F1のタイヤサプライヤーであるピレリは、2025年にストリートコースのレースを活性化するC6タイヤを開発しており、ポールリカールで最初のバージョンをテストしたようだ。
今年のモナコGPでは、オープニングラップのクラッシュで赤旗が出たことで各車がタイヤ交換義務を消化。レース再開後はピットストップをせずに済むように各車が極端なスローペースで走行した。
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本来のペースよりも3秒以上遅いラップで走り、それでもオーバーテイクが起きない様子から、ストリートサーキットでのタイヤに関する議論が盛り上がった。
一部のドライバーはタイヤのデグラデーション(性能劣化)がより激しく、より多くのピットストップをする必要があるような、ストリート用のソフトタイヤを導入するべきだと意見していたが、実はピレリは水面下で、ストリートサーキットに特化したソフトコンパウンドを開発していたのだ。
現在F1のカレンダーにはストリートサーキット以外にも同様のタイヤが求められているシチュエーションがあるが、それぞれのコースでの課題も異なっている。
例えば現在使われている中で最もやわらかいC5コンパウンドが使用されたイモラやレッドブルリンク、アブダビは高速コーナーを備え、タイヤには大きな横荷重がかかる。またシンガポールやメキシコは低速セクションが多いため、リヤタイヤのマネジメントが勝負を分ける。
C5コンパウンドよりさらにソフトなC6タイヤは、こうしたシナリオに合致するものであり、デグラデーションが低いサーキットでの新たな選択肢として、ストリートサーキットでのレース増加に対応できるタイヤとして期待されている。
ピレリはすでに、現行コンパウンドの改良と並行して新コンパウンドの開発に取り組んでおり、ポールリカールで最初のテストが行なわれた。
ピレリのレーシングマネージャーを務めるマリオ・イゾラは、「C6タイヤのテストはポールリカールで1回だけ行なった。テストはそれほど過酷ではないコースでやる必要があるからだ」と説明した。
C6タイヤの次のテストは、昨年のレースでC5タイヤが使われたモンツァで予定されており、ピレリはタイヤの製造とコンパウンドについて年内いっぱいで決定を下すことになる。
「我々はモンツァでもう一度、あるいは年内にテストをすることを考えている。よりソフトなコンパウンドを導入し、他のコンパウンドのレンジを少し変えるというアイデアは間違いなく持っているし、開発はその方向で順調に進んでいる」
「2025年のタイヤビルドは90%決定しているので、オーバーヒートを抑え、コンパウンド間のギャップを少し動かしてより良い間隔にすることを目標に、コンパウンド開発に集中することができる」
一方で2026年にはレギュレーションが変更されるのに伴いタイヤサイズも変更となる。タイヤの幅がより狭くなるため、より大規模な開発が必要となる。
ピレリの2026年タイヤ開発は9月にも開始され、アゼルバイジャンGPからシンガポールGPまでの間に、まずアストンマーティンがテストを行なう予定となっている。
アストンマーティンのマイク・クラック代表は、ピレリとの取り組みについて語り、2025年にC6コンパウンドが導入される可能性を歓迎した。
「我々はそれが実現するとしたらハッピーだ。戦略的な選択肢が増えることになると思うからだ。C4~C6タイヤを持ち込むとか、どんな形になるのかは言うまでもなくピレリが決めることだ」
「しかし来年も(レギュレーションが変わらず)マシンも非常に似たようなものになるだろうから、多少のバリエーションは歓迎すべきことだと思う」
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