エンジンは堅牢だがボディは錆びやすい
text:Malcolm Mckay(マルコム・マッケイ)
【画像】英国オペル ヴォグゾールの名車 ビバとロータス・カールトン 全42枚
photo:James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
英国オペル、ヴォグゾールとして人気を集めたビバ。オペルからはカデットの名で売られたが、初代の1057ccのHA型と2279ccのHCとの間には、十数年の違いがあり世界観も異なる。しかし、ビバという個性的な魅力は唯一のもの。
ベースグレードでも、穏やかなドライブには好適。燃費に優れ実用性も高い。一方でOHCエンジンを搭載したGTや2300は、別次元と呼べるパフォーマンスを備えている。
どちらのエンジンも堅牢でメンテナンスはしやすい。金属的な異音や振動、不安定なアイドリング、白煙混じりの排気ガス、エンジンオイルの漏れなどはエンジンが摩耗している証拠。
これまで40年以上は取引価格が安く、現存しているビバは少数。それだけに、今あるビバの多くは部品交換などで生き残ってきた個体。エンジン交換も珍しくない。これまでの整備内容は、注意して確認した方が良いだろう。
MTで1速から2速へのシフトアップ時にガリガリと音が出る場合、シンクロメッシュの劣化を示している。ギアまわりからの異音にも注意。ATの場合はフルードが黒色になっていたり、焦げた匂いがしないか確かめたい。英国ではリビルドが可能だ。
ブレーキはドラムが初期の標準だったが、現存するビバの多くにはフロントにオプションのディスクブレーキが付いている。モデル後期では大排気量のビバで標準装備になった。リアのドラムブレーキにスレーブシリンダーを付ける改良は一般的。
英国にはオーナーズクラブが存在し、スペアパーツの入手などで有用。機械的な部品は見つけやすいが、内装部品はなかなか出てこないようだ。
具合を起こしやすいポイント
エンジン
エンジンはOHC、OHVともに堅牢。定期的なタイミングベルト交換が不可欠ながら、ピストンがバルブに干渉する心配はない。鋳鉄ブロックで、ガスケットが吹き飛ぶ心配は不要。オーバーヒートや冷却系の漏れには注意したい。
キャブレターの不具合はエンジン不調の原因。エンジン関係の多くの部品は、比較的入手しやすい。内部の摩耗状態で維持費用も変わる。リビルドには英国でも3000ポンド(45万円)近くかかる。
駆動系統
トランスミッションやブレーキ、サスペンションなどは経年劣化していることが多い。気持ちよく走るには、いい状態が欠かせない。
サスペンションとブレーキ
ブッシュ類やボールジョイント、ダンパーの状態を確かめる。ディスクブレーキは、すべての部品がリビルド品として入手可能。
ボディ
サビはどこでも発生する。主な部分としては、前後のフェンダーやピラーの付け根、サイドシル、フロアパン、荷室の床、ドアやボンネットなどのエッジ付近など。
ビバのHAでは、リアのスプリングマウントに注意。HBやHCの場合、フェンダーの内側やサブフレーム、ガラスの付け根やボンネット・ヒンジのマウント、ショックアブソーバーの取り付け部分が要注意ポイント。
HB用のヘッドライトは、部品が出てこない。
インテリア
入手可能な内装トリムなどは、基本的に中古部品のみ。希少グレードほど見つけるのも大変だ。ドアの内張りは定期的にデザインが変わっている。
ストリップと呼ばれる横長のスピードメーターは、HBやHCで一般的な装備。部品は見つけにくいから、すべて動作することを予め確かめたい。
ヴォグゾール・ビバ(HA~HC型)のまとめ
フォード・エスコートとコルチナの価格が高騰している中で、ヴォグゾール・ビバの再加熱ぶりは穏やか。残存数もかなり少ない。特にHB型は珍しい。
今はまだ、レストアして乗るほどの価値があるわけでもない。状態が良いビバに乗って楽しみたいという理由なら、悪くないクラシックカーにはなるだろう。
ボディは錆びやすい。自分で溶接する技術がないのなら、できるだけ錆びのないボディを選びたいところ。
良いトコロ
英国でも、ほとんどビバを町中で目にすることはなくなった。オーナーズクラブは存在し、サポート体制は厚い。とても実用的なクラシックでもあり、多くの人の注目も集めるだろう。
良くないトコロ
ボディの錆の修理には、かなりの費用が必要。内装トリムなどの入手困難な部品を買うのに、数年待つこともあり得る。
ヴォグゾール・ビバ(HA~HC型/1963~1979年/英国仕様)のスペック
英国価格:658~1063ポンド(1968年時)
生産台数:151万6792台
全長:3937-4134mm
全幅:1511-1645mm
全高:1384-1397mm
最高速度:112-160km/h
0-97km/h加速:10.7~20.6秒
燃費:7.1−14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:713-1023kg
パワートレイン:直列4気筒1057-2279cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:44ps/5000rpm-111ps/5200rpm
最大トルク:8.1kg-m/3000rpm-19.3kg-m/3000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/3速オートマティック
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