しており、それぞれのモデルでは、当該月に登録された台数と前年比を掲載しています。

 そのなかで、「前年比が7割以上」、「5割以上から7割未満」、「5割未満」といった3つのジャンルに分けてみると、7割以上だったのが13モデルとなりました。

 この13モデルには、フルモデルチェンジして商品力が復活したホンダ「フィット(132.5%)」やトヨタ「カローラ(91.1%)」などが含まれています。

 次に、5割以上から7割未満では18モデルが該当。スズキ「ジムニーシエラ(69.8%)」やトヨタ「パッソ(69.5%)」といった7割近いモデルから日産「セレナ(50.7%)」、トヨタ「C-HR(54.2%)」など5割近くまで落ち込んでいるモデルが含まれています。

 一概に、前年比や4月だけの台数で良し悪しを表すことはできませんが、例年のなかで落ち込みやすい4月における数字での前年比はひとつの指標になるといえます。

 最後に、5割を下回ったのは13モデルです。このなかには、2020年にトヨタ「ヤリス」に車名が変更された「ヴィッツ(7%)」といった特殊な例もありますが、特筆すべきはホンダのミニバン「ステップワゴン(31.7%)」です。

 今回の4月販売台数では、ステップワゴンを含め、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」やセレナなどのミドルクラスミニバンの台数が軒並み落ち込んでいます。

 これらのモデルに共通するのが、ファミリー層に支持されていたことが挙げられます。

 トヨタや日産の販売店スタッフは「ファミリー層の客足が遠退いたことにより、そのファミリー層から高い支持を受けているミドルサイズのミニバンの販売に影響が出ている」といいます。

 そのことを踏まえても、なぜステップワゴンは前年比が約3割まで落ち込んだのでしょうか。

 直近の販売動向について、ホンダの販売店スタッフは次のように話します。

「現在、当店では2020年2月に発売したフィットはコンパクトカーが新車効果もあり人気です。異なる5つのスタイルを設定したこともあり、幅広いお客さまから支持されています。

 また、同じミニバンの『フリード』は2019年秋にマイナーチェンジをおこない、デザイン変更やSUV風グレードの『クロスター』が追加されたことでこちらも販売好調です。

 あとは、軽自動車の『N-BOX』相変わらずの人気で、同社や他社と関係なく普通車から乗り換えられるお客さまが多いと思います」

※ ※ ※

 このように、好調なモデルがあることで販売現場では売れるモデルに注力することになります。そうすると、旬とはいい難いステップワゴンの販売台数は必然的に落ち込むのです。

■新車効果はどのくらいあった? 心配なマツダの販売動向

 今回の4月の販売台数において、2019年5月以降に登場した新型モデルや車名変更したモデルは前年比が出ていません。

 それらには、ヤリスを始め、トヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」、マツダ「マツダ2(旧デミオ)」、「マツダ3(旧アクセラ)」、「CX-30」があります。

 そのなかで気になるのが、マツダの新型モデルと既存モデルの販売バランスです。

 マツダ2は、車名変更とデザイン変更に留まっていますが、マツダ3とCX-30は旬な新型モデルです。しかし、TOP50の順位ではマツダ3が35位の964台、CX-30は27位の1278台と販売が伸び悩んでいます。

 さらに、心配なのがこれまで堅調な販売を見せていた「CX-5」と「CX-8」の動向です。両車ともに、前述のジャンル別では「5割未満」に該当するのです。

 CX-5は前年比47%の947台、CX-8が前年比42.5%の544台となり、この両車は2019年秋から冬にかけて商品改良もおこなっています。

 直近の販売動向について、マツダの販売店スタッフは次のように話します。

「現在、マツダにはCX-3、CX-30、CX-5、CX-8というSUVのラインナップがあります。2019年9月に登場したCX-30は、ちょうどいいサイズ感や価格以上の上質さなどがお客さまから好評です。

 そのため、CX-3より余裕があり、CX-5同等の上質さを持ちつつも価格がお求めやすいとなると、必然的にCX-30を検討される人が多くなり、結果としてCX-3とCX-5が押されています」

※ ※ ※

 従来、同じSUVジャンルのラインナップを拡充する場合、どれかひとつが販売の主力になるのが望ましいです。しかし、現在のマツダでは新型モデルと既存モデル共に落ち込み気味というのが心配でなりません。

 新型コロナウイルスが新車販売に影響するのは5月の実績だといわれていますが、今回の4月の浮き沈みが5月でどのように変化しているのか注目したいところです。

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みんなのコメント

2件
  • 今年の数字を前年比で見たってしょうがないだろ。せめて前々年比で見たらどうだ?もっとも株主は既に了解済みの話だから騒いでもしょうがないけどね。
  • トヨタまでは勘弁してよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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