扱いにくいは過去の話……最新チューニングパーツの常識とは
何かを手に入れるのと引き換えに失うモノがある。昔のチューニングカーはまさにその通りで、速さの代償として快適性が損なわれていった。もっともユーザーは乗りにくさを覚悟のうえでイジっていたし、そんな気難しいクルマを操れるのは自分しかいないという、一種のステータスを感じるケースすら珍しくなかったのだ。しかし愛車を自由にカスタムするのが当たり前となった現在、チューングパーツやセッティングの技術が著しく進化したことで、速さと快適性は必ずしも二律背反するとは限らなくなっている。そんな代表的なパーツやメニューを紹介しよう。
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今は扱いやすいチューニングメニュー01:「タービン交換」
まずはエンジンパワーアップ系でタービンを交換した場合から。昔は低速トルクがスカスカになったり燃費の悪化、ブーストの立ち上がりも唐突になることが多かった。しかし近年では制御系、すなわちECUが高性能化したり、レスポンスに優れたタービンが増えた影響もあり、以前のようにネガティブな話を聞くことは少ない。排気量に見合わないサイズのタービンだったり、吸排気系とのマッチングがよほど悪くなければ、チューニングの美味しい部分だけを享受できるはずだ。
今は扱いやすいチューニングメニュー02:「強化クラッチ」
パワーアップとセットで考えられていた強化クラッチも、昔は重いうえ半クラが使えないなどと散々な言われようだった。渋滞で足がつりそうになったり坂道発進で冷や汗をかいた、なんて苦い記憶を持つ昔からのチューニングカー乗りも多いことだろう。
そんな街乗りしにくいパーツの代名詞だった強化クラッチも、最近では大パワーや激しい走りにシッカリ適応しながら、軽く半クラも使える夢のような製品が多くなっている。ダートラやジムカーナなどで人気が急上昇している『セラメタ』の強化クラッチは、メタル製でありながらノーマルと勘違いするレベルの扱いやすさを実現しており、競技会場やサーキットまで自走しても疲れないなど、ユーザーから絶賛されている。
今は扱いやすいチューニングメニュー03:「ローダウン」
サスペンションチューニングでは、ローダウン=乗り心地が悪くなるのは当然だったが、それはサーキット用やレース用の車高調しかなかった時代の話。今やワゴンやミニバンのようなカテゴリーだけじゃなく、スポーツカーでも快適性とスタイリングを両立した車高調は多くある。走りを重視する車高調もコントロール性や疲労の軽減を考慮し、昔のようなゴツゴツした乗り味の製品はもはや少数派だ。ノーマルの足まわりが硬めなクルマでは、社外品のほうが快適という声すらあるほどだ。
今は扱いやすいチューニングメニュー04:「ロールケージ」
ロールケージも「乗り降りしにくいし、荷物も積めない」と、昔のマイナスな印象を引きずっている人が多いパーツだ。街乗りに使うことのないレース車両であればかまわないが、ナンバー付き車両を前提とした『サイトウロールケージ』では、パイプをフロアに落とす位置や曲げの角度を徹底的に研究。乗降性や積載量に加えて、ダッシュボードの開閉といった使い勝手を可能な限り損なわず、乗員の保護とボディ剛性の向上という本来の機能も当然ながら犠牲にはしていない。
つまりチューニングカーが乗りにくいなんて考えは過去のモノ。速さと快適性の両方を高いレベルで兼ね備えた、イマドキなカスタムでクルマ遊びをもっと楽しもう!
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