フルモデルチェンジしたヴァンテージ
「ヴァンテージ」がアストンマーティン史上最速を誇るロードゴーイングモデルとしてフルモデルチェンジしました。イギリス本国での発表会の翌日、2024年2月13日に東京で開催されたジャパン・プレミアで明らかにされた新型ヴァンテージの詳細をお伝えします。
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アストンマーティン史上最速を誇る
1950年に誕生したアストンマーティン「DB2」の高性能バージョンとして、2.6Lの直列6気筒エンジンを125psの最高出力で搭載した「ヴァンテージ」が追加設定されたのは、翌1951年のことだった。その後もヴァンテージの称号はアストンマーティンにとって特別なものであり続け、1961年にデビューした「DB4」のシリーズ4には、最高出力が266psという3.7Lの直列6気筒エンジンがオプション設定されるとともに、「DB4ヴァンテージ」と呼ばれ、また1964年にはDB5に314psの4Lエンジンを搭載した「DB5ヴァンテージ」も登場。その伝統は「DB6」、そして「V8ヴァンテージ」などに受け継がれていった。
フルモデルチェンジを受け、ハンドメイドされた4LのV型8気筒ツインターボエンジンを搭載する新型ヴァンテージは、もちろんアストンマーティン史上最速を誇るロードゴーイングモデルだ。ターボの大型化やカムプロファイルの変更などにより、前作からさらに得たエクストラは155psと115Nm。じっさいの最高出力と最大トルクは、665ps/800Nmというスペックを誇ると同時に、これまで以上にシャープでドライバーの感情に訴えかけるサウンドを奏でる、特徴あるエンジンに仕上げられているという。エンジンの冷却システムも再設計され、さらにその冷却効率が高まっている点にも注目したい。
組み合わされるトランスミッションは前作と同様に8速ATのままだが、最終減速比をショート化(3.083)したことと、シフト制御を見直したことで、その加速力はさらにダイナミックなものに進化しているという。参考までに、0-100km/h加速は3.5秒。8速ATはデファレンシャルとともにリアにレイアウトされるトランスアクスル方式を採用しているため、前後の重量配分は50:50と理想的な比率を得ることが可能になった。アストンマーティンがすでに長い伝統とする押し出し接着法によるアルミニウム製のボディ構造、そして複合素材パネルによるボディを採用したことで1605kgの乾燥重量を実現したことも、この運動性能を可能にした大きな理由といえる。
パワーとともにエレガントさが秘められたデザイン
新型ヴァンテージで、誰よりも効率的なスタートを切ることはとても容易だ。新たに装備されたローンチコントロール・システムは、パワーユニットはもちろんのこと、エレクトロニックスタビリティプログラム(ESP)とも連携。後輪のホイールスピンを最小限に抑えるためにトルク・コントロールはもちろんのこと、ESPやEデフなど、あらゆるデバイスがそれをサポートしてくれる。
サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用。スカイフック・テクノロジー付きのアダプティブ・ダンピング・システム、インテリジェント・アダプティブ・ダンパーがそれに備えられている。前後のタイヤは21インチ径となり、サマータイヤはヴァンテージ専用の「ミシュラン・パイロット・スポーツ S5 AML」でサイズは前275/35ZR21、後325/30ZR21が設定されている。
そして新型ヴァンテージの魅力を語るのに欠かせないのは、やはりエクステリアとインテリアのデザインだろう。フロントではまず、グリルの大きさがさらに拡大されたことと、マトリクスLEDランプの採用が大きな特徴。じっさいグリルの開口面積は38%も拡大されており、エアフローは最大で29%も増加しているというから、これはただのデザイン上の演出ではないのだ。前後のホイールアーチは見るからにダイナミックなデザイン。リアセクションもじつにスポーティな仕上がりを見せている。
デザイナーのマレク・ライヒマンによれば、あの「One-77」からもインスピレーションを得たという新型ヴァンテージ。たしかにその姿を見ただけで、このクルマにはパワーとともにエレガントさが秘められていることが理解できる。
イギリス本国での発表会の翌日、東京で開催されたジャパン・プレミアで明らかにされた新型ヴァンテージの価格は2690万円(消費税込)から。デリバリーは2024年の第2四半期以降に開始されるという。
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