同じカテゴリー、同じようなサイズ感、多少の差はあれど価格帯もそれほど違わない。ライバル車とされる日本車2台だが、気づけば両車の販売台数に差がついている。 そこにはユーザー心理を絶妙についた「策」が潜んでいるかもしれない。「売れる」「売れない」の分岐点を探る。
※本稿は2021年1月のものです
文/諸星陽一 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年2月26日号
その人気はどうなった!? 1.8Lターボモデル新登場でフォレスターの中古車価格に動きあり!!?
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■売れるアルファード VS 売れないオデッセイ
アルファードはLクラスミニバンのベンチマークである。
日本での圧倒的人気はもちろん、東南アジアや中国ではアルファードはステータスですらある。ついにレクサス版であるLMも登場するなど、その勢いは止まらない。
初代オデッセイは背の低いミニバンとしてデビュー。
ハンドリングのよさで大ヒットしたが、現在では背の高いミニバンでも充分なハンドリングが確保できる。現行はずいぶん背が高くなったが、それでもアルファードには及ばない。
トヨタアルファード(2015年1月登場)…2020年累計販売台数:9万746台/2020年12月・月販台数:7960台
ホンダオデッセイ(2013年11月登場)…2020年累計販売台数:9716台/2020年12月・月販台数:1140台
お客は背が高く、グリルが大きい厳ついクルマが欲しいのだ。
今、商売や利益優先でオデッセイをアルファードに似せるか? ホンダらしさを貫くか? 経営者は大きな判断に迫られているといえよう。
●売れる・売れないの分岐点は?…ニーズを掴んだアルファード。その真似で下降線
■売れるフォレスター VS 売れないCR-V
フォレスターもCR-Vも人気のミドルクラスSUVだ。その全幅をチェックするとフォレスターが1815mm、CR-Vが1855mmとなる。この1855mmという数値がひとつの大きな分かれ目となる。
マンションなどでは敷地内の駐車場にサイズ制限を設けていることがほとんどで、その多くが1850mmであるという。
つまり1855mmの全幅を持つCR-Vはマンション敷地内の駐車場に対応していない可能性がある。もともとがアメリカでの販売を考えていたモデルなので、これは仕方ないことなのかもしれない。
スバルフォレスター(2018年7月登場)…2020年累計販売台数:2万4057台/2020年12月・月販数:2327台
ホンダCR-V(2018年8月登場)…2020年累計販売台数:6140台/2020年12月・月販台数:460台
クラス的にはミドルクラスSUVと同クラスに位置する両車だが、価格を見るとフォレスターが約292万~約329万円、CR-Vが約336万~約456万円と、CR-Vは1クラス高い価格設定。この差はユーザーも放っておかない。
しかもフォレスターは全車4WDなので、4WD同士を比較すると、さらにフォレスターの買いやすさを感じる。
また、CR-Vは日本で販売されていなかった期間が意外と長く、知名度が落ちてしまっていることも否めない。
●売れる・売れないの分岐点は?…全幅1855mmがひとつの鍵となりCR-Vは低空飛行
■売れるヴェゼル VS 売れないキックス
※この2台はキックス販売開始の2020年7~12月の合計販売台数を紹介。12月はキックスが上回り、これからが要注目
ヴェゼルとキックスはボディの全長、全幅、全高の寸法がそれぞれ5~10mmしか違わないまさにがっぷり四つのライバル。
しかし、パワートレーンには大きな違いがある。ヴェゼルは1.5Lのピュアエンジンと1.5Lハイブリッドの2種のパワーユニットに、FFと4WDが用意されるが、キックスはシリーズハイブリッドのe-POWERのみ。ここで4WDが欲しいという人はふるい落とされてしまう。
ホンダヴェゼル(2013年12月登場)…2020年7~12月販売台数:1万5838台/2020年12月・月販台数:2205台
日産キックス(2020年7月登場)…2020年7~12月販売台数:1万4597台/2020年12月・月販台数:3529台
e-POWERのみのキックスの価格は約276万~約287万円だが、ヴェゼルは約211万円から用意される。同じパッケージングでリーズナブルなモデルが欲しいと思えば、ヴェゼルにいくのが当然か。
また、ヴェゼルはハイブリッドのもっともリーズナブルなモデルでも約251万円なので、ハイブリッドモデル同士の比較でも、まだヴェゼルに分がある状況。
そして、キックスは国内生産ではなく、タイ日産で生産され、日本に輸入されるモデルなので、大なり小なり、そこの部分を気にするユーザーが存在する可能性も、否定できません。
●売れる・売れないの分岐点は?…モデル末期でも選べるパワーユニット&駆動性能でヴェゼル!
■売れるRAV4 VS 売れないエクストレイル
エクストレイルはデビューが2013年12月で、すでにまる7年を経過してしまっているところが、まず第一の戦力不足といえる。
現行3代目デビュー時はクリーンディーゼルがあり、それがアピールポイントであったが、現在のパワーユニットが2Lピュアエンジン車と2Lハイブリッド車の2種に限られる。
RAV4にディーゼルはないが、ディーゼルユーザーは同セグメントのCX-5に流れている可能性も否定できない。
トヨタRAV4(2019年4月登場)…2020年累計販売台数:5万4723台/2020年12月・月販台数:4070台
日産エクストレイル(2013年12月登場)…2020年累計販売台数:2万280台/2020年12月・月販台数:979台
エクストレイルは7名定員モデルも用意し、特殊性でアピールするも、その効果はさほど高くはならない。
対するRAV4は一時期日本市場から姿を消していたが、再びの導入と同時に積極的にテレビCMを展開し認知度がアップ。そしてパワートレーンの充実も見逃せない。
2Lガソリンエンジン車はFFと機械式4WD、2.5Lハイブリッド車とPHVはFFとフロントエンジン&モーター+リアモーターの4WDというように、パワーユニットと駆動方式の選択肢は5つにもなり、まさにかゆいところに手が届くような状況だ。
●売れる・売れないの分岐点は?…パワーユニットと駆動方式の選択肢は5つ。これぞRAV4の強み
■売れるノート VS 売れないプリウス
手頃サイズの電動車、この2台は意外にも累計販売台数に差がある。
昨年12月、新型誕生のノートはe-POWERのみの設定。先代モデルも人気はe-POWERで、7万台超えの累計販売台数を築いた。先代も現行も全幅が1695mmで5ナンバーに収まる。ここが第一の魅力。そして価格だ。ノートe-POWERの価格は200万円強だった。
対してプリウスは全幅1760mmの3ナンバーサイズで価格は250万円強から。このサイズ&価格面での差は販売台数に大きく影響したであろう。
日産ノート(先代:2012年9月登場/現行:2020年12月登場)…2020年累計販売台数:7万2205台/2020年12月・月販台数:5253台 ※いずれも先代&現行の合計
トヨタプリウス(2015年12月登場)…2020年累計販売台数:4万9970台/2020年12月・月販台数:3560台
新型ノートは同様に200万円強に抑えられたが、プロパイロットを装着するセットオプションが約44万円。これは影響が大きそう。今後を注視したい。
●売れる・売れないの分岐点は?…電動車としてお得感溢れるのがノートだ
■売れるカローラセダン VS 売れないシビック5ドア
カローラのライバル……。ホンダ勢では昔からシビックだったが、現在はちょっと車格が釣り合わないという側面も持っている。
カローラは1.8L、4気筒を基軸にハイブリッド、1.2Lターボなど多彩なバリエーションを誇るが、シビックハッチバックは1.5L、4気筒のみの設定。カローラのバリエーションの多さにはかなわない。
トヨタカローラセダン(2018年6月登場)…2020年累計販売台数:1万6130台/2020年12月・月販台数:1080台
ホンダシビック5ドア(2017年9月登場)…2020年累計販売台数:5491台/2020年12月・月販台数:647台
また、カローラは約200万円からという価格に対し、シビックは約294万円と価格帯もちょっと異なる。
その状況はあるが、大型セダンではない両モデル、人気の分岐点はサイズ感。カローラの全長が4495mm、全幅が1745mmなのに対しシビックは4520mm/1800mmと若干大きいことも、影響がないとは言えないだろう。
また、カローラは国産車だが、シビックハッチバックはイギリスホンダで製造され、国内に輸入されているモデル。国産品質を求めるユーザーには、少し不安感があることも否めない。
その状況でも、カローラの3分の1程度売れているシビックハッチバックはある意味凄いとも言える。
●売れる・売れないの分岐点は?…サイズがやや大きく国産製造ではないシビック。風向き悪し
■売れるミライース VS 売れないアルト
※軽自動車2モデルは2020年10~12月の合計販売台数
まず、パッと見た時にどちらが魅力的に映るだろう?
もちろんデザインは趣味の問題なので、一概にはいえないがグリルレス(スモールグリルのほうがいいかもしれない)のアルトと、上下2分割ながらしっかりとしたグリルを持つミライースでは、ミライースのほうが馴染みやすく、わかりやすいデザインだといえる。
ダイハツミライ—ス(2017年5月登場)…2020年10~12月販売台数=1万5580台
スズキアルト(2014年12月登場)…2020年10~12月販売台数=9530台 ※アルトワークス含む
エンジン出力はアルトが52ps、ミライースが49psだが、このクラスの軽自動車に乗る人にとっては3psの差などはあまり関係ないのが実状。
普通に走れればいいのだ。燃費も同様で、大幅な差がなければ気にされない。安全装備面では大きな差はなく、どちらも基本はサポカーSワイドとなる。
ボディサイズを見ると、ミライースのほうが車高が25mm高く、室内高も同様に25mm高く、広々感はミライースが上ということになる。
最も大きな差は発売時期だ。ミライースは2017年5月、アルトは2014年12月ですでに6年を経過、モデル末期であることはやはり不利。それ以上に、アルトにはどこか「華」がない。
●分岐点は?…モデルが新しく、馴染みやすいデザイン。ミライースの優位性はここ
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そういう意味ではライバルは全て消滅。